麻雀新聞第66号昭和57年10月10日
麻雀 トラブル解答集〔1〕
【1】ゲーム進行中にこんなことが起ったら
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取り出しを間違えてしまったとき
サイツの目が12と出た。各自配牌を取りゲーム開始になったが、ゲームの途中で西家は牌山を11しか残していないのに気付き、ゲームのやり直しを求めました。
【こたえ】
西家の気付いたのが親の第1打牌前ならやり直しとします。親の第1打牌後に気付いても、ゲームはすでに開始されてしまっているので、そのまま続行することになります。このような場合は、親の第1打牌を基準にして判断するのがよいでしょう。
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親番を間違えてしまったとき
南家が北家から3,900点をアガった直後、北家は自分の親番を抜かされていることに気付きました.北家は「ほんとはボクの親番だったのだから、今のアガリは無効だよ」と主張したのですが……。
【こたえ】
アガった人が出た以上、このアガリは認められ、抜かされた親は抜かされたまま次局へ進行します。4人の過失とはいえ、その中でも北家本人の過失は一番重いと判定されますので、親番を抜かされてもやむを得ないのです。ただし、親の第1打牌前に気付いたのなら、無効としてやり直しとします。また、流局となった時は正常な親に戻して1本場とします。
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ドラ牌をめくり違えたとき
サイツの目が8と出てゲームが始まり、北家が東家からドラ發暗刻でマンガンを出アガリましたが、ドラ表示牌のめくり違いに気付きました。北家のアガリは認められますか。
【こたえ】
ドラの表示牌をめくったのは、サイツの目数からいって当然北家ですが、めくり違いに気付かなかった他の三家にも責任があり、アガリは認められます。アガった人の出る以前なら、この表示牌を正常な位置にずらして続行となります。途中で表示牌を替えることは、各自の手作りに重大な影響を及ぼしますので止めましょう。
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東家のやるべきチョンチョンをうっかり南家がやってしまったが、だれも気付かず、ゲームが進行してしまった。
東家はゲームの途中で少牌しているのに気付き、それが南家のチョンチョンのせいだと判ってゲームのやり直しを主張しました、もしも、やり直しを認めないのなら南家のチョンボだと言うのですが……。
【こたえ】
気付いたのが親(この場合は南家)の第1打牌前ならやり直し、親の第1打牌後ならそのまま続行します。南家のチョンボとはなりません。原因は東家がぼんやりしていたのですから……。アガった人が出た場合はもちろん有効です。また親は当然少牌のままですので、アガリ放棄となります。
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西家が、自分を北家と感違いして、北ポンのイーハンでアガってしまったら
南2局、西家は現在トップ目で逃げに入っており、北を自風と間違えてポン、1,000点を南家からアガリ、放銃した南家も安いフリコミだったので気にもせず点捧を支払ってしまいました。その後、他家からクレームがついてチョンボを主張されたのですが……。
【こたえ】
点棒の授受が終っていれば、アガリは有効です。もらう前に、その誤まりを指摘されればチョンボです。
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当事者4人のうっかりで、半チャン戦なのに西1局まで進んでしまったら
ゲームが白熱し、オーラスに北家が南家のトップを逆転してゲームが終了した。ところが南4局と思ったこの局が、西1局だったことに気付いた南家は「この局は西1局だから、今の北家のアガリは無効でトップはボクだ」と主張しました。
【こたえ】
これも4人のうっかりから起こってしまったハプニングですが、当然アガリは認められ、北家の逆転トップとなります。
ただ、このケースでは4人の合意がなくても、アガリの出る以前ならその場でゲーム終了となります。
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少(多)牌しているのにポン・チーしてもよいのだろうか。
東家は少牌していましたが、現在トップを争っているリーチ者南家にハイテイが行くのを阻むため上家の捨て牌をチーしました。これをみて南家が「アガる権利のない者は、ポン・チー・カンはできないよ」と抗議しましたが、東家は「アガれなくてもポン・チー・カンするのは自由だよ」と応戦しました。さてどちらが正しいのでしょうか。
【こたえ】
他家から少(多)牌を指摘された後ではポン・チー・カンはできませんが、それ以前に知らずにやってしまったポン・チー・カンはやむを得ません。南家の主張が正しいのです。
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間違った牌山からツモ牌をツモってしまったときゲームが中盤まで進み、南家はふと自分が上ヅモになっていることに気付き、手牌の悪いこともあって、やり直しを要求しました。ところが東家はマンガンの手をテンパイしていて、当然大反対で続行を主張しました。
【こたえ】
間違った場所からツモ牌を持つていった人も人ですが、それに気付かなかった他の人達にも責任があります。このケースでは当然続行となりアガリが出ればもちろん認められます。