【追憶の麻雀】第55回「クリーンで健康的な新生麻雀の追求!!」

追憶の麻雀

昭和63年(1988年)12月10日       第161号

 

クリーンで健康的な新生麻雀の追求!!特集(1)

日本健康麻雀協会設立の意図   理事長 田嶋智裕

 

日本健康麻雀協会(井出洋介代表、田嶋智裕理事長、会員36人)は8月24日の設立総会後、月1回の理事会で具体的署業計画を練っているが、協会設立の経緯、目的などについて田嶋理事長に投稿願った、また、協会設立への一因となった田嶋氏の個人的試み―昼間空いている店を老人、主婦などに低料金で解放し、「賭けないマージャン」で潜在人口を掘り起こしながら売り上げ増に成功したについても、具体的数字をまじえて公表してもらった。

 

ゴルフや碁・将棋のような社会性の獲得が大切

 

8月24日の設立総会で正式に発足した日本健康麻雀協会は、新しいマージャンのあり方を追求する有志の会です。設立に際して採択した「健康麻雀宣言」では、「マージャンが囲碁・将棋やゴルフと同様、社会的に認められた文化的レジャーの地位を獲得し一般新聞やテレビにレギュラーとして登場するよう、健康的なゲームを普及させる」とうたっています。

 

私たちは、マージャンはゲームの王様、本当にいいゲームだと思っています。それがなぜ、こんなに日陰者扱いされているのか?納得できません。本当のいいゲームとしてのイメージを世の中にアピールしたいと考えました。

 

そのためには、それなりのシンボル・キャラクターが必要です。井出洋介プロは今までにないイメージを持った、この趣旨にふさわしいキャラクターです。新しいマージャンのあり方についての考え方も私たちと一致しました。この人を一つのシンボルにして同時に彼の力を利用しながら運動していけば、何か新しい芽が出てくるのではないかと考えたわけです。

 

もともと井出プロを応援する有志の会があり、井出プロが名人位についた時、会のメンバーが金を出し合い、また参加者から会費をつのって、300人出席の祝賀会を開きました。

 

その後2年ほど定期的に集まって情報交換を重ねましたが、いつも出る話題は、新しいマージャンのあり方―新生マージャンで、マージャンがなぜ最盛時の人気を失ったかというと、いろいろ原因はあるが、究極は変化する時代のニーズに合わなくなった部分が多いからだ、というのがいつも到達する結論でした。

 

そこで、井出プロの名人位三連覇に際しては、最もふさわしい祝賀の形は、人を集めてパーティーを催すことではなく、世の中にマージャンの良い面をアピールすることだという結論に達し、「親子実戦麻雀大会」(‘88年3月27日)を開催しました。

 

当日はマスコミも取材に来ましたが、ちょうど中国の修学旅行列車事故があったため予想より少ない取材でした。

 

しかし、そのマスコミ取材の少なさがマージャンの現実を物語っていたといえます。つまり、私たちマージャン関係者があきらめ、自己弁護している現状マージャンに対する世の中の見方がそうなんだから仕方がない―これを直すのが私たちの仕事だ、と改めてファイトがわいてきました。

 

親子大会の発想は、私も井出プロも子供の頃に親からマージャンを教わり、親離れする時期になっても、マージャンをする時だけは、親子の意思疎通が子供の頃そのままに生きていたという経験から生まれました。

 

その意味でもマージャンは素晴しいゲームです、近年、校内暴力や家庭内暴力が深刻な問題として取り上げられていますが、親が子供にマージャンを教えるような家庭には家庭内暴力なんかありえないと私は信じています。

 

週1回でもマージャンをファミリーゲームとして楽しんでいれば、父親が週1回や2回、会社の帰りにマージャンをやっても、家庭内で文句を言う人はいないはずです。

 

特に最近では、親が子に教えてやれることが少なく、教えるのは学校や塾の役目で、親は子の尻をたたくだけという傾向が強くなっていますから、奥の深い、面白いゲームを子供に教えてやることは、良い意味での父権の回復につながると思います。

 

ただ、それには、父親自身がマージャンに対する考え方を変えなければなりません。マージャンは必要悪だという認識ではいけません。マージャンは素晴しいゲームだという認識があれは、子供にも胸を張って教えられます。

 

そして、その父親たちの認識を変えるのは、私たちマージャン業界人の役目です。私は今、ソウズの1から9までを並べて刷り込んだ名刺を使っていますが、同業者みんながマージャン業に誇りを持って、堂々とマージャン業の名刺を出すようになってほしい。誰に対しても「私はマージャン業を商売にしているんだ」とみんなが言える職業でありたい、子供にも継がせられる商売でありたいと思います。

 

現在、大学生の私の娘は、若い女性にマージャンを覚えさせて新しいシンボルにしようと結成された『おジャン子クラブ』に入っていて、「今日はこんなにマージャンを教わってきた」と喜々として話します。恥ずかしいという意識があったら話さないはずです。先日も高校の同窓会で、そのことをみんなに話してきたと言っていました。

