- Home
- 一般社団法人日本健康麻将協会, 健康マージャン, 麻雀ニュース
- 「第一回全国いじめ・自殺撲滅作文コンクール審査発表会」で最優秀賞
「第一回全国いじめ・自殺撲滅作文コンクール審査発表会」で最優秀賞
- 2015/4/10
- 一般社団法人日本健康麻将協会, 健康マージャン, 麻雀ニュース
[私はいじめ・自殺をこうして克服した]
をテーマにNPO法人「再チャレンジ東京」(東京都新宿区)が主催した第一回全国いじめ・自殺撲滅作文コンクール審査発表会において、当協会のレッスンプロ上野さんが最終優勝に輝きました。作品の全文を掲載させていただきたいのですが、スペースの都合もあり、あらましを紹介させていただきます。
最優秀賞受賞作品
「天使がくれた飴ちゃん」あらまし
上野さんの作文は、高校時代に上野さんが体験した「壮絶いじめと自殺未遂」から始まる。
中高一貫の女子高の高等部への特待生入学をした上野さんに対してエスカレートしていく同級生のいじめ、取り合ってくれない教師、深くなっていく左手の傷。
ある日上野さんはいじめていたクラスメートへの復讐として高校の最寄り駅の待合室を選んで大量の睡眠薬を飲む。鞄には両親それぞれに宛てた遺書が2通入っていた。
薄れゆく意識のなかで上野さんはひとりのおばあさんに助けられる。語調がきつそうな髪を紫に染めたようないかにも大阪のおばあさんは、やさしい言葉をかけ続けてくれた。
おばあさんは、病院に運ばれていく上野さんの手に飴ちゃんをぎゅっと握らせて言う。
「おばちゃん、いつもこの時間にここにおるねん。しんどい時には甘いもんや、しんどなったらおばちゃんとこおいで。あめちゃんなぁんぼでもあげるから、いつでもおいで」
病院を退院した後、休学した上野さんは、おばあさんのいるあの待合室へ通い、色々な話をする中で、ときには涙をながしながら自分の話を聞き続けてくれたおばあさんの言葉に救われていく。
ある日おばあさんは待合室からいなくなってしまったが、上野さんは高校にもどりいじめを克服する。
上野さんは現在、カルチャースクールでレッスンプロとして健康マージャン講師をしている。
「家族がいなくて1人暮らしが寂しい」、「友達を作って第2の青春を謳歌したい」…そういった生徒さん達の言葉を上野さんは聞いて、話して、「今日みんなと楽しく過ごせた」と言ってもらえることが仕事であると誇りをもっている。
また、それがおばあさんへの恩返しだと考え、いつかおばあさんが元気な顔で「マージャン教えてや」と講座に来てくれることを心の底から願っている。
今回の最優秀賞受賞式に並行して開催された「若者を考える集い2014」の中で行われたグループディスカッションとその後の交流パーティでは、厚生労働省職員や福祉に携わる方々がいる中で、上野さんは以下のようなことを話して下さったそうです。
・健康麻将が中高齢者の孤立を防ぐことができ福祉的観点から非常に有用であること
・諏訪東京理科大学篠原菊紀教授の実証実験結果、健康づくりの観点からも健康麻将を普及させる仕事は社会的に大変意味のあるものであること
・レッスンプロやアシスタントが所属する日本健康麻将協会は女性向けの健康麻将講座や家族ふれあい健康麻将大会など性別や年齢を問わず様々な健康麻将の普及活動に力を注いでおり、レッスンプロには女性も多いことから、男女共同参画社会において女性が活躍できる仕事として大変将来性があること
当協会が推進している健康麻将事業の長所が端的に表現されており、大変ありがたいですね。
また、上野さんから送っていただいたそのときの状況についてのレポートにも健康麻将の現状について、とても興味深い体験をされている箇所がありましたので、抜粋して紹介したいと思います。
(上野さんのレポートから抜粋)
受賞者のみで行われたグループディスカッションで、最初に参加者の皆様とお互いに自己紹介をした時の事です。
「日本健康麻将協会という団体にレッスンプロとして所属しており、健康麻将にかかわる仕事をしています」と私が自己紹介を行うと、ギャンブルとしての麻雀を想像されたのか五十代の方から「高校生の参加者もいる場所で賭け事のお仕事のお話はいかがなものでしょう?」と大変厳しいお言葉を頂きました。
私は驚き、マージャンという言葉はここまでイメージが悪いのか……、とすぐには上手くお返事できずにいましたが、向かいに座っていた高校生の受賞者がこんな質問をして下さいました。
「うちのおばあちゃんから聞いたんですけど、ケンコーマージャンって賭け事じゃなくてスポーツみたいなものなんですよね?それの先生ってどんなお仕事をするんですか?」
その質問をきっかけに私は同じテーブルの皆様に健康麻将について説明させていただき、健康麻将は賭博ではない事、福祉や健康の観点から見て非常に有意義な競技である事、またレッスンプロのお仕事についてお話ししました。すると参加者の皆様から「私もやってみたい」「どこでやってますか」と非常に好意的なご意見やご質問を頂き、先程厳しい意見を仰っていた方からも「賭博でないならぜひ参加してみたい」とのお言葉を頂き、私自身も大変安心し終始和やかにディスカッションを終える事が出来ました。
(抜粋終わり)
2000年代から、自治体との協働事業やねんりんピックなどで健康麻将が少しずつ社会的認知を受けてきたとはいえ、まだ、マージャン=ギャンブルというイメージは根強くあること。また、そこで助け舟を出してくれたのが若い高校生であったことも、興味深いですね。
上野さんの受賞をお祝いするとともに、当協会のレッスンプロにまた1人、力強い仲間が増えたことを皆さんと一緒に喜びたいと思います。
(協会事務局・戸構)