ふうえい裏話 vol.91
by 行政書士・谷田部 智敬
ひとくちにふうえい(風俗営業)といっても、そこには「光」も「闇」もある。
行政書士が見たそんな世界の裏話……。
経済産業省の肝いりでスタートしたプレミアムフライデー。前回お知らせした「ロゴマーク使用」に関して、プレミアムフライデー推進協議会事務局では規約を変更する方針のようです。
規約では「風適法第2条に規定する営業又はその広告等に利用される場合」は「いかなる場合もロゴマークを使用することはできない」となっていましたが、「業種差別」ではないかとの指摘に、規約変更の方針になったようです。
なぜ風適法の事業者を除外しようとしたかは、好意的にとらえれば「性風俗関連」の広告宣伝に使われたくないとの思いからだったのでしょう。
しかし、しかしですよ、経産省の優秀な官僚が、もしかしたら「風俗営業」というものを「フーゾク」=「性風俗」と短絡に考えて(感じて)いたのではないかと思わざるを得ません。
そもそも風適法の趣旨は「国民に健全な娯楽の機会を与える営業」としての「適正化」を図る法律であって、旧法の「取締法」ではないのです。その風適法に基づいて許可を取得している業者は「国民に健全な娯楽を与える営業」として国から認められているのです。
ゲームセンターやクラブ、ライブハウスも麻雀店もひとくくりに「フーゾク」の範疇に思われてしまうのは甚だ迷惑というものです。
そもそも「風俗」という言葉は庶民の生活や文化を意味しているものであって、「性風俗」ではないということはお判りになるはずなのですが……。
ただ現実的には、言葉というものの意味や解釈が時代によって変化してきているのも事実で、「えっ? ゲーセンってフーゾクなの?」と思われる方も多くいます。
「風俗」を「フーゾク」と思っていない私ですが、やはり一部では誤って考えられている「風俗営業」の言葉自体を考え直さなくてはいけないのかもしれません。
「フーゾク」という言葉のニュアンスが定着しているのであれば、ゲーセンや麻雀を「風俗」営業という言葉から外して貰いたいものですね。
私の経験でも、ある環境保護団体への寄付を、「風俗営業に関わる業者からはお断りします」といわれたことがあります。風俗営業の許可申請を専門にする私は「フーゾク」に関わる業者とみられたということなのでしょう。