新式麻雀タクティクス 第17回

若手麻雀プロが贈る麻雀の新潮流!
数あるイマドキの戦術がみるみるよくわかる連載第17回

 皆さん、あらためて明けましておめでとうございます。最高位戦日本プロ麻雀協会の原周平です。
 昨年に引き続きこの連載にもう少しお付き合い願えればありがたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。

●鳴きを制するものは赤ありを制す!

 さて、今回のテーマですが、前回に引き続き、「鳴き」を扱っていきたいと思います。
 喰い下がりしない一翻である赤が3枚増えたルールが一般的になりつつある昨今、当然鳴きの機会は増え、相手の鳴きに対応をせまられることもよくあります。面前重視の麻雀を好む人には、この動きがややせっかちに映ることもあるでしょう。
 しかし、鳴かれたからといってすべて絞ったり、反対に無視したりでは麻雀になりません。大切なのは、いい距離感で打つことでしょう。鳴いた相手がテンパイしていないときは何でも通し、テンパイした可能性が高くなれば、そこから押し引きを始めます。そのためにはまず、どのくらいのバランスで鳴くのが「あり」なのか知っておくことです。自分の鳴きのためでもあり、
 同時に鳴いた相手の手がそれだけ透けることになり、赤あり麻雀がぐっと打ちやすくなると思います。

●王道の鳴き

 今回は、面前派の人であっても鳴いた方がいいだろうという、局収支で明確に鳴き有利なデータが出ている、いわば「王道の鳴き」を扱いたいと思います。残り局数の多い東場は、「局の平均的な収支をよくする」という局収支の観点で打つことが基本です。オーラストップ目のような、加点する必要がなく、反対に放縦だけはできないといった状況であれば当然鳴いていく基準も変わりますが、そうではない、いわゆる「普通」の状況で、何を鳴くのが「相場」なのか、それは局収支で考えていくのが良いというわけです。

 具体的に牌図を見ていきましょう。牌図A~Dはすべて、仕掛けてもターツ十分で雀頭がある形です。

 これがもっとも効率がよく、鳴きやすい格好と言えます。ターツオーバー形は鳴いてもターツを落としていくわけですから、さほど早くなりませんし、ターツ不足形では鳴いた後にさらに鳴ける牌が少なく、持てる浮き牌の数が減るため、こちらもさほど早くなりません。また、鳴いて手牌を短くすると雀頭が作りにくくなるというのは昔から言われていることで、雀頭のあるなしで安定感はかなり違います。
 そして牌図A~Dは、その中でも、最もオーソドックスな、鳴きやすい手牌です。

 まず、Aはドラドラ。鳴いても愚形が残りますが、3900点はすでにリーチに対抗できる打点です。面前で進めても飛躍的な打点上昇は望めないのと、赤ありでは道中赤を引くこともあるので、3900点は鳴きやすい打点だといえます。もちろん、これがドラ3でも鳴きですから、

 ①ドラ2以上は鳴き

 というシンプルな基準で捉えておくと良いでしょう。


 次にBとCですが、Bはポンテン、Cは鳴くと十分形のイーシャンテンです。どちらもほぼ1000点ですが、面前で進めても飛躍的に高くならず、鳴けばそこそこアガリやすそうです。よくこれを「リーチが来たらオリになるから」と言って鳴かない人がいますが、リーチが来たらオリるのは鳴かなくても同じことです。確かに守備力は落ちるのですが、11枚あれば十分オリられるし、その前にアガリを拾える可能性があります。局収支で、鳴いた方が鳴かなかった場合より勝るというデータが出ている以上、安全牌として中を抱えられる、面前ならリーチ・ツモ・一発・裏・符がある、といった面前のメリットを含めてもなお、1000点でアガったり、テンパイ料をもらったり、たまに大きな放縦をしたりといった立ち回りの方が、平均収支では良いということです。麻雀がどれだけオリていても失点するゲームなのかがよくわかると思います。ちなみにBは2索・4索も鳴きます。

 ②ポンテン・チーテン・鳴いて十分形イーシャンテンなら1000点でも良し

 と覚えておきましょう。

 最後に、Dですが、鳴いても愚形が多く、打点もドラが1枚あるだけですが、頼みの綱は親であること。実はこの親であるというのが、それだけで鳴きのゴーサインになります。親は子の倍払い。アガれば1.5倍ですから、当たり前ながら攻める方がいいのです。
 たったこれだけの理で、親はすべて鳴き有利になり、子よりも積極的に早めから鳴いていくのが良くなります。気をつけたいのは、連荘狙いではないということです。連荘も確かに価値はあるのですが、その価値は平均して約600点と言われています。親の基本は、できるなら高くアガり、1.5倍を生かすこと。
 しかし同時に、親の鳴きというだけで他家にはプレッシャーがかかり、ある程度打牌に制限を加えることもできるでしょう。そのあたりも込みで、局収支では、親の早くて積極的な鳴きが功を奏すというデータが出ています。子だと鳴きをためらってしまうような、鳴いてリャンシャンテン以下愚形残りの安手でも、

 ③親なら鳴いて前に出る
 
 と覚えておきましょう。いかがでしょうか。みんながこんな手以上で鳴いてくるとは限らないですが、最適曲線がこのあたりにあると思っておくだけでも、判断は楽になります。子で安くて安全牌もない形の悪いリャンシャンテン以下といった仕掛けは、局収支で見ると微妙なところ。それは体感でもそうなので、多くの人が手を出さなくなっていき、今回のような王道の鳴きが「鳴いて良い結果が出た」という実感とともに残っていきます。
 しかしもちろん例外的な鳴きもなくならないわけで、それを駆使して強い人もいます。そのあたりに関しては、次回で扱えればと思います。

AUTHOR:原 周平(23歳)
PROFILE:最高位戦日本プロ麻雀協会C1リーグ所属。
早稲田麻雀部元部長。
大学対抗麻雀駅伝に早稲田のアンカーで出場し優勝。
天鳳九段(ID:焚き火)。
雀風は数多の戦術からいいとこ取りの門前攻撃型。

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