マツオカ株式会社代表取締役会長 松岡博文氏逝去 哀悼の意をこめて その功績とありし日の思い出を偲ぶ

マツオカ株式会社代表取締役会長の松岡博文氏が2023年(令和5年)7月25日(火)14時35分、脳出血のためご逝去されました。

弊紙『麻雀新聞』では今号におきまして、麻雀業界における功績とありし日の思い出を偲んで、愛娘でマツオカ株式会社代表取締役社長の山下真理氏、全国麻雀業組合総連合会の高橋常幸理事長、全国麻雀段位審査会の山岸次雄会長、大阪麻雀連合会の石端伸次郎理事長、非営利型一般社団法人ニューロンの池谷雄一代表理事にご生前のお付き合いやその思い出を語っていただきました。

あらためて安らかなご永眠をお祈りいたします。

 

マツオカ株式会社

代表取締役社長

山下真理

2023年(令和5年)7月21日金曜、いつものように社長室で仕事の打ち合わせをした後、会長は「週明けに答え合わせしよう」と会社を先に出て、私の娘が通う保育園の前で待ち合わせ。娘とバイバイをして車で帰っていきました。「またな」「気をつけて帰ってね」いつもの他愛のないやりとり、それが私と父の最後の会話となりました。

7月23日日曜の朝に脳出血で倒れて意識が戻らないまま、25日の火曜14時35分に私と母と兄に手を握られながら、父は永眠しました。75歳。松岡家の4兄弟の長男として生まれ、麻雀大好きな会長は人生を駆け抜けて、あっという間に天国へ旅立ちました。

亡くなってから最後にぬくもりが残るのは、背中だそうです。無言で家に帰ってきた父の背中に手を差し入れて、たくさん言葉をかけました。「今までありがとう、お父さんは凄い人だったね。ゆっくり休んでね」。今にも起きてきそうな父の顔は、とても安らかでした。

父の訃報を早くお知らせしなければと思いながらも、あまりにもたくさんの方と交流させて頂いており、正直どのようにどうお伝えすればいいか思い悩んでおりました。生前のご厚誼に深く御礼申し上げます。そしてご連絡が遅れてしまったこと、心からお詫び申し上げます。

皆さまもご存じの通り、麻雀が大好きで、仕事熱心な人でした。「若い頃からずっと麻雀業界一筋で日々走り回っていた」「営業の鑑のような人だった」「会長のおかげで今の自分がある」とたくさんの方からお話を頂きました。有難うございます。とても誇らしい気持ちで、父の仏壇に都度報告をしております。

私の知っている父は、家族がとても大好きな人でもありました。とても忙しい人でしたが、珍しい休みの日には、遊園地に連れて行ってくれました。ポケットを小銭に入れたままで前後にぐるぐる回る乗り物に乗ってしまい、回るたびに小銭が落ちて、父と笑い倒したのをよく覚えています。

前職を辞めたあと、「一緒に会社を手伝ってほしい」と声をかけてもらいました。それから約20年弱、社長の実務を私に引継ぎ、これから「自分のやりたいことをやる! あと25年しかないからな」と走り回っていました。志半ばであったと思います。本人の気持ちを考えるとさぞ悔しかっただろう、と泣けてきます。

会長からのたくさんの宿題、きっとやり遂げてみせます。楽しみにしていた三人打ち麻雀店舗対抗戦の「マツオカ杯」もいよいよ始まりました。世代の垣根を越える麻雀の普及。麻雀の素晴らしさをたくさんの方に伝えること。その遺志を引き継ぎ、私も社員達も一丸となって麻雀業界のために頑張りますので、今後とも引き続きご愛顧の程宜しくお願い致します。

 

全国麻雀業組合

総連合会

理事長

高橋常幸

松岡博文会長がご逝去されましたこと、謹んでお悔やみ申し上げます。

松岡会長逝去の一報が入った時、松岡会長はお父様がまだ生きておられ、そのお父様が亡くなったのかと思ったくらいで、まさかあの松岡会長が亡くなられたなんて信じることができませんでした。

しかし数名の方からご連絡を頂き、信じたくない事実が現実であることがわかると体中から力が抜けていき、しばらく何もできませんでした。

私は今から20年ぐらい前でしょうか。会社を立ち上げた際に松岡会長にご挨拶させて頂き、以降月刊麻雀界編集長としてやり取りさせて頂いておりましたが、松岡会長はエネルギッシュな商売人で、そのパワフルさにいつも圧倒されておりました。

2012年に相次ぐフリー雀荘の摘発を受け、全雀連で営業環境適正化委員会が発足すると松岡会長は委員に就任、組合役員でもあった私と接点が増え、業界や麻雀店の在り方などを議論する機会が増えました。その後Mリーグが誕生した2018年、松岡会長は自社のショールームで子供麻雀教室をスタートされ、新たな視点での麻雀普及活動を始めるようになりました。

