麻雀って こんなにも面白い! 読むとすぐに打ちたくなる 麻雀BOOKレビュー 日向藍子プロ著『十人十色(近代麻雀シリーズ)』 | 麻雀新聞

麻雀って こんなにも面白い! 読むとすぐに打ちたくなる 麻雀BOOKレビュー 日向藍子プロ著『十人十色(近代麻雀シリーズ)』

2023年(令和5年)12月1日、Mリーグ・渋谷ABEMAS所属の日向藍子プロによる初の著書『十人十色』(近代麻雀シリーズ)が刊行された。こちらは麻雀戦術書ではなく、日向プロの麻雀プロとしての歩み、Mリーガーとして過ごしてきた日々の出来事や思いを綴ったエッセイとなっている。

著書のメインとなるのは「Mリーガー」編で、日向プロがMリーガーとしてドラフト指名を受けるまでに抱いていたさまざまな心境の変化、Mリーグで戦う中での喜びや悲しみ、苦しさなどが赤裸々につづられている。毎年ファイナルに進出するなどMリーグでも強豪として認知されている渋谷ABEMASの裏舞台を垣間見られるのは貴重であり、日向プロ自身もさまざまな心境の変化の中でMリーグに臨んでいたことが伝わってくる。その他にも、日向プロの麻雀プロとしての根底を支える「最高位戦」編、現在も精力的に活動している「YouTube」編、一児のママとして奮闘している「母親」編など、この本を読むことで日向プロのパーソナリティーに深く迫れる内容になっている。

特に見どころとなるのは、妊娠から出産、ドラフト指名に至るまでの葛藤、 Mリーグで戦っていく中での公私ともに苦しんだ日々とそこからの脱却、仲間や先輩・後輩との関係性など。特に日向プロがお世話になっているという近藤誠一プロ・新津潔プロという2人の大先輩の助言は、今も日向プロを支えているものとして、ぜひ多くの方に知っていただきたい言葉だ。

また、本の合間には日向プロ自身の秘蔵写真や、過去にバズったSNSでの投稿なども掲載。日向プロの独特なワードセンスはファンの間でも好評で、そうした彼女のユニークな一面も楽しめる。

普段から明るく元気な印象が強い日向プロだが、その内心まで常に明るいわけではなかった。また、日向プロと立場は違えど、同じような苦しみを抱える人は世の中にたくさんいるはずだ。そうした人たちが少しでも元気になるような、日向プロ自身の人生を通じてのメッセージ。心温まるエピソードから思わず涙してしまうような出来事まで、この本を通じて日向藍子という一人の人間を感じていただきたい。

(文・東川亮)

■『十人十色』(近代麻雀シリーズ)

著者:日向藍子

出版社:竹書房

発売日:2023年12月1日

定価:1650 円 

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