【第三回】e’sグループ 広川 宰有 氏 ③【麻雀に関わる人々】

麻雀に関わる人々

第三回:e’sグループオーナー 広川 宰有 氏③

 前回に引き続き、「広川ヒロカワ 宰有タダスミ」氏にインタビューを行い、お話を伺った。
 広川氏の経営する、e’sグループといえば、難波店e-sou(イーソウ)と梅田店estar(イースター)の両店舗のことであり、より詳しい情報を求める場合は、以下から参照してほしい。

 *以下本文中、敬称略
 *当記事のまとめが、2018年2月10日に発刊される 麻雀新聞2月号 に掲載予定


記者

 貴重なご意見、ありがとうございます。では、次の質問の方へ移ります――若者の麻雀離れ……という言葉が正しいかは別として、すこしそういうふうに僕が思うところもありまして、できればお話を伺いたいです。あとは、麻雀店の減少についても。

広川

 実際、麻雀店は、減少の一途をたどっているようですね。最大三〇〇〇〇店以上あったようですが、今の現状、雀サクさんで、六〇〇〇店程度で、実際稼働しているのは五〇〇〇店を割ってるんじゃないでしょうか。
 ただ、(これは麻雀店だけでなく)パチンコ屋さんなんかも、去年で一〇〇〇〇店割ったんですよ(九六八四店)。同じような状況ですね。

記者

 麻雀店といわず、すべての娯楽、アミューズメントが(減少していると)?

広川

 いくつか要因はあると思うんですが、やはりまずは景気がよくない。いろんな指数は上がっていて、景気はいいはずなんですが、その恩恵を受けるのはまずは大企業。
 そしてそこで潤ったのを、その人たちがお金を使うことで、だんだんと下まで潤っていく。
 下までくるのは数年かかるんですよね。
 でも、少し景気が悪くなると、絞られるのは下から。上のところは、(好)景気が長い。五年、十年。
 下のところは、景気がいいなと分かるまで五年かかって、一年、二年で締められると。

 パチンコ屋さんなんて、もうほんとに、いまはお客さんが少ないですね。スロットの四号機があったころは盛況でした。いまも、たまに大型パチンコ店でトイレを借りるんですが、天六(天神橋筋六丁目駅)にあるすごい大型店なんか、十一時過ぎに(ホールを)見まして、一〇〇〇台以上あるんですけど、シマで左右に二十台ずつあって、お客さんゼロのシマが五、六個ある。
 稼働率が、パッと見て、十五%程度。生き残りを賭けようと思えば、人件費が高騰している中では、効率化しかないですよね。
 そういう中で、これまた二月からまた規制がかかるということで、台の入れ替えをしなければならない。
 その費用を捻出しようと思ったら、どこで、というと、もちろん経営努力によるものもありますけど、限界もあるんで、お客さんに出玉を出せなくなる。
 釘は弄れない時代、そうなると、スロットとか設定のあるものは、平均値が下がる。自明の理ですよね。そうなると、余計またお客さんは離れる。
 そうなると、ありうるとすれば、低レート化していって、(お客さんは)負けるというのが分かったうえで、ゲームのようになる。
 低カスタマー化(ローエンド化)しか生き残る道っていうのは、長い目で見るとないんじゃないかな。

記者

 麻雀業界も、そういう道をたどるんですかね

広川

 そういう中で、雀荘自体は減っていってます。パチンコ屋さんと何が同じかといえば、新規出店の内容です。三から五店舗閉まって、一店舗出るという具合。
 チェーン店さんが、駅の近くの大型店を持つと。
 これに近いものが雀荘でもあって、そうなると、店舗数は減るけども、総卓数の減少は、店舗数の減少に比べて緩やか。
 あともうひとつは、大阪に多いんですけど、個人店の五卓前後の小さなサンマ屋さんが、どんどんできてる。多いです。この五年、十年。
 (もともと)お客さんでセットで麻雀よく打ちにいってた、またはフリーで行ってた人が、お金もあるし麻雀好きだし中古卓を三、四卓入れて、小さいお店出すと。
 案外やってみると、人件費がかかるとか、いろんなことに気づいたり。そういうかたが、経営の運営資金を多くは持っていないことが多い。
 イニシャルコストはあるけど、ランニングコストがない。それで、三ヶ月以内に締めるということもよくあります。

記者

 いろんなところで、営業者が代わっている、ということはよくありますね。

広川

 大阪のみならず、名古屋でも、三人打ちのみならず、多いですね。
 で、雀荘自体が減少している理由は、上の世代はそうこうしている内に減っていきますよね。
 いままで雀荘を支えたのは、サラリーマンの人たちで、夕方五から七時くらいに仕事終わって、それじゃ麻雀という流れがあったんですけど、高齢化で、ひとりまたひとりの抜けていったり、その会社の中の若い人らが、必ずしも麻雀する割合が高くないので、面子集めに困る。
 世の中、会社もそうですけど、会社が生き残るために、省力化、人減らししていったのもありますよね。
 麻雀でセットを打つためには、三人、四人、集めないといけない訳で。
 しかも、ひとりひとりの仕事量も増えてますから、仕事帰りにできない、と。
 雀荘に来るサラリーマンの数が減ってきたのは、間違いないと思います。

 成長産業っていうのは、減るばかりではなく、新しく人がどんどん入ってくる。
 麻雀に限らず、成長産業というものは、新しい顧客として男性メインではなく女性が入ってこないといけない、若者が入ってこないといけない、外国人が入ってこないといけない。
 魅力のあるものであれば、そういう人たちが来てくれると、(産業の携わる人口は)減らない。
 そう考えた時に、麻雀というものは若者――麻雀離れしているとは僕は思わないんです。麻雀離れというよりもフリー雀荘離れ。
 あと、女性の方は増えてます。20年前に比べて、確実に増えてます。めちゃくちゃ増えているというほどではないですけど。
 あとは、外国人の方も、N君じゃないですけど(笑)いてたりもしますから。それはそれで麻雀というものが魅力的だからと思います。

 いまは時代も時代――

 


 次回は、2月3日更新予定です。

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