【第十二回】インターネット麻雀「天鳳」 zeRo 氏 ①【麻雀に関わる人々】

麻雀に関わる人々

第十二回:インターネット麻雀「天鳳」 zeRo 氏 ①

 ネット麻雀「天鳳」での活躍を皮切り、現在、麻雀業界の様々な分野で活躍するzeRo氏。2017年10月には、著書「ゼロ秒思考の麻雀」も出版し、また、雀サクッTVなどにも出演している。
 今回、そんな彼にお話を伺った


記者

 本日はよろしくお願いします。まずは、簡単な自己紹介からお伺いしてよろしいでしょうか。

zeRo

 人生長いもので、軽くはならないんですけど……大丈夫ですか。
 

記者

 そこをなんとかかいつまんで、お願いします(笑)。
 

zeRo

 かいつまんで……本にも書いてるんで、そっちを参照してもらった方が早いかもしれません。「ゼロ秒思考の麻雀」というんですけど。


 

記者

 はい。僕も一部拝読させていただきました。
 むかし、麻雀店を経営されていたとかなんとか。
 

zeRo

 そうですね。そういうのも含めて全部面白いと思います。
 うーん、どこから話そうかな。小中学校時代バレーボールをやっていて、挫折して……。
 

記者

 麻雀に焦点を当ててお願いします(笑)。
 麻雀は、いつ頃から覚えましたか?
 

zeRo

 最初はファミリーコンピューターですね。そこでルールを覚え、同級生や母を巻き込んだ家族麻雀に発展しました。
 しばらくすると家がまるで雀荘みたいになり、気付いたら知らないおじさんが来てる、みたいなこともたびたびありました。県営住宅なのに(笑)。近所の人は迷惑だったでしょうね。とにかく私がハマっているので周りもつられて…という感じでした。
 高校三年生の秋ぐらいに、もうあと少しで卒業だというところで学校を辞めて雀荘で働きました。本当は働けない、入ることもできない年齢なんですけど、……まぁ時効だと思って話しますけど、しばらくは打ち子みたいなものとして働いていました。店のオーナーから、18歳になったら正式に雇ってあげるから、と。
 それで、ますます麻雀にのめりこみました。一般的なケースですかね?

記者

 いや一般的ではないと思いますけど(笑)

zeRo

 そうなんですよ。その時の周りにいた麻雀大好きなメンバーやお客さんたちも、当然このまま麻雀の道に進むのかと思えば、やはりある程度の年齢になると、就職したり地元に帰ったりしたんですね……。
 そんな中、そのお店の麻雀代表みたいな心意気で自分だけプロ試験も受けました。麻将連合の発足時にプロ試験を初めに受けまして。でも落ちました。一般教養が足りなかったのか、面接がダメだったのか。今となってはわかりませんけど(笑)。
 麻雀界に対する自分の立場や明確なビジョンもあまり持っていなかったし、いま考えると落ちて当然なんですけど、当時は憤ってましたね。なんで強い俺が受からずにアイツが受かるんだ! と。いま思い出すと、とても若かったです。麻雀連合の判断は間違ってなかったと言い切れます(笑)。

 次に受けたのが最高位戦。受けやすいという訳ではないんですけど、間口が広かったですから。
 なんとか合格し、そこから6,7年くらいプロ活動をしました。毎月名古屋から東京に通ってましたね。
 同じリーグで、上がりもせず下がりもせず、C1リーグの番人と呼ばれていました(笑)。
 そんな折に、周囲の人に背中を押されるような形で雀荘を経営することになりまして。
 麻雀を打つ事しかやってこなかったものですから、経営のノウハウも、お金の大切さも知らず、(周囲に)言われるがまま、大量の広告を打ち出したり、女の子を雇ったり、たくさんイベントを打ったりして……その内、出費が増えて給料が払えなくなって、夜逃げをするかのようにドロップアウトすることになりました。
 多くの人に迷惑をかけたので、罪悪感から携帯電話を捨て、全ての交友関係を断ち切りました。家族の元も離れ、最高位戦もドタキャンするかのようにヤメました。
 文字通り何もかも「zeRo」になったんですね。虚無感が半端なく、本気で自殺を考えたりもしました。
 
 そんな折、ホリエモン(堀江貴文氏)の著作に「ゼロ: なにもない自分に小さなイチを足していく」という本がありまして、その本にとても大きな影響を受けました。
 この本が「zeRo」という名前の由来にもなっているんですけど、本の中で「とにかく動け」と書いてあったので、まず何でもいいのでブログを立ち上げて、自己紹介や、今やっている事を書きました。そのブログの中で何かそのブログの目玉企画がないかなーと考えていたところ「元プロが天鳳に挑戦」という企画をやってみようと。
 昔の雀荘って、自分が強いかどうかって自己申告制じゃないですか。この店では、あの店では、強いのは俺だ! っていう風に(笑)。
 でも、天鳳だとしっかりした数字で評価されるのが気に入っていますね。
 段位(天鳳内の評価)が上がるごとに私のモチベーションもあがっていくし、ますます天鳳にハマっていきました。
 同時に読者もファンも増えて、果てにはゲストに呼ばれたり本が出せるくらいになったんで、天鳳にはすごく感謝していますね。
 そして、やっぱり俺には麻雀しかないな、って再認識しました。
 こうやって天鳳Tシャツを着て、天鳳の配信に出演したり、競技麻雀やリアル麻雀もしたり……いろんな麻雀の架け橋になれたらと考えています。
 綺麗事ですが。

