二足の草鞋を履く「雀士」第4回 植田佳奈

「麻雀って楽しいよね!」  麻雀を題材としたT Vアニメ『咲 -Saki』 の主人公宮永咲役とし ておなじみ。
声優界麻雀ブームの先駆者であり、『二次元業界麻雀部』部長も務める植田佳奈さんの麻雀観に迫る。

 

編:植田さんといえばTVアニメ『咲』の宮永咲役として若い世代の麻雀ブームに一役買ったというイメージがありますが、麻雀を始められたきっかけは何ですか?
植:『咲』が始まる2、3年前に別作品の皆さんで麻雀大会をしようということがありまして、女子はドンジャラをするということで参加したのですが、当日女子に欠員が出まして、ドンジャラではなく麻雀を覚えて麻雀大会に参加することになって、覚えたのがきっかけですね。

編:その場で覚えてきなり参加されたんですか?
植:「とりあえず4面子1雀頭を揃えて立直をかければ和了れるから揃えるだけ」と教えられて参加しました。同じく声優の白石涼さんも参加していたんですが、彼女はツモが良くて、『鬼ヅモの涼子』というニックネームがついていました(笑)。結果、大会は負けてしまって、どうしたら勝てるようになるのかと考え、次の日に入門書を買い勉強しました。もし最初に勝っていたら、「なるほどね、楽しかったー」で終わっていたかもしれません。負けたことがきっかけてのめり込んでいきました。

編:ということは『咲 -Saki』が始まる時には、すでに麻雀にハマっていたんですね。
植:そうですね。『咲 -Saki』が始まる前にはすでにハマっ ていて、最初に『咲-Saki』がドラマCDを出す時に、声が掛かりました。おそらく、 私が麻雀をしていることを知っていてのキャスティングだったと思 います。ドラマCDの主要キャストが麻雀仲間で、アニメ化に際し て、ドラマCDのキャ ストそのままで行きたいと言っていただき、アニメ『咲 -Saki』」へ の出演が決まりましたね。夢みたいなお話でとてもうれしかったです。

編:『咲 -Saki』へご出演されてから、植田さんの周りで『咲-Saki』を観て麻雀を始められた方はいらっしゃいますか?
植:アニメ『咲-Saki』は現在3期まで製作されているのですが、2期以降は若い子も多く出演していて、『咲-Saki』を見て麻雀を始めたという子が多くて、嬉しかったです。

編:現在は月に麻雀を打つ機会・頻度はどれくらいですか?
植:定期的なものは、『二次元業界麻雀部』や声優小山剛志さんの著名人リーグや片山まさゆき先生のGPC(グッドプレイヤーズクラブ)など月に2~3回ですね。その合間に友人との麻雀が入ってきます。

編:全自動麻雀卓を置いている植田さんの自宅が『雀荘うえだ』と呼ばれた時期もあったそうですね。
植:一時期はそんなこともありましたね (笑)。小山さんの雀荘 『オクタゴン』が出来てからは主にそちらですね。あとは新宿で打ったりします。

編:そのように打たれ ているなか、麻雀のイメージについてお伺いしたいのですが、始めた時と現在で変わりましたか?
植:最初に麻雀に触れ たのが役者仲間とだったので、マイナスのイメージはまったくありませんでした。麻雀を始めてから『アカギ』(『近代麻雀』竹書房)などを読むようになって、こういうダークなイメージもあるので女の子は麻雀を敬遠しがちになるのかなとは思いました。ただあくまで血を抜いたりとかフィクション的な感じなので(笑)。現在のイメージは思っているよりもずっとクリーンで す。全自動卓がどこに行ってもあるので、イカサマもないでしょうし(笑)。

編:なるほど、良いイメージで安心しまし た。では、最近ブームになっているネット麻雀に触れる機会はありますか?
植:あまり触れないですね。ただ、『セガネット麻雀MJ』(SEGA)は『咲-saki -CUP』という大会の関連もあって良くやります。麻雀仲間と夜、ネット個室で集まることも多いです。ただ、ネットだと対人戦という感じがあまりしなくて…、麻雀の醍醐味はやはり対面して打つということにあると思うので、私はネットよりはリアルの 方が好きですね。