Mリーグが発足し業界に革命が起きたとはいえ、子供への麻雀普及を本格的に取り組んでいる人はまれで、業界団体も健康マージャン一色という中、松岡会長だけが子供から高齢者までみんなが楽しく麻雀をしている業界の未来を頭の中で描いていたのだと思います。

子供への麻雀普及にかける松岡会長の情熱は、私の中にもヒシヒシと伝わってくるようになり、2021年に私が全雀連理事長に就任して以降は、松岡会長とがっちり連携し18歳未満の青少年でも麻雀が楽しめる施設を法的に整備しようと本格的に動き出しました。

しかしながら業界が一致団結して取り組まなきゃ進まないこの案件も、「風営法改正は無理に決まっている」、「うちの団体はうちの団体の考え方があるので…」、いろんな意見があり、たびたび松岡会長と議論となりましたが、私の愚痴に対し、「そんな泣き言言うたらあかん」、「わしが応援したるから、よけいなこと気にせんでどんどん動いたらええがな」と背中を押してくれる熱い言葉を投げかけてくれました。

今、松岡会長がいなくなり、心にポッカリ穴が開いてしまいましたが、関西では子供が参加できる麻雀イベントがどんどん立ち上がっており、松岡会長の情熱はすでに大きな波となって業界全体に広がっています。

まだまだ相談したいことが山ほどありますし、背中を押してほしいと思いますが、この波を大きな形に繋げ松岡会長が描いた世界を実現させるのが私の使命であり、会長への恩返しだと思っております。

松岡会長、天国で麻雀をしながら麻雀界の発展を見守って下さい。ありがとうございました。

 

全国麻雀段位審査会

会長

山岸次雄

松岡博文・マツオカ株式会社代表取締役会長の急逝に接し、謹んで申し述べさせていただきます。

松岡会長は真の業界人でした。

私とは直接的な取引関係にはなかったのですが、麻雀界の一人として業界内における松岡会長の取り組みに感動していた一人です。

平成11年愛知県犬山市での全雀連定時総会に於いて東北代表として副理事長に就任した時に当時の木下会長の紹介で名刺交換をさせていただきました。 このような「元気な」方が業界にいらしたのが第一印象でした。

年に1、2度大阪での会議に出席した時に夜に麻雀卓を囲んだことを思い出しています。

近年は業界の将来をお考えになって子供麻雀教室に力を入れられていました。

つい先日、今年の9月24日に和歌山県御坊市で開催される「健康マージャンペアフェスタ」開催における関係者WEB会議で子供の参加についてのご意見をいただきましたが、それが最後になってしまいました。

今日のマツオカ株式会社の素晴らしい業績も会長の手腕に負うところが大であったと思います。

偉大な指導者を失ったマツオカ株式会社にとっては大きな痛手であったと思いますが、社員諸君は必ずや大きな悲しみを乗り越えて会長の遺訓を胸に更なる発展に向けて立ち上がるだろうと信じています。

また会長のこれまでの取り組みを失った業界にとっても大きな損失であります。

特に業界の先行きを見越して取り組んでおられる子供麻雀教室事業は素晴らしく、我々業界を同じくする人間にとりましても松岡会長の遺志を貫き、会長が目指した業界のレベルアップとファンの創造と市場拡大のために一層の努力を傾けていく決意でおります。

どうぞ我々の今後を見守っていて下さい。

業界の一員として松岡博文会長のご逝去に哀悼の言葉を捧げさせていただきます。

 

大阪麻雀連合会

理事長

石端伸次郎

松岡博文会長のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。

「松岡会長がお亡くなりになられたそうです」。第一報を頂いた時に博文会長だとは夢にも思わず、「どこの松岡さんですか?」と何度も聞き直して「そんな筈ないでしょ」と信じることができませんでした。というのも数日前に麻雀大会の開会式後にランチをご一緒して私より大きなステーキをもりもりと完食する姿を見ながら全雀連の今後の活動についてのお話をしていたのです。Mリーグが発足して麻雀界に大きな波が来ているので、この波に絶対乗り遅れることなく業界を盛り上げていかなければと、全国を走り回り自ら先頭に立って業界関係者を激励しておられました。

そんな松岡会長とのお付き合いは30年以上前、私がお店を父から引き継ぐことになった頃でした。『青雀旗争奪全国大学対抗麻雀選手権』が開催され、その運営に携わることが私の組合活動の始まりでした。当時の木下理事長と松岡会長と父と私で何度かゴルフをご一緒させて頂きました。木下理事長時代は大阪でのイベントや組合活動の際には全力で応援いただきました。私に対しても若手の経営者として目をかけて頂き、若手経営者の会をバックアップしていただいたり、マツオカ株式会社が主催するタイトル戦「金龍王決定戦」に参加させていただいたり、業界の振興策の重要性を教えて頂きました。「将来の麻雀ファンを作らないと麻雀界に未来がなくなる」と、大学麻雀サークルの学園祭の支援や直近ではマツオカショールームでの子供麻雀教室をボランティアで開催されていました。

