麻雀を教えるって、どういうこと?第7回 | 麻雀新聞

麻雀を教えるって、どういうこと?第7回

麻雀を教えるってどういうこと

今回は麻雀の基本中の基本である『平和』という役についてお話しをしていきたいと思います。

 

『麻雀は平和に始まり平和に終わる』

といった麻雀格言があるように、麻雀というゲームの中では非常に重要な役である平和。

しかし、麻雀を覚えるに当たって、この『平和』が最初の障害になる方も多いのではないでしょうか。

私が麻雀を始めた時も、『平和』を理解するのにはかなり時間がかかったような気がしますし、同時期に麻雀を覚えようとした友人達のなかには、理解する前に麻雀から離れていった者もいたように記憶しています。

私が麻雀を始めた当時の麻雀の入門書に書いてあった『平和』の説明では、なかなか理解するのは難しいような内容でした。

麻雀用語が難しいということと、意味を理解するのに時間がかかる表現だったのがその理由だったと思うのですが…。

麻雀講師として『平和』を教えることは、実はそれほど難しいことではありません。

大切なのは、教えるに当たって、生徒さんたちに、「平和は難しい役のように感じるけれど、実はとっても簡単な役なんだよ!」ということを最初に伝えておく必要があると私は感じています。

『平和』についてのハードルを事前に下げておくということが大切なんですね。

そして『平和』を覚えてもらうために必要なことは、ここまでの講義内容の順番と、平和についての説明の順番が非常に大事になってくるかです。

私が今まで何故このような順序で講義を展開してきたのかは、すべてはこの『平和』を円滑に覚えて頂くための布石なのです。

 

それでは『平和』について説明していくことにしましょう。

どんな手役を説明する時にも、決まった形がある手役の場合は図示することが大切です。『平和』についても例外ではなく、説明する時には必ず牌姿を黒板やホワイトボードに図示するのですが、ここで大切なことがあります。

 

1つ目は、『平和』だけの牌姿にすることです。色々な手役と複合するケースが多い平和ですが、ここでは『平和』の形を確実に覚えて頂くためにも複合する手役がないようにすることが大切です。(といっても、ここまでの段階で複合できる役はタシヤオしか伝えていないのですが)

 

2つ目は、講師としてのテクニックのお話になるのですが、説明の都合上牌姿の一番右が雀頭になるようにしておくとよいでしょう。私が説明する場合は、雀頭が9になるようにする場合が多いです。雀頭を変更しやすいためなのですが、これはまた後程詳しく説明したいと思います。

牌姿を図示したら、次はいよいよ『平和』についての説明に入ります。

『平和』という役は4つの条件があるのです。その条件についてひとつずつ説明していきたいと思います。

  • すべてのメンツが順子(シュンツ)であること。

ここでは、麻雀の説明の際、最初にお伝えしたメンツについての説明が生きてきます。

麻雀のメンツには刻子(コーツ)と順子(シユンツ)がありますよね。コーツとシュンツではどちらの方が作りやすいでしょうか?と質問をしてみるのです

ここまでの講義をしっかりと聞いてくださっている方は即答してくれるはずです

そうです。シュンツですよね。シユンツとコーツではシュンツの方が圧倒的に作りやすいのですから、簡単ですよね~と伝えればいいのです。これについては補足がありますがそれはまた後程。

 

  • 待ちがリャンメン待ちであるということ。

麻雀の待ちは大きく分けて5種類の待ちがあるということはご存知でしょうか。

◎リャンメン待ち

◎ペンチャン待ち

◎カンチャン待ち

◎タンキ待ち

◎シャンポン待ち

この5種類ですね。

この5種類の待ちの中で、→番アガリやすい待ちは何でしょうか?とここでも質問してみましょう。これも簡単ですよね。この中で一番アガリやすいのはリャンメン待ちですよね、と。