 ※以下にzeRoさんのブログ「MAXBET」のリンクを掲載しておく。
  FC2ブログ「MAXBET
 

記者

 なるほど。……天鳳を取り上げようと思ったのも、いわばブログ活動の一環、という訳だったんですね。
 

zeRo

 そうですね。当時やっていた投資の記事やパチンコスロットの稼働記事がメインでした。山が好きだったので登山の記事とかも書いてましたね。あとは包茎手術した話とか、とにかく自分のことを知ってもらおうと全てをさらけだしました。
 その中で自分の出来ることの1つとして麻雀があって、それがたまたまうまくいった、という感じですね。
 

記者

 ありがとうございます。では、そんなzeRoさんから見て、現状の麻雀業界……特にプロ団体や既存の麻雀店に、思うところなどはありますか?
 

zeRo

 いま現状、私はアマチュアです。つまり、プロ団体には所属していないんですが、所属していたころよりも麻雀の普及活動ができていると思っています。だから、あまりそこまでプロであるということにこだわらなくてもいいんじゃないかな、と感じています。
 我田引水になってしまいますけど、プロじゃない、アマチュアの私だからこそできることを色々やらせてもらってます。特に、いま雀サクッさんにお世話になってまして、企画を言えば言うだけ、ぜんぶ社長さんが拾ってくれて。例えば、雀荘レポートだったり、勉強会だったり、リーグ戦だったり、配信だったり。本当にいろいろ。
 このように多くの挑戦をさせてもらっているので、本当に雀サクッさんにも感謝しています。
 

記者

 将来、こんな麻雀業界になればいい……というようなビジョンはありますか? 例えば、近頃巷で噂の、ノーレートフリー雀荘が増えれば……、みたいな。
 

zeRo

 いまはいろいろ手当たり次第に挑戦している段階で、感触を確かめている最中なので、明確な、こうなればいいというビジョンは正直持っていないですね。
 思い付きで喋っていいなら、いま仮想通貨が流行ってるじゃないですか。あれでやり取りできればいいと思ってますね(笑)。いまはVRっていう技術も発展途上で、いつかはVR麻雀もできて、家の中で仮想通貨でやり取りする、みたいなね。
 よく、フリー麻雀とそうじゃない麻雀、競技麻雀と健康麻雀、みたいに分類されることがありますけど、私としてはどれも同じ麻雀なんで、あまり違わないと思ってるんですよ。そういう垣根を気にせず、相互にいいところを取り入れれば活性化するし、打つ側も雀力アップするのにな、と思ってます。

 同じ業界なのに、よくいがみ合うんですよね。やれネット麻雀は麻雀じゃないとか、フリー麻雀はレベルが低いとか、競技は自慰行為だとか……いつも互いの悪口ばかり。いいところだけ取り入れて互いに発展していけば、麻雀界の為になるのになぁ。と感じています。
 今は、うまくいくとかいかないとか、先の事は考えずに挑戦していこうと思います。現状、まったく固定収入がなくて、いろんな雀荘様のお手伝いをしていますけど、まったく食べていけるレベルじゃないので、その挑戦の中で収入につながるような仕事ができれば嬉しいですね。
 

記者

 例えば、もういちど雀荘をオープンするとか?
 

zeRo

 そうですね。それも可能性のひとつです。勉強会なんかもその一環ですかね。あと家庭教師もチャレンジしようと思っているんです。正式には4月に発表しようと思っているんですけど。ネット電話の「skype」に画面共有機能があって、これが天鳳の牌譜再生とすごく相性がいいんです。受講者の牌譜を僕のところに送ってもらって、その一打一打を一緒に見て、思うところがあれば喋る。これもチャレンジです。うまくいくかは分からないです。

記者

 ありがとうございます。では、最後に一言お願いします。
 

zeRo

 先ほどもちょっと俎上に挙げた通り、麻雀業界ではありがちなんですが、自分のフィールドを持ち上げて、ほかのフィールドをけなすっていうことが多いじゃないですか。それぞれ、いいところがもちろんあるので、天鳳ばかりしている人には本物の牌に触れてほしいし、逆にフリーしかやっていない人にも天鳳をプレイしてみてほしいですね。ほかのフィールドを経験したことによって、元のフィールドに戻ってきた時に役に立つことも多いですし。
 競技麻雀ももちろん。一般の人はなかなか打つ機会がありませんが、ぜひ広まってほしいですね。私はこのように各業界の架け橋になれればいいな…と思っています。
 
