『人と経営』千葉県八街市「北総カルチャー教室」
孫がおじいちゃんやおばあちゃんを会場に送り迎えして買い物をして一緒に帰る
イオンに健康マージャン
千葉県のほぼ中央にある八街市。市のご当地ゆるキャラである『ピーちゃん・ナッちゃん』でわかる通り、八街市は日本有数の生産量を誇る「落花生の郷」である。八街駅から今回お邪魔する『いきいき健康まぁーじゃん・北総カルチャー教室』がある『イオン八街店』までの道すがらも、多くの落花生のお店が点在していた。
駅から車でおよそ10分。広大な駐車場と売り場を持つ『イオン八街店』に到着。そう今回紹介する『北総カルチャー教室』は全国の『イオン』に先駆けて、健康マージャンを初出店した会場なのだ。
「イオンさんでは、風俗営業のお店は入れるんですか?」
このように単身、イオン本社に飛び込んでいったのが、『北総カルチャー教室』の代表である松本範行さん。
「どのような業種ですか?」
「麻雀店です。」
こんなやりとりから始まって『イオン八街店』に会場を出店して1年を過ぎたところだ。
マージャンをビジネスに!
「ちょうど50歳ぐらいに新しいビジネスを考えていた時に、ある団地の商店街の自治会がやっている麻雀サークルを見る機会があって、最初は実際昼間から何やっているんだろうと思ったんだけど、何回か見ている間に参加者のおじいちゃんたちが本当に楽しそうに麻雀やっているんだよね。」
もともと麻雀が好きなこともあって、「健康マージャン」というビジネスが浮かんだ松本代表は、千葉県、そして近県の健康マージャン会場を見て回って勉強した。
「健康マージャンは社会に貢献できるビジネスだと確信しましたね。」
そこで最初はふつうの店舗形態で北総地域を探すが、自分が健康マージャンの会場をやる最低の条件として考えた
①無料の平面駐車場
②トイレ女性:2 男性:小2大1
をクリアできる場所がなかなか見つからなかったそうだ。
既存の店舗とは違うイメージ!
そこで前述の場面につながっていく。条件がクリアできる大規模商業地域として『イオン』があることが浮かび、ダメ元で問い合わせをすると、本社で話を聞いてくれることに。
「健康マージャンの健康的有用性や社会的意義について資料は本当にしっかり作りました。すると1ヶ月くらいでオーケーの返事が来ました。やはり行動を起こしてみることが何よりも大切なんですね。あと、自分が麻雀業界にいたわけではないので、へんに常識にとらわれることがなかったのがよかったですね。」
そして、オープンした会場は地元の山武杉をいたるところに配した清潔感のある会場となった。内装の設計も自分で行い、備品等も多くを手作りしている。照明の位置や、麻雀卓の配線を床に埋めるなどの細かい配慮も見逃せない。
「とにかく既存のマージャン店とは違うイメージを意識しました。」
ドレスコードがあるって?
このあたりはサービスや接客についても大いに現れている。
なんとこの会場には『ドレスコード』が設けられている。入り口にもそのことがしっかり書かれているのだが、もちろんそうでなければダメというほどのもではなく、他の人が不快にならないように身綺麗な格好で来ましょうねというメッセージなのだ。同じように特に麻雀のマナーに関してはお客様すべてにマナーブックを渡して指導している。
「当会場のルール&マナーを守ることができ、役と点数がわかる、そして役満をロンアガリした場合、振り込みした人への配慮ができる、そんな人を初級者1と設定して、そのようなプレイヤーを参加者には目指してもらいたいと思います。」
最後に今後の運営について伺うと
「この立地だからこそできることですが、孫がおじいちゃんやおばあちゃんをこの会場に送り迎えして、帰りは一緒に買い物をして帰っていく。そんな光景がたくさん見られるようになるために10年先を見据えて少しずつ積み重ねていこうと思っています」
と語ってくれた。