【追憶の麻雀】第79回「徹夜で60半荘闘う『雀魔王戦』活躍目立つプロ雀士」 | 麻雀新聞

【追憶の麻雀】第79回「徹夜で60半荘闘う『雀魔王戦』活躍目立つプロ雀士」

追憶の麻雀

麻雀新聞第224号 1994年(平成6年)3月10日

徹夜で60半荘闘う『雀魔王戦』 活躍目立つプロ雀士

 

全国的にマージャン店が増えるにしたがい、双葉社主催の「麻雀名人戦」やマージャン用具のかきぬま主催の「かきぬま王位杯争奪戦」などに出場希望者が増え、マージャン熱も高まってきた。

マージャン競技大会の数も増え、各地の大会で腕をみがいた若者たちが、名人戦・王位戦の2大タイトル戦に挑戦するようになり、その人たちの中からプロ雀士を目指すものもいた。

マージャンを打つことを職業とし、新聞、雑誌などにマージャンの技術論を書いた原稿料、マージャン大会にゲストとして出演し、模範対局をして対局料、集会などでマージャンに関する話をして講演料などの収入で生計を立てていくものだ。

しかし、囲碁や将棋の世界と違って、まだマージャンのプロの道は険しかった。名実ともにプロとして認められている人は少なく、小島武夫や灘麻太郎、そして古川凱章たちがトッププロとして活躍する程度だった。

文壇の人たちにも強い打ち手がたくさんいる。「五味マージャン教室」の著者、五味康祐氏を筆頭にして、数え切れないほどマージャンファンが多い。五味康祐氏が牌を手にしたのは、旧制中学3年生の頃だという。玄人の打ち手の中でマージャン修業をした時期があり、その経歴がマージャンを真剣に見つめさせ、マージャン理論書を書く動機につながった。それだけに、マージャンルールについて一家言を持ち、ノーテン罰符制ルールに大反対を唱えていた。

このルールが採用されてから、流局のときテンパイ者は手牌を公開せねばならず、そのために捨て牌と手牌の関係がすべて分かってしまう。そこには配牌とツモ牌の偶然性が大きく左右することになり、人と人との駆け引きの勝負は全くなくなってくる。したがって氏は、ノーテン罰符を排除し、ノーテンリーチありとして、もっと厳しい駆け引きの要素をマージャンに要求していた。

“北海道の歯ぐき熊〃の異名をとる畑正憲氏は、ムツゴロウ動物王国の主で、毎月上京するが、そのつど東京のマージャン仲間は緊張し、また楽しみにしているという。それほどに畑氏のマージャンは強く、打ち始めると一晩二晩の徹夜は平気で、最後は気力と体力で相手が参ってしまう。しかも氏は、打ち始めた時と二晩徹夜し終った時と、その姿勢はまったく変わらず、常に背筋を張って対局する。その畑氏が音頭をとり、小島武夫、灘麻太郎、古川凱章ら3人を北海道の畑氏宅へ呼び、60荘打ち通しで勝負を競った。その間一睡もしないで打つことが条件で、これを”雀魔王戦”と命名した。

日本ではじめての企画で始まった”雀魔王戦”は、長期戦に耐え抜くだけの精神力と強度な肉体を要求された。この条件を克服できる打ち手は、やはり畑氏だった。最終戦を終わるまでもなく、トータルで畑氏が抜き出て初の雀魔王についた。

関連記事

おすすめ記事

  1. 大阪麻雀連合会(石端伸次郎理事長)は2024年(令和6年)4月10日(水)、大阪府大阪市『中国料亭・…
  2. 一般社団法人日本スポーツ麻雀協会東京支部は、2024年(令和6年)3月17日(日)に、東京都世田谷区…
  3. 2024年(令和6年)4月14日(日)、宮城県仙台市『グランド麻雀ホール藤』にて「第23回阿佐田哲也…
  4. ■第50期WMレッスンプロ養成講座 一般社団法人日本健康麻将協会は、2024年(令和6年)2月…
  5. 最高位戦日本プロ麻雀協会の 多喜田翔吾プロが麻雀AI「NAGA」の戦術をわかりやすく解説! &…
  6. 先日の午後1時15分。埼玉県の警察署へ許可申請に行くと生活安全課の部屋はてんやわんやの大忙し。これは…
  7. 「麻雀コラム」第84回 麻雀大好き落語家の三遊亭楽麻呂師匠が「麻雀」で現代社会を愉快に叩っ斬る…
  8. 今月も先月に引き続いて、サイドビジネスについて解説していきたいと思います。副業ブームの昨今、麻雀営業…
  9. 「麻雀コラム」第83回 麻雀大好き落語家の三遊亭楽麻呂師匠が 「麻雀」で現代社会を愉快に…
  10. 2024年(令和6年)3月1日(金)に刊行された『ピークアウト』(近代麻雀コミックス)第1巻は、『鉄…

Noshx麻雀新聞

株式会社ささき

株式会社ささき

オンライン麻雀 Maru-Jan

オンライン麻雀 Maru-Jan

ピックアップ記事

  1. 大阪麻雀連合会(石端伸次郎理事長)は2024年(令和6年)4月10日(水)、大阪府大阪市『中国料亭・…
  2. 一般社団法人日本スポーツ麻雀協会東京支部は、2024年(令和6年)3月17日(日)に、東京都世田谷区…
  3. 2024年(令和6年)4月14日(日)、宮城県仙台市『グランド麻雀ホール藤』にて「第23回阿佐田哲也…
ページ上部へ戻る