 天鳳をきっかけに再び麻雀業界に戻ってこれたので、感謝の気持ちで天鳳の良い点をすこし語らせてもらうと、「あとから牌譜を見直して、検証できる」ところですね。フリーだと、局が終わるたびに山をひっくり返して、なんてしてたらただのマナー違反ですけど、天鳳はぜんぶデータとして残る。だから麻雀の上達にも向いていると思います。むかしながらのフリーだと、自分の身を切って経験しないと強くなれない上に、学習には非効率的ですしね。
 プロ団体の大会の決勝ですら、天鳳でやればいいのにな、とも思っています。地方にいる選手も交通費がかからないし、家から観戦もできる。いちどそれを団体の人に話したら、「本人確認ができなくて、不正の温床になりかねない」って返されましたけど(笑)。
 

記者

 実際の対局と仮想牌譜の再生の再生を同時にするのは面白そうですけどね。プロの試合を、リアルタイムで、天鳳で再現する。
 

zeRo

 牌にチップ埋め込んじゃえばいいんですよ。天井カメラで河を取り込んでも似たようなことはできると思いますけど。そうしたら、家にいながら、トッププロの対局が見れる。デジタル化すれば、早送りとか巻き戻しも簡単で、気になった打牌も後から見直すのが楽になる。
 あと天鳳といえばラス回避(4着回避)という言葉をよく耳にすると思いますけど、フリー雀荘や競技麻雀に多いのは、トップが偉いというルールで、考える事が上だけになる。一方、天鳳は4着のマイナスが大きいので、上も見つつ下も見ないといけない。
 これに対応することで、麻雀の引き出しが、またひとつ豊かになるんじゃないかな、と感じています。
 
 最後に、私は、麻雀しかやってこなかったので、麻雀でしか自分を表現できないし、麻雀でしかみなさまに貢献できません。
 そしてそんな私は逆に麻雀に救われました。今はそんな麻雀界に少しでも恩返しをしたいと、残り少ない人生を麻雀に注いでいこうと考えています。
 既存の概念にとらわれず、新しい事にどんどんとチャレンジしていきたいと考えているので、ご意見やお便りなどありましたら、是非遠慮なくお願いします。
 
 以上です。
 

記者

 ありがとうございました。

 最後に、インタビュー中でもzeRo氏が話していた、自著「ゼロ秒思考の麻雀」のコラムの一部を、ここに掲載しておく。

 私と麻雀との出会いは中学の頃、家庭麻雀で覚えた。しかし当時の私には「バレーボールで全日本に入る」という夢があった。小・中学校でキャプテンを務め、県大会にも出場した。そのため麻雀にのめり込む時間もなく、日々発給を追いかけ、汗を流していた。
 しかし、スポーツ推薦で入った高校で人生初の挫折を経験する。
(中略)
 成績優秀で運動部のキャプテンを務めた輝かしい小中時代とは対照的に、高校生活での楽しみが見出せなくなっていた。徐々に部活をサボるようになり、麻雀にハマっていった。すぐに才能が開花し、家族や友達の中では敵なしになっていった。

ゼロ秒コラム1より抜粋

(前略)
 思えば、その店では本当に多くの事を学ばせてもらった。麻雀は多少丸くなったし(笑)、接客も楽しみながら覚えていった。何より、私と同様に麻雀が大好きな仲間たちと切磋琢磨し、共に遊び、同じ時代を過ごした。幸せだった。そしてこんな幸せな時間がずっと続くと思っていた。
 ――だが、時が流れ状況は少しずつ変わる。
 私はその店の社員になり、プロ団体(最高位戦)にも所属していたが、周りの仲間たちは、大学を卒業すると就職などで次々と麻雀から離れていった。これも今思うと当たり前なのだが、当時は周りとの温度差を感じていた。みんなあれほど麻雀が好きだった筈じゃないか!…と。
 いつからか、自分の麻雀熱も冷めていくのを感じた。

ゼロ秒コラム2より抜粋

(前略)
 とりあえずブログ『MAXBET』を立ち上げたのだ。名前も様々な思いを込め「ZERO」とした。何をすれば良いのかはわからなかったが、まずはブログで思いつくがままに企画を立ち上げ、色々と試してみた。何かが変わる予感があった。
 パチンコの稼働日記や自己紹介、そして投資がお金に関する記事を書いていった。一ヶ月経った頃にもっと面白い企画はないかな…と考えて始めたのだが『オンライン麻雀天鳳』だった。元プロが天鳳に挑戦!という企画で、コーナーの1つを担ってくれればいいな程度に考えていたのだが、これが思いのほか面白く、自分自身がみるみるうちに惹き込まれていった。段位が上がるごとに読者も増え、モチベーションも高まっていった。ようやく居場所を見つけた気がした。
 なにかが変わる予感はあったけれど、まさか本を出版できるまでになるとは思わなかった。
 一度は完全に諦めた麻雀n道だけど、アマチュアの立場からこのようにまた麻雀業界に携われる事になるなんて、本当に面白い話だなぁと他人事のように感じる。
 この場で、だれにも見せたくなかった自分の過去や逃避癖をさらけ出す事により、もう逃げないと誓い、麻雀業界に骨をうずめる覚悟で頑張っていくことを強く宣言いたします。

ゼロ秒コラム6より抜粋

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