【追憶の麻雀】第36回「競技麻雀を考える2」

昭和58年11月10日  第79号

競技麻雀を考える

 競技主体か偶然性か

対称的な2つのグループ

 

コンピュターを導入しているもう一軒の雀荘が、東京水道橋にある「白バラ」。

横浜「ニュー南風」が「日本アマチュア麻雀運盟」の本部道場であるのと同様に、この「白バラ」は「全日本アマチュア麻雀競技協会」の本部道場となっている。

偶然、どちらも”アマチュア”の冠をつけた麻雀団体だが、その内容は、かなり異なったものである。

「全日本アマチュア麻雀競技協会」(以下「全アマ協」)の会長は、「白バラ」のオーナーでもある植木将且氏。だいぶ前に本紙でも紹介したことがあるので、記億されている方もいるだろう。

植木氏は「麻雀は大衆文化なのだから、麻雀競技にしても、現在もっとも広く行なわれているルールを基盤にすべき」と考え、競技麻雀にしては数少ない一発・裏ドラあり・二万五千点持ち・三万点返しで順位点もプラスマイナス一万、二万点(ちょうど、十・二十のウマと考えればいい)というルールで例会を行なっている。

例会は毎週日曜日。第一日曜の「日刊スポーツ杯」をはじめとして、すべて大会形式となっており、その成績処理にコンピューターを利用しているのである。

平日の営業は、セット客、バラ打ちの両方だが、日頃はオープン戦の客である彼らが日曜の大会にもちゃんと参加してくる。

一般に、オープン戦ばかり打っていると、競捜麻雀にはそっぽを向きたくなる人が多いものだが、この「白バラ」では、オープン戦の客と「全アマ協」の会員とが大部分重なっているのである。

植木氏の管理体制がうまいのもさることながら、彼の麻雀への情熱が反映した家庭的雰囲気の中の朋るい店作りこそが、こうした”オープン戦から大会麻雀へ”あるいは、その逆に”大会麻雀からオープン戦へ”というように、新しい客および会員の輪を広げているのだろう。「白バラ」の客は、オープン戦の楽しさも大会麻雀の楽しさもよく知っている。

しかし、今、ここであえて私は”大会麻雀”ということばを使い”競技麻雀”とは言わなかった。

ここに、現在の”競技麻雀”の問題点が集約されている。つまり、今までは”競技麻雀”イコール”賭けない麻雀”という見方がなされてきた。

だが、もし麻雀を囲碁や将棋に近いような競技として確立させようというのなら、金を賭けるか否かだけでなくゲームそのものを競技性の高いものにする必然性があるのではないか、というのが、実はそもそもの競技麻雀推進者たちの主張だったのだ。

つまり、具体的にはルールの整備、およびマナーの確立である。

その点については、植木氏はマナーこそ重要視するものの、ルールから偶然性をできるだけなくそうとする意見には否定的である。麻雀はあくまで大衆レジャーであり、囲碁や将棋とは異質なものだという見方なのである。

それとは正反対に、麻雀は技を競うゲームであるとしてかなりラディカルなルールを採用し、マナー最優先の賭けない麻雀を、やはり”レジャー”として楽しもうというのが横浜の「アマ連」。

偶然にも”アマチュア”精神を強調し、コンピューター導入もほぼ同時期という、対照的な二つのグループ。

どちらも順調な歩みを見せているだけに一層、今後が興味深い。

井原喜洋

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