麻雀ってこんなに面白い! 読むとすぐに打ちたくなる「麻雀BOOKレビュー」

『誰が麻雀界をつぶすのか』は、日本プロ麻雀連盟の黒木真生プロの著書。黒木プロは長年メディアや裏方などで活躍してきており、本書は昨今の麻雀界における話題・問題について黒木プロならではの視点で取り上げる「近代麻雀黒木note」の原稿を中心に、書き下ろし原稿を加えてまとめたものだ。

麻雀界ではSNSなどで日々さまざまな話題が取り上げられる。麻雀プロ業界の問題だけでなく、ファンの振る舞い方、メディアが麻雀を扱う際の取り上げ方など、その内容は枚挙にいとまがない。そうした問題に対してそれぞれに異なる立場から意見を発信する者も多く、ある種の混乱状態に陥ってしまうようなことも少なくない。本書はそうした問題に対して、黒木プロが長年業界を見てきた見識や、当事者への独自取材などを元に、分かりやすくも鋭い見解を伝えていくことで、問題の本質を分かりやすく理解するための一助となっている。

テーマの中には「Mリーグはエンタメかガチか」「Mリーグ最終戦の最終局はどうするべきか」といったMリーグに関わるものから、最強戦で物議を醸した判定の真相、麻雀界におけるルッキズム、ファンの出待ちなど、ある意味デリケートで触れにくい話題に関しても、舌鋒鋭く意見を述べている。一般の麻雀ファンでは知り得ない、ここだけの裏話なども読めるので、麻雀界のことをより深く知りたい、興味があるという人にはもってこいの本だと言えるだろう。

また、本書で問題提起されている事柄に関しては、昔から麻雀界で問題視されてきたようなものから、時代の移り変わりによって近年新たに散見されるようなものもある。それらを知ることで、場合によっては自らの振る舞いや、麻雀との関わり方を見直すことにつながるかもしれない。

麻雀界はまだまだ小さな業界であるとともに、プロとファンの距離感が極めて近い、ある意味で特殊な業界だと言える。そうした業界ならではの問題について理解を深めていける本書は、単純に読み物としても読み応えが抜群であるとともに、今後の麻雀やプロ麻雀業界とより良い形で接していくためにも、間違いなくためになるはずだ。

(文・東川亮)

■『誰が麻雀界をつぶすのか』

出版社:竹書房(近代麻雀戦術シリーズ)

著者:黒木真生

定価:1265円(税込)

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