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麻雀プロ生活30周年記念の新刊も出版した土田浩翔プロに聞く!
- 2016/8/20
- 麻雀ニュース, 麻雀業界担当者インタビュー
土田浩翔プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会所属)がこのたび麻雀プロデビュー30周年を迎え、それを記念して8月18日には「「運」を育てる麻雀界の異端児土田浩翔の流儀」(KADOKAWA)を出版した。
この本に著された、プロ生活30年で培ってきた土田プロの「運」についての考え方は、必ずあなたの麻雀に役立つはずだ。
そして今回はプロ生活30年という節目の時を迎えた土田プロに、今までのこと、そしてこれからのことなどいろいろなテーマについてお話を伺うことができた。
また、土田プロが定期的に開催している講座「麻雀アカデミー」にもお邪魔してきたので、合わせて紹介する。
(編)本日はよろしくお願いいたします。
さっそくですが、麻雀プロ生活30年の率直のご感想は?
(土)本当にいろんなことがありました。自分にとっては良い30年、充実した30年、恵まれた30年だったと思います。
10年ごとにいろんなことがあって、いろんな人に応援してもらって、確かにとてもラッキーな30年でした。
(編)さて、30年という月日を過ごして現在、土田先生にとって「麻雀プロ」とは、何でしょうか?
(土)皆さまに「麻雀プロ」だと瞬間にわかってもらえる存在だと思います。何をやっていても(競技する、教える、本を書く、テレビに出るなど何でも)すぐにプロだと感じてもらえる人だと思います。
そして、麻雀人口1000万人の人々が、この人にはお金を払っても良いと思わせる、夢を感じさせる存在であるために、ふるまい・思考・思想などを研ぎ澄ませていなければならないと感じています。
(編)そのようなプロの活動のひとつとして、今回取材させていただいた「麻雀アカデミー」のような【麻雀を教える】という活動も土田先生は多くなさっていますよね。
(土)【麻雀を教える】のではありません。【麻雀を伝える】のです。そして【麻雀を感じて】もらいたいと思っています。
この「麻雀アカデミー」という場では、もちろん個々にテーマを設定して、具体的に解説しています。しかし、この具体論から入って、より麻雀の本質的な部分が伝えられればと思っています。
麻雀は幅があります。奥の深さもあります。具体論という枝葉は個々の流儀であって、本質という幹が何よりも大切なのです。
と難しいことを言っているようですが、とにかく参加者の皆さまに、何か1つでも2つでも印象に残るようなものをご提供できればと考えて日々活動しています。
(編)ネットの環境が充実し、麻雀における膨大なデータを誰でも手に入れ、分析できるようになり、麻雀の戦術研究が加速度的に進化しています。
また、麻雀対局を中心とした麻雀エンタテインメントも充実し、麻雀を取り巻く環境が大きく変わってきていると感じますが、土田先生はどのようにお考えですか?
(土)確かにそうですね。あらゆる面でレベルは上がったといえると思います。初級から中級に、麻雀の底上げは成功できたと感じます。しかし、その上、中級から上級はどうでしょうか?そこに1つの問題が生じます。あらゆる戦術が紹介され、麻雀プロの活動の場も広がりましたが、今度はそのかわり、それらが簡単に消費され、どれもみな大差ない世界になって行き始めているような気がします。
(編)なるほど。麻雀を取り巻く環境が良い方向に整備されていくなかで、消費の論理に取り込まれて質の劣化を招いてしまう部分が感じられると。
(土)たとえば、麻雀というゲームは「レアケース」の多いゲームです。その機会に遭遇した時に「レアケース」であることを感じ取れる、そしてこれに対応できる能力が必要となります。そしてこの能力を生かして、一般の方々にこの「わからない領域」を見せていくのが麻雀プロのチャレンジではないでしょうか?戦術研究が進化し、多くの人に広まっていくことはたいへん良いことですが、個々のプロとしてのオンリーワンの輝きは失わないようにしたいと思います。
(編)それでは、今後、未来の麻雀界に、土田先生が果たしていくべきことはどんなことだとお考えですか?
(土)子供たちへの麻雀の普及活動ですね。
そのためにまずは、世の母親たちに麻雀の素晴らしさを知ってもらい、麻雀に対する誤解を解いていきたいと思います。「娯楽の麻雀」と「教育的な麻雀」を仕分けして、子供たちが麻雀を通して成長できるような教育的な視点に立った麻雀を確立し、普及していきたいと考えています。
(編)それでは最後にプレイヤーとしての土田プロの今後の目標をお聞かせ願えますか?
(土)実は一時期、燃え尽き症候群のような時代もあったのですが、ファンの方々からのあたたかい声援、また、叱咤激励があって発奮し、最近では内容も変わってきて充実感も感じています。ですから、目標としては今までに獲ったことのないタイトルを5年以内に3つ獲ろうと決めました。ただ、今までの自分のケースだと、何事も目標より1〜2年遅れて成就するので、7年くらいかかるかもしれませんね。
また、自分も年をとってきて老化というものも感じています。
「麻雀は身体で打つもの」ですから、姿勢(打ち姿)が保てなくなったら、プレイヤーとしては引退しようと考えています。
このように、プレイヤーとしてもタイトル奪取宣言をしてくれた土田プロ。まさに30年などまだまだ通過点といったところなのだろう。
今回お邪魔した「麻雀アカデミー」(東京都千代田区秋葉原「雀友倶楽部」にて定期的に開催)でも、軽妙なトークで参加者の皆さまを終始盛り上げながら麻雀を伝えていた。
今後も土田プロの活躍が、麻雀界のあらゆる場面でたくさん見られることだろう。