【追憶の麻雀】第80回「現代学生ギャンブル事情」

追憶の麻雀

麻雀新聞第233号 1994年(平成6年)12月10日

現代学生ギャンブル事情

マージャン店、親しい仲間が集合

 

大阪府吹田市の阪急関大前駅から関西大学のキャンパスまで数百層続く商店街。通称「関大前通り」と呼ばれるこの街には、コピー店、書店、喫茶店など、大学生活に欠かせない店がひしめいている。

平日の午後、開業から三十年近くなるという老舗のマージャン店をのぞくと、三十五あるマージャン卓の半分ほどが埋まり、学生たちが、持ち帰り弁当で腹ごしらえをしたり、たばこをくゆらせながら牌(ぱい)を握っていた。

全自動マージャン卓の定着で、牌をかき回す音は学生街のマージャン店からもとうに消えてしまったが、「当たった」時の歓声と、振り込んでしまったときの落胆の叫びは変わらない。

多い週で三日はこの店に通うという二年生の前田慎一さん(仮名、20)ら四人は、昼過ぎからかれこれ五時間遊んでいる。午後の授業が終わった二人も「やっぱりここにいると思った」。

前田さんがマージャンをするのは同じ学科の十人程度のグループ。先輩、後輩関係はマージャン店に持ち込まない。気心が知れた同級生でないとやりにくいからだ。

高校のころから牌を握り、引いてきた牌を指先でさすって読み取っては捨てる業師と、大学に入ってから初めて役を覚えた初心者が、同じマージャン卓を囲む。殺気立った雰囲気はまったくない。

店は午後十時ごろまで込み合うが、店主は「マージャンは下火になった」と嘆く。かつては学生娯楽の代名詞だったマージャンだが、関大駅前通りの周辺に現在、マージャン店は二店。この五年ほどで二店が店じまいしたという。

この店主が「いまどきの学生たちはテレビゲームの方が面白いのかもしれない」と残念がるように、関大前通りにはゲームセンターが乱立気味だ。ところが、どこのゲームセンターでもシミュレーションゲームやバトルゲームに人気が集まり、奥まったところにあるマージャンゲーム機には学生があまり寄りつかない。「機会相手に一人で遊ぶのに、マージャンほど味気ないものはない」らしい。

前田さんたちのグループはみな理科系。さぼれない実験などで時間割りはどうしてもタイトになる。「サークル活動も名前だけ参加している感じで、スケジュールが合わなければ、授業優先でサークルから足が遠のいてしまう」。

彼らにとって、マージャン店は、貴重な”集いの場”になっているのかもしれない。

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