【追憶の麻雀】第45回「中国の古い役」 | 麻雀新聞

【追憶の麻雀】第45回「中国の古い役」

追憶の麻雀

昭和61年3月10日 第128号

 ロマンがいっぱい

中国の古い役

マージャンの役は、時代によって取捨選択され、あるいはグループによっても、取捨選択されている。

前者の典型的な例は、ご存知「りーチ」の役。これは初期のルールにはない。また「大車輪」「百万石」などという役も、この部類に入るのだろうか。

後者の例は、有名な「一発」「ウラドラ」。そしてまた「完全先ヅケ」「パンツ」「ワレ目」「ヤキトリ」「ヤキブタ」「ドボン」……とても数え切れない。

これらを完全に知り尽している人は、日本広しといえども、まずいないのではないだろうか。

「一発」「ウラドラ」などは、近頃どこでも採用しており、グループの役というよりもむしろ、一般役とでもいった方がよさそうな勢いにある。

 

マージャン・グループというのを更に大きく解剖すれば、ローカル役。これもいろいろだが、代表的なのは、関東~関西の「振りテン片アガリ」役の有無。

 

そして四国の「3人麻雀」もこの部類に入るのではないだろうか?四国の3人麻雀は、文字通り3人で打つ。スピーディが身上の麻雀であるが、ここには「チー」「チャカチャカ(ゾロゾロ)」はない。

 

このようにマージャンルールは多彩であるが(逆にいえは乱れているともいえるが)まず一般的には、35前後の役によってゲームが行われているということができる。

 

しかし、ここで忘れ去られた古い役もある。

 

例えば「独釣寒江雪」「双龍争珠」「五筒開花」そしてまた「一筒摸月」…など。

 

これらは、中国の古い役であるが、なかなか味わいのある役でもある。

たまにはやってみるのも面白いかも知れない。もっとも、インフレ役を嫌う向きには、腹の立つことかも知れないが、しかし、現代人が手前勝手に創造した新役とは「品位格式」が違いますゾ!

独釣寒江雪

一二三七八九①②③345白

 

双竜双珠

三四五六七八⑤⑤45678

 

五筒開花

五五①②③④⑥234【NNNN】カン

 

一筒摸月

四五六②②②③456RRR

 

独釣寒江雪

(ひとり釣る漢江の雪)

何と優雅な名称ではないか!まさに寒冷地で冬にコタツに入りながら「釣りあげる」役ですナ。

え、暖房もどんどんたいてですって?そんなことしたら「寒江雪」がとけちまいますがナ。

この役、すでに場に〈白〉 (雪)が2枚捨てられている時、残る〈白〉で単騎アガリすると成立。つまり、俗にいう〈白〉の地獄待ち。

しかし「独……雪」というのと「地獄待ち」というのでは、それこそまるで「天国と地獄」ですなア。美しさと醜くさと。

 

双龍双樹

(そうりゅうそうじゅ)

龍虎相撃つ、ならぬ双龍相撃つの図。いや、ケンカではなく「珠(たま)」を争うのだった。(マージャンは紳士のゲームだもの!)

役は<5筒>をアタマにし、マンズとソウズで、それぞれ6連続のシュンツ(例えば1〜6)を1組ずつ作ってアガったもの。

マンズ、ソウズの各6枚の運なりを龍に見立て、その龍が珠(玉=〈5筒〉または〈1筒〉)を取り合うイメージから生まれた役だという。

いずれにしても、「赤5筒」などという、実もフタもない役に比べて、なんぼか楽しい役であることか!このことは次の役についてもいえること。

 

五筒開花

(うーぴんかいほう)

リンシャンカイホーの一種。これが〈5筒〉でアガリになった場合に、この役になる。

〈5筒〉がいかにも桃の花のようで、リンシャンカイホー(嶺上開花)の役にふさわしいからだという。

桃の花とは、いかにも艶で伸びやかで悩ましさがありますナァ。

桃の窈々たる…

―君子の好逑……

桃のような乙女は君子の伴侶にふさわしい……(東洋最古の詩集「詩経」より)

 

一筒撲月

(いいぴんもうえ)

ハイテーラオユエ(海底撹月)、いわゆるハイテイ(海底)ツモという役で、しかも〈1筒〉でアガったときにこの役になる。

〈1筒〉がいかにも月のようで、ハイテイで月を拾うという、ハイテイラオユエにピッタリしているところから、特別につくられた役だという。

〈1筒〉を月に見立てるなど、随分ロマンチックですナァー。

 

こう見てくると、中国の「発想の豊かさ」には驚かされる。我々も、キナくさい現代を忘れて、先に述べた35種前後の「麻雀手役表」をジックリと見る心の「余裕」が欲しいものです。

 

え、どこで見る?いわずと知れたマージャンクラブでですよ。ホラ、表が壁にはってあるではありませんか。

 

この手役の味わい、ふくみ……「味とふくみを楽しむ人生」(将棋の原田9段・元日本将棋連盟会長の言葉)。

 

やっぱりマージャンは奥が深いなアー。

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