 

最近では新規開店のお店に対して組合加入を積極的に薦めていく制度を作る方向でアイデアを出していただいて、メーカー様・販社様と麻雀店が業界一丸となって法改正を進めるプロジェクトも進行中でした。業界が一枚岩となって活動することが大切だということで松岡会長の持つ人脈を共有させて頂き、団体を超えた交流ができるよう取り計らってくださいました。いつもエネルギッシュで満面の笑顔で周りを明るくしてくれる存在でした。松岡会長から頂いたものは無数にあります。何のお返しも出来ないままお見送りすることとなり、残念でなりません。本当に惜しい!悔しい!寂しい!もっと業界の歴史や商売について教えて頂きたかった。でも悔やんでばかりもいられません。前を向いて業界発展を進めることで少しでも恩返しができればと思います。長い間お疲れ様でした。ご冥福をお祈りします。

 

非営利型一般社団法人ニューロン

代表理事

池谷雄一

「健全な麻雀文化の普及啓蒙」を活動目的とする非営利組織(注釈1)、一般社団法人ニューロン設立者・代表理事の池谷雄一と申します。

1997年、松岡博文会長と初めてお会いした時、私は文教大学競技麻雀研究会の部長で、ニューロンは大学サークルを束ねる学生組織でした。以来、四半世紀に渡って親身に、まさに親のように温かく支え続けて下さいました。松岡会長がいなければ今のニューロンは存在しません。

代表として組織をどう築いてゆけばよいのか…という私の悩みに真摯に向き合ってくださり、構想を具現化するための「知恵と力と勇気」を授けてくださいました。私にとっては父親のような存在でした。

2004年、当時としては絵空事のような私の構想を相談してみました。「通り沿いのビルの1階に【ガラス張りの麻雀教室】を出店し、子供と大人が一緒に楽しむ様子を世間に訴えかけたいのです! でも資金は全然足りません! どうかお力を m(__)m」。「いけやくん、むちゃ言うなあ、どうすんねん…うーん…」。

松岡会長は「麻雀の未来を感じて(私の熱量に根負け?なされて)」自社のショールームを兼ねた実験店として参画。マツオカ社製の成績管理システムを導入した最新モデル店舗であり、主任講師はMリーガーとして活躍中の小林剛プロ(当時は大学生)でした。

こうして「NHK総合のニュース番組にて生放送で紹介され」、「NHK教育テレビが初めて麻雀を取り上げた」、『ニューロン麻雀スクール蒲田校』が誕生しました。乗車するバスの窓からガラス張りの麻雀教室を見つけた「麻雀をまったく知らない方」がのちの提携校オーナーになったりと、蒲田校が普及啓蒙活動に果たした役割は大きいものでした。

その後も松岡会長は「骨髄バンクチャリティを大阪でも開催しよう!(注釈2)」「子供教室を大阪でも開講しよう!(注釈3)」と次々に企画を立ち上げ、積極的に、主体的に、普及啓蒙活動を担い続けてくださいました。

とにかく麻雀が大好きで、子供が大好きで、子供たちが真剣に対局する様子を目を輝かせて熱く語りまくる素敵な方でした。麻雀の明るい未来を築いてゆくこと。それが松岡会長の願いでした。

お亡くなりになる直前のコメント「あと25年がんばる宣言」を継承し、普及啓蒙活動を推進し続けることが恩返しになると信じて。あと25年、松岡会長のようにポジティブに明るく楽しく歩んでゆきたいです。

注釈1:主な活動はニューロン子供麻雀教室(1997年〜 現13校 登録会員1757名)やニューロン麻雀スクール(2000年〜 提携146校 登録会員52500名)、講師育成事業(2000年〜 登録370名)など。

注釈2:骨髄バンクチャリティ事業(2005年〜 累計2440名 募金673万円)大阪大会(2017年〜)

注釈3:ニューロン子供麻雀教室大阪校(2019年〜 登録会員185名 5歳より マツオカ本社ショールームにて)

 

松岡博文氏の「お別れの会」の日程・内容が発表されました。以下に内容を掲載いたします。

■「マツオカ株式会社 取締役会長 松岡博文 お別れの会」

日時:2023年(令和5年)9月29日(金)

受付:12時〜

お別れの会:12時30分〜14時30分

※当日は故人を偲ぶため軽食をご用意しております。

場所:『ホテルロイヤルクラシック大阪 3階《麗・壽》』(大阪府大阪市中央区難波4‐3‐3)

会費:おひとり1万円

※当日は誠に勝手ながら会費制とさせていただきます。

※ご香典ご供花ご供物の儀は固くご辞退申し上げます。

※当日は平服にてお越しくださいますようお願い申し上げます。

参加申し込み:お手数ながらご都合の程を2023年(令和5年)9月13日までにご一報賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ:マツオカ株式会社(06-6971-5841)

 

写真提供:マツオカ株式会社・石端伸次郎

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