麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」第2回 望月雅継(日本プロ麻雀連盟)

先月から始まった新連載「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」。

こちらのコーナーを担当するのは、日本プロ麻雀連盟の望月雅継プロ。

第2回目の今回のテーマは、前回に引き続き、「国や地方自治体が主催する麻雀大会について」です。

 

■地方自治体との交渉

(編集部)それでは望月プロ、よろしくお願いします!

(望月)よろしくお願いいたします。

(編集部)前回お伺いしましたように望月プロは、ねんりんピックや国民文化祭などの事業の運営や審判業務など、さまざまな大会を多岐に渡りサポートしています。今回はそのなかでも望月プロの本業でもある大会での審判業務についてと、地方自治体との交渉など事前準備について伺いたいと思います。

(望月)承知いたしました。まずは時系列に沿ってお話を進めていきたいと思いますので、最初は地方自治体との交渉から事前準備についてお伝えしたいと思います。

(編集部)よろしくお願いします。

(望月)ねんりんピックや国民文化祭事業がスタートするのは、開催の数年前に厚生労働省や文化庁から開催地の発表があってから動きはじめます。

先日も3年後の国民文化祭の開催県が高知県であると、文化庁から発表があったばかりです。

(編集部)なるほど。その後はどうやって進めていくのですか?

(望月)開催県の代表者と各団体の代表者が、開催県や各自治体に対して健康マージャンを正式種目に採用して頂けるように陳情に伺い、開催を受け入れてくれる市町村との交渉に入るわけです。さらに、開催県での開催のサポートが難しい場合には、その開催県でのサポート体制を整えるところからはじめますから、実は開催するまでにはかなり長い準備期間が必要なのです。

(編集部)長い時間をかけ、本当に多くの方々のご協力があった上で開催に至るわけですね。

(望月)実はこの段階ではまだ私は準備にはまったく関与しておりません。各組織の先輩方のご尽力があってこそ大会が開催出来ているわけですから、先輩方の熱意と行動には本当に頭が下がる思いですね。

(編集部)まったくそうですね。この後はどういった形で準備が進んでいくのでしょう。

(望月)私が準備に携わるのはまだまだ先なので、詳しい部分まではわかりませんが、開催県、開催市町村、開催県の組織との書面でのやり取りや会議などの交渉を経て、少しずつ準備が進んでいくわけです。ここで大切なのは、今まで積み重ねてきた活動実績を基に資料作成や各自治体との交渉を行っているということです。会場の設営図や進行台本、予算陳情、交渉内容もそれまでの経験があるから出来るわけでして、何も知らない人がいきなりやらせてくださいとお願いしても簡単に出来るようなことではないのですからね。

(編集部)そういった見えない部分のお話は本当に貴重ですよね。

(望月)そうなんです。私もいろいろな業務をやらせて頂くなかで少しずつお話を伺ってようやく理解できた感じです。やはり経験値や人間関係の構築が大切なんだと改めて学ばせていただきました。

話は少し逸れますが、2023年9月に和歌山県御坊市で行われた、『麻雀の聖地わかやま御坊プロジェクト 健康マージャンペアフェスタ』の開催も、地元自治体や地元企業様との良好な関係性があったからこそ開催が実現した、まさに良いモデルケースだったのです。

■レガシーを築き麻雀を普及!

(編集部)具体的にどんなことがあって開催に至ったのでしょうか?

(望月)私が所属している全国麻雀段位審査会(以下、全段審)の山岸次雄会長は、このねんりんピックや国民文化祭の健康マージャン競技を通じて全国に麻雀を普及していこうとの考えの下、大会準備や運営を行っているのです。大会を開催したから終わり、ではなく、この大会を開催したことをキッカケに、その地に麻雀を根付かせたい。つまりレガシーとしての事業にしたいと考えて動いてくださっているのです。

和歌山県では2019年にねんりんピックが、2021年に国民文化祭が相次いで開催されました。この実績を活かし、開催地の和歌山県御坊市で何か新たな事業を始めようと動いて始まったのが、『麻雀の聖地わかやま御坊プロジェクト 健康マージャンペアフェスタ』というわけです。

この開催に至るまでも、地元御坊市のスタッフの皆様との良好な関係性があったからこそですし、地元企業様の強力なバックアップがあってこそ開催できたわけですが、これも長年にわたる信頼関係があったからこそだと感じています。こういったことは一朝一夕に出来るものではないですよね。今までの積み重ねがあったからこその開催ですし、このような形での麻雀普及の代表例として、後世に引き継いでいきたい事業でもあります。

(編集部)いろいろな形の麻雀普及があるんですね。

(望月)2022年に沖縄県宜野湾市で行われた国民文化祭の開催をきっかけに立ち上がった沖縄県健康マージャン連盟さんも、今ではかなり盛り上がりを見せているとのお話を伺っています。こういった麻雀普及の形が全国に広がっていくことが、今の私の理想の形かもしれないなと思っているのです。

(編集部)なるほど。話は本題に戻りますが、この後の準備にはどのようなものがありますか?

■審判講習会を開催!

(望月)開催地が決定し、地元自治体との交渉や準備がある程度進んだところから、私の仕事が始まります。作成された資料を基に、円滑に大会運営や進行が出来るように、細部に渡ってのチェックや修正を地元自治体の皆様や主管団体の役員と共に行っていきます。さらに地元団体の皆様の中で審判業務に協力してくださる方のために審判講習会を行うのですが、この審判講習会の講師を務めるのが最初の大きな仕事となります。

(編集部)事前に審判講習会を行っているのですね。どのような内容の講習会なのですか?

(望月)まずは審判員を務める皆様に、参加する大会がどのような大会なのかのレクチャーを全段審の高木輝延委員長からお話頂きます。大会の歴史、開催意義、役員の皆様が行う仕事の内容などの説明をして頂いた後、審判業務に携わる方々の業務内容を私からお伝えします。

審判業務といっても、麻雀という競技の性質上や大会規模からも、すべてのプレイに目を光らせることは現実的には出来ません。私達審判員が出来ることは、大会にご参加頂く皆様が円滑に楽しく対局出来るためのサポートです。そのためには、ルールやマナーの把握はもちろん、得点用紙の記入サポートや、大会進行のサポート業務の把握も必要になります。トラブルシューティングも必要になりますし、そういった細かな部分のチェックも事前に行います。

(編集部)なるほど。一つの大会を開催するには本当にいろいろな準備が必要なんですね。

(望月)そうなんですよ。さらに、ねんりんピックの開催の前年には、開催地でリハーサル大会を開催するんです。これは、地元自治体の皆様が本大会で円滑な運営を行うため、また地元審判員の皆様にどういった進行をするのかを把握してもらうために、地元出場選手の選考会を兼ねて開催します。

(編集部)それは良い試みですよね。それでは実際の大会でどのような審判業務を行うのかを伺いたいのですが…。今回はここまでとさせてください。それではまた次回をお楽しみに。今回もありがとうございました!

(望月)ありがとうございました!

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