ここで大切なことは、この5種類の待ちについても改めて説明する必要があるということです。リャンメン待ちは2種8枚、ペンチャン待ちとカンチャン待ちは1種4枚、タンキ待ちは1種3枚、シャンポン待ちは2種4枚。だからこの中で一番アガリやすいのはリャンメン待ちであるんだということを丁寧に説明することが大切です。

ここで一旦間を置きます。

ここまでで難しいことはありましたか?と。

すると、ほぼすべての生徒さんが簡単だと答えてくれるはずです。実は『平和』ってすごく簡単な役であるということを再認識してもらうのですね。ここでの間が、次の説明にスムーズに移行できるきっかけになるのです。

次の説明は、『平和』の説明で一番ややこしい部分なのですが…「でもね、実は簡単なんですよ」との注釈を人れた上で説明を再開するのです。

 

  • 雀頭が役牌以外であるということ。(客風牌ならOK)

ここで雀頭についての説明に入ります

この雀頭についての理解が出来ないことが平和を難しくしている要因なのですが、実は前回お伝えした『役牌』の説明を理解して頂ければ実は簡単なんだということが良く分かります。

よく勘違いするのは、雀頭が字牌じゃなければ良いと思っている方が多いのですが、ここで前回説明した『客風牌』の説明が生きてきます。3枚そろっても役牌ではない字牌のことを『客風牌』というのですが、字牌の中でも『客風牌』が雀頭だった場合は『平和』になるということをお伝えするのです。これもややこしい部分ではあるのですが、字牌が雀頭でも『平和』になるケースがあるということを伝えることが大切なのです。

ここで図示した牌姿が生きてきます。

一番右側に置いた雀頭を、いろんな牌に変えていくのです。9から、三元牌に、場風牌に、自風牌に、というように、『平和』になる雀頭とそうでない雀頭の違いを、形を見て覚えてもらうのですね。そうすると、自風牌が雀頭の時、その牌が客風牌の方は『平和』になることに気が付いてもらえるはずです。実際に見てもらうことが理解を深めることに繋がるということなのです。そして最後は、

・門前であるということ。

これは『リーチ』や『門前清自摸和』の時に説明した『門前』ですから簡単ですよね。自分の力だけで手を作ることですから、これについては生徒さん達もご理解してもらえることだと思います。

この4つの条件、

  • すべてのメンツが順子(シュンツ)あること
  • 待ちがリャンメン待ちであるということ。
  • 雀頭が役牌以外であるということ(客風牌ならOK)。
  • 門前であるということ。

これらがすべて揃った形、それが『平和』であるということなのです。

とても長くてわかりにくい説明であるということが、『平和』をわかりにくくしている要因だと思うのですが、実はこれらを一言で説明することが本当は出来るんです!ということをここで生徒さんにお伝えするのです。

この先、点数計算の説明をすべて終えた後に、『平和』についての説明は一言で出来るようになるんです、とお伝えしておけば、今後の講義についての食いつきがかなり違ってくると思います。

そして最後にお伝えすべき点が2つ。

1つは、『平和』って簡単な役ですし、実は皆さんはもう自然に「平和」を作れるようになっているんですよ!と伝えることです以前お話しした、ターツの選択の順序、【ペンチャン→カンチャン→リャンメン】、これを守って手を育てていけば自然と『平和』が出来るんですと。何故なら、これは『平和』の作り方なんですから、と伝えることが大事なのです。

以前に伝えたことと役を学ぶことがリンクしていることがわかれば、生徒さんのやる気も格段にアップするでしょう。

2つ目は、ここまで学んできた5つの役、『リーチ』、『門前清自摸和』、『タンヤオ』、『役牌』、『平和』、この5つをマスターすれば、麻雀の半分を理解したようなものですし、長く麻雀を楽しんでいらっしゃる方々と十分に対等に戦えるんだということを伝えてあげるということです。

覚えるという作業は想像以上に大変なことです。でもその努力、ここまで覚えてきたことが今後の麻雀により生きるということを意識して頂くことで、生徒さんの意識向上を図ることができるはずなのです。

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