この娘が幼ない頃は、大きくなって世の中が分かってきたら父親の職業を批判的にみるかもしれないという不安がありましたが、父親の仕事に誇りを持っている現在の娘の姿をみて、自分の生き方が間違っていなかったという自信を得ました。

 

同業者みんながそういう考え方になれば、目先の利益のためだけでない商売をしていけるはずです。そうすれば、世の中の人々もマージャンを正しく理解し、もっと健全なイメージが広がって、夫がマージャンをすることに妻も反対しなくなり、父親が子供に堂々とマージャンを教えられるようになり、妻もマージャンができるようになるでしょう。それが私たちの究極の目的です。

 

「親子実戦麻雀大会」の教訓

 

世の中が変わるサイクルは非常に早くなっています。高度経済成長に乗って伸びてきたマージャン業も、第一次オイルショックを境に成長が鈍化し、下降線をたどってきました。

流通業界は少品種大量生産から多品種少量生産の時代になり、一時は爆発的に伸びたスーパーがダメになってコンビニエンスストアと専門店が伸び、ナショナルブランドがDCブランドに代わりました。人々の価値観、考え方、生き方に合わせて流通業界は変わってきているのです。

世の中が変わり、人々の価値観が変わってきているのにマージャン店経営者の多くは、昔のままの価値観で「お客が少ない」と嘆いているのが現状です。

進化の過程をみても、環境の変化に応じて進化できた種だけが残り、対応できなかった種は滅びています。例えば、地球が寒くなった時に、ぶ厚い毛皮を持ったマンモスが生き残れず、毛の少ない人類が生き残りましたが、それは人類に火を使うとか動物の毛皮を身にまとうとか、環境の変化にうまく順応する力があったからです。

マージャンが今までの形のままでいいという人は環境の変化に順応できない人で、そういう人はマンモスと同様、生き残れないでしょう。時代の変化に応じてマージャンを新しい形に変えようとする人だけが「火」や「道具」を見つけ出し、生き残れるのだと思います。

 

「若者がマージャンをやらないからダメなんだ」という意見は問題の本質から外れていると思います。若者がなぜマージャンをやらないのか、なぜ女性が来ないのか、なぜサラリーマンの遊ぶ回数が減っているのか、彼らは何を求めているのか?それをまずつかむことが先決です。

 

今の世の中で成功している商売の中には、学生仲間が遊び半分みたいな形で始めたものが多いようですが、そこに集まる客は、客というより、むしろ感性の合った仲間という感じです。つまり、客の求めるもの―ニーズを的確につかんでいるわけです。

 

シルバー産業という言葉が最近もてはやされて、大企業から中小企業までたくさんの企業が参入していますが、あまり成功していません。

 

今、日本には65歳以上の年代の人が、東京都の人口より多い1400万人います。今後、いわゆる”団塊の世代”がその年齢に近づくに従って年齢別人口構成の逆ピラミッド型がさらに進みますから、お年寄りに目を向けることは間違いではないし、今後20年から40年はお年寄り相手の商売が可能だと私も思います。

 

それなのに、なぜ現在のシルバー産業が成功していないのかというと、「お年寄りはこうなんだ」という押し付けの価値観で物事を進めて、お年寄りの本当のニーズを拾い上げていないからです。

 

「親子実戦麻雀大会」をやってみたら、「うちは親子孫3代で3卓できる」という人がいました。今、ファミコンや家庭でのマージャンを楽しんでいる子供は将来、健康的な受け入れ体制さえあれば、マージャン店の客になりうるし、ファミリーゲームとしてのマージャンを普及させればそういう子供たちが増えると思います。皆さん自身の子供や孫をみれば明らかなように子供には必ず面白いゲームをやりたいというニーズがあるものです。

 

レジャーの選択・決定権

『女房と子供』にあり

 

また、現代は車や家具やAV機器など耐久消費財の購買決定権が「女房・子供」にある時代です。ファミリーレジャーや外食産業のにぎわいをみると、レジャーに関するイニシアティブも「女房・子供」がにぎっているようです。マージャンを知っていながら離れて行った男性を呼び戻すのも、やはり「女房・子供」なのではないかという予感がします。

いずれにせよ、大半の若者、お年寄り、女性、そして離れて行った男性たちを引きつけられるマージャンは、必要悪的なイメージに覆われたこれまでのマージャンとは違う、クリーンで健康的なイメージの新生マージャンであろうと思います。私たちの協会は今後も、その新生マージャンを追求していきます。

また、自動焦点一眼レフカメラは、予想外に中年以上の世代に売れましたが、その世代に「カメラのピント合わせは面倒くさい」と思っている人が多いことは、売れてみるまで分からなかったそうで、何かしら行動を起こしてみないと新しいことは見つからないということの好例です。

世の中に新生マージャンを広く普及させるため、私たちも積極的に行動していきます。

(次回へつづく)

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