 

編:それでは声優というお仕事が、麻雀に活 かされているなと思う 部分とかございますか?
植:『咲 -Saki』のおかげで麻雀に触れる機会というのは多くなりましたが、実は足枷として残っている部分もあるんです。私が演じている『咲-Saki』の主人公が嶺上開花を得意としていることもあり、番組などに出た際、4枚揃うとカンを求められていると思うんです。カンが嫌いなわけではないのですが、リ スクが高いので普段は敬遠しています。けれども、求められていることだとも思うので、 番組に出たら積極的に狙うようにはしています。

編:まさにプロ根性ですね!では逆に麻雀が声優業に活かせたとい うことはございます か?
植:単純ですが、麻雀用語が分かるっていうのが一番大きいですね。麻雀を題材にした アニメだと、台本に麻雀用語が並びます。その時に、麻雀をまったく知らない現場の場合、まずフリガナを付けるところから始まり、その作業にすごい時間が費やされます。 萬子・筒子・索子など基本的なものからですので相当ですね。そのことで、麻雀をやっていたらプラスになることもあるんだって思 いました。『咲-Saki』 の現場では麻雀を知っているキャストが多いので、18000をイチマンハッセンと読む かインパチと読むかなどひとつ上のディスカッションが出来て、ある意味特別な現場となりました。この ように、麻雀を通して業界の方々との出会いがあったので、麻雀は声優業にも活きているんだなと感じています。

編:出会いというと、例えば『二次元業界麻雀部』では植田さんが 主導で大会運営をされ ているんですよね?
植:最初はとある麻雀企画の打ち上げの席で、またこんな形で仲間を集めて麻雀ができたら良いねって話になり、生まれたのが『二次元業界麻雀部』です。運営するにあたり、大事にしたかった のが「気軽に参加出来る」というスタイルで す。私たちの業界では、2週間、1ヵ月先のスケジュールがわからないことが多く、出欠確認をすると参加者の重荷になってしまうと思ったので、出欠確認をせず、当日参加という 形にしました。すると、最初の活動で 20名想定だったのが、 47名の参加となり本当にびっくりしました。今年でもう7年目になりますが、部員数は300 人以上になります。

編:すごいですね!求心力の賜物だと思います。そして植田さんは『麻雀最強戦』や『フリースタイル雀ジョ ン』( abemaTV )等にもご出演されていますね。
植:『フリースタイル雀ジョン』は、プロ雀士が私たち挑戦者に対 して立ちふさがるモ ンスター役として出ているんですが、顔なじみの皆さんだったので 緊張することなく楽し めました!対して『麻雀最強戦』はガチ感がすごい出ていましたね。周りも凄い方々だったので、負けて当然と割り切って打ちました。結果は惜しかったですが良い経験にもなりました。 私は麻雀を楽しむことが1番だと思っています。技術的なことはプロの方々にお任せし て、いつでもどこでも 楽しんでやるというということが私のスタイルです。だからこそ、あえてカンをしたりもします。

編:麻雀を楽しむことは大事ですね。そんな植田さんを観て「これから麻雀を始めたい」という方に向けて一言お願いします。
植:今はネット麻雀もあるのでそこでまずは触れてもらい、次に是非実際の牌に触れてほしいです。年齢・性別・経験を問わず、同じ場所で打てるというのは 麻雀が持っている良い特性だと思います。そしてプロと初心者の方がある種互角に戦うことができるのは麻雀だけだと思うので、気楽な気持ちで始めて貰え ればうれしいです。

編:では最後に、植田さんにとって麻雀とは?
植:『おしゃべり』です。麻雀を通してその 人柄がわかると思います。実は私は結婚する人と麻雀を打とうと思うのです。麻雀って人 生に置き換えることができ、半荘の内に良いことも悪いことも起きます。そのような場面で絶好調の瞬間に穏や かだったり、不調の時でもにこやかにしていたり、逆もあると思うのですが、人間の本質がすごく見えるので麻雀は『おしゃべり』だ と思います。

協力:アイムエンタープライズ

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