【追憶の麻雀】第96回「激変の時代 マージャン業は生き残れるか?【10】」

追憶の麻雀

麻雀新聞第281号 1998年(平成10年)12月10日

 

激変の時代 マージャン業は生き残れるか?【10】

 

健康こそが生き残りの条件

脱サラによって見えたもの

 

《ピンチ経て成功つかむ》

経営も健康も大きな危機には遭わないほうがよい。しかし成功者は死を意識するほどのピンチを切り抜けた人に多いようだ。他人の経験や理論を本で読んでも、なかなか自分の物にはならない。入手する情報を自らの経験に照らして判断すると消化しやすい。

今から思うと22年間のサラリーマン生活から抜け出した時は、勇気があったというより無謀で無知だった。脱サラするなら今までの会社のコネ無しで出発しようと考えた。会社の顧客や商品に頼って起業し、失敗した例を多く見過ぎたからだ。また4人の親しい脱サラ経営者が帰属していた業界外で成功しているのを見たからかもしれない。

 

《独立してぶつかる障害》

素っ裸で飛び出して新しいビジネスを始めるには膨大な時間と金がかかる。その最大の原因は自分の経験と知識に対する過信だろう。私の場合、大企業の枠の中での経験は、外部の敵(規制・裏社会・金融など)から守られた上でのものだった。他の部署が砦となって自分に届かなかった物が見えていなかった。ひとりで社会に飛び出すと、考えもしなかった障害にぶつかる。馬鹿ばかしい話の持ち込みやセールス、サラ金から株屋まで次元の低い詐欺まがいの商売の多いのに驚く。新規にイロハから始めるための充電期間は事務所を構えてはダメだと思った。最低3年は無収入(それどころか払出し)と考えねばならない。しかし将来の方向は決めているから、儲(もう)からないにしてもその方向に沿ったビジネスを進めていかないと本物の情報は入手できない。

 

《事業家は健康体であれ》

無収入の期間のストレスは尋常ではない。強靱(きょうじん)な精神力と体力が要求される。多くの人がこの期間に体調を崩す。体力には白信のあった私も例外ではなかった。自分では意識できないうちにストレスが体をむしばんでいた。体の変調はいちどきに訪れるものでなく、少しずつ出てくる。年令や睡眠不足が原因だと楽観していると、常識では考えられない変調も当たり前と考えるようになる。私の場合、高速運転中に手足がしびれて車を止められなくなったり、駅の階段を昇りつめたら上で一息つかずにはいられなくなった。それでも異常とは考えなかった。

事業を始めると健康の大切さがよく分かる。5年ほど前に肝臓を害したが、それを知った途端に多くの顧客が去った。逆に、その時、近付いてきた友人たちが現在のビジネスパートナーとなっている。

 

《入院中に得たアイデア》

3年前に直腸ガンと宣告された時は、あまりショックを感じなかった。ビジネスの修羅場の経験に比べると、少なくとも地に足はついていた。手術と放射線治療による延べ5カ月の入院生活は、考える絶好の機会となった。これからは余録で生きていく、「仕事は道楽で」と思うようになったら肩のカが抜けた。急いで多額の金を生み出さなくても楽しめればと思ったら、アイデアが次々に湧いてきた。入院中に見た看護婦の仕事をヒントに3件の特許を取り、今、事業化しつつある。10億円以上の市場がある商品は後発の大起業に負ける。だから隙間商売、特に汚いイヤな仕事を減らす商品に絞った。

 

《開発研究は惜しまずに》

この平成大維新を切り抜けるには新しい発想が不可避だ。不況の中でも売り上げの10%以上を開発研究費に向けているメーカーが利益を出している。小売店も売り上げから仕入や経費を引いたものが利益と考えるのをやめて、どれだけ研究費を生み出すかを考える時期だ。

 

《今後は反面教師として》

このコラムを担当して9カ月が経ったが、業界について書いた時は評判が悪かった。読者は自分の業界のことは欠点も問題点も知り過ぎている。だから他の業界がどうなっているのか、消費者の意識はどうなのかといった情報のほうが良いようだ。また、他人の自慢話は聞きたくないが失敗談や苦労話には興味をもつようだ。その点では私が社会に出てからの36年は、失敗と錯誤の固まりみたいなものだ。これからも小説になりそうな経験を含めて書き続けるつもりだ。反面教師としてお役にたてればと思っている。

(つづく)

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