麻雀を教えるって、どういうこと?第6回 | 麻雀新聞

麻雀を教えるって、どういうこと?第6回

麻雀を教えるってどういうこと

実は伝えるのが難しい『役牌』

前々回から『役』についてのお話をさせてもらっています。

前回までに、「リーチ」、「門前清自摸和」、「断么九」の3つの役について説明しました,今回も新たな役の説明に入るのですが…。今回の役は、多分皆さんはかなり早い時期に覚えたのではないかなと思う役なんですけど、実は麻雀講師として一番伝えるのが難しい役なんです。

その役とは、『役牌』(翻牌と呼ぶ場合もありますね)です。

「そんな役は誰だってわかるよ!」っていう人もいるかもしれませんね。

「2枚あったらポンっていえばいいんでしょ?」っていう方も多いかもしれません。

でも、それではダメなんです。

しっかりと理解して頂くための道筋を作ってあげるようにしたいと思うのです。

まず最初に、『役牌』を伝える前に伝えなければいけないこと、それは麻雀の役には大きく分けて2種類の役があるということです。

それは『全体役』と『部分役』です。

えっ?そんな言葉は初めて聞いたよ!って方もいらつしゃるかもしれません。

しかし、この2つの役の違いは、麻雀の役を覚えるためには本当に必要なことなんです。『全体役』とは…「手牌すべてが条件となる役」で、部分役とは…「手牌の一部が条件となる役」なんですね。

以前お話した「リーチ」や「門前清白摸和」は役の条件として、≪門前で『聴牌』している時に≫といった一文がありました。『聴牌』とは、「あと一枚でアガリ」という状態を指す言葉ですから、手牌すべてに条件となる役、つまり『全体役』なんですね。

「断么九」も2~8までの牌で構成される形ですから、これも「全体役」なんです。

この3つと異なって、「役牌」は部分役なんです、手牌の3枚が条件になる役ですからね。

もちろんこれは皆さんにとっては簡単なことなのかもしれません。

でも、初めて麻雀を学ぶ人にとってはピンと来ないことなのです。

 

ここで大切なのは『牌姿』を図示するいうことです。

牌姿図のようにわかりやすい形を図示して、(この時大事なのは、マンズ、ピンズ、ソウズの3種類の数牌を使うことと、他に役を複合させないこと、そして順子も刻子も図示する形に含むことです)下線の部分が『役牌」に当たるんだと説明するとわかりやすいでしょう。

この時、役牌以外の11枚はどんな牌でもどんな形でも良いのだということを忘れずに伝えなけれはなりません。その代わり、「役牌」に当たる3枚の牌の部分にはいくつかの条件があるのだということも併せてお伝えするのです。

まずは三元牌。

三元牌はいつでも誰でもどんな時でも、3枚揃えると『役牌』になる便利な牌ですよね。字牌の中でも役牌は、使用価値の高い牌だということをお伝えすることが大切ですね。

ここまでは比較的簡単に理解できる部分です。しかしここからが鄭しいのです。頭ではわかっていても、言葉にするのはなかなか難しい内容ですね。

次は風牌についてですね。ここで難しいのは、風牌には2種類の「役牌」があるということですね。

風牌には、『場風牌』と『自風牌』の2種類があります。

『場風牌』とは、全員が役牌となる風牌で、一周ごとに変化する役牌ですよね。「自風牌」とは、自分だけが役牌となる役牌で、一局ごとに変化する役牌です。

言葉で説明するとこんな感じなんですけど、この言葉だけではなかなか伝えるのは難しいのです。ですから私は、『場風牌』を説明する時は図解で、『自風牌』を説明する時は実際に麻雀卓で麻雀牌を使用して説明することにしています。

 

麻雀の成り立ちや用語などの知識を伝えることがとても大切!

 

『場風牌』を理解する前に、麻雀のゲームとはどうやって進行していくのかを説明する必要があります。

何故麻雀は東から始まり、南→西→北の順に進行していくのか?

何故現在の麻雀は二周回ったところでゲームが終了する「半荘」という単位でゲームが終了するのか?

何故「東場」や「南場」はあるのに、「西場」や「北場」はないのか?

 

この辺りをわかりやすく説明できるかどうかが、麻雀講師としての腕の見せ所だと思うのです。しっかり理解してから進めていかないと、この『役牌』自体の理解もスムーズに進んでいかないのです。

もちろん、これを割愛する講師の方も多いかとは思います。役牌の本質についてはあまり意味がないと思われるかもしれませんし、現在行われていないルールと関係ない話には意味がないと思われる方もいるかもしれませんから。

それでも、麻雀のゲームの進行や成り立ちなどを知識として生徒さんに伝えることはやっぱり大切なんですね。そして、用語も併せて伝えていかなければならないんですね。

例えば、このタイミングで伝える用語として、『起家」(起家マーク)があります。

何故ここでお伝えするかというと、今の場の状況を指示するための大切なマークですから起家マークを見れば、すぐに今の場風がわかるゲームを進行するためにはなくてはならない起家マークですが、良く勘違いされるのは、親の位置に起家マークを移動してしまう方がいらつしゃるということです。そんな時、起家という言葉の意味が理解できていれば、起家の場所に起家マークを固定しておく意味がよくわかると思います。

というように、用語や言葉の意味を理解することで、より深く麻雀を理解してもらうことに繋がっていくんですよね,

話が少し逸れました。

次は「自風牌」についての説明ですけど、これは生徒さんに実際に卓に座ってもらい役牌がどうやって移動し、変化していくかを体感してもらうことが大切です。自風牌を説明すると同時に、場風牌についての理解も深まりますからね。この部分の説明は実際に牌を使って説明した方が良いと考えています。

ここまで説明してくると、さらに説明する用語が出てきます。

それは『連風牌』と『客風牌』です。この用語こそが次に伝える役に対して必要となってくる用語なんですね。

『連風牌』とは、場風牌と自風牌が同じケースですね。

場風牌と自風牌がダブるわけですから、3枚揃うだけで役が2つ付くとてもお得な牌だと伝える必要がありますね。字牌の中でも、使用価値が一番高い牌だとお伝えするのです。

『客風牌』を説明する時には注釈をつけなければなりません。

それは、『客風牌』は『役牌』ではないということ。これは一番大事です。そして、何故役牌でないのにお伝えするかというと、次に学ぶ役を覚えるに当たって、,客風牌を覚えることが簡単に理解することに繋がるからといった説明をする必要があるのです。

『客風牌』とは、場風牌でも自風牌でもない風牌のことですね。

3枚揃っても役牌にならない風牌と理解するのがわかりやすいかもしれません。

ここまでたくさんの新しい用語を交えながら、『役牌』について説明してきました。

覚えるのは簡単だけど、伝えるのは一番難しいということがご理解頂けましたか?

間違っても、「2枚役牌になる牌を持っていたら、その牌が切られたらポンしましょうね~」…なんて教えてしまってはいけません。

 

そうすると、2枚持っていたら『ボン』しなくてはいけないと勘違いしてしまいますから。

ちなみにここまで、まだ『ポン』も『チー』も教えていませんね,さて次回は、麻雀初心者の方が.番最初にぶつかる壁についてお伝えしたいと思います。

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