Special Interview 第21期将王決定戦の激闘について聞く! 「伊賀の脳筋坊主」第21期将王 むく大樹 | 麻雀新聞

Special Interview 第21期将王決定戦の激闘について聞く! 「伊賀の脳筋坊主」第21期将王 むく大樹

2023年(令和5年)12月3日(日)に最終第4節が行われた麻将連合の最高峰タイトル戦「第21期将王決定戦」を制し、むく大樹選手が第21期将王を獲得した。今回は、「将王決定戦」に進出すること4回目で念願のタイトル奪取となったむく選手にお話を伺った。

まず、今回のタイトル奪取に「おめでとうございます」と伝えると、いつもながらの淡々としたようすで「ありがとうございます」と一言。劇的な大逆転での念願のタイトル獲得だったので、未だ興奮冷めやらぬかもと期待していたが、いつも通りの冷静なむく選手だったので少し肩透かし(笑)。

「展開が展開でしたからね。第3節終わったところでおよそ100ポイントのマイナスでダントツの一人負け。最終第4節の3半荘を前に、絶望的な気持ちもどこかにあって…。で、そこからの将王なので、とにかくビックリしたと言うか…決定戦終了から今まで、本当にたくさんの人に、おめでとうと祝福の言葉をもらって、ようやく少しずつ喜びや実感がともなってきたという感じですね」。

最終節の劇的な展開は後に取っておくとして、この5年で4回目の決定戦進出と安定感抜群の成績について聞くと、「第17期にμリーグに昇格してそのまま決定戦進出、第18期も連続で決定戦に出れたんですが、第19期は降格の危機でした。運よく降格は免れたんですが、その時、自分には安定感が欠けていると実感して、意識して麻雀を変えていきました。実は、今まで決定戦に残った時はすべて1位通過だったんですが、今期はリーグ戦が半分終わった頃は下位で降級もちらついたほどで、決定戦もギリギリで滑り込みました。でも、内容的には自分のなかでは一番良かったかもしれません。今回の決定戦に臨むにあたっては、今回は「勝ちたい」という意欲が沸いてました」。

そして迎えた半荘全15回戦で競われる将王決定戦、第3節の4半荘(9・10・11・12回戦)で大きくマイナスしてしまいますね。「初めの2半荘で約80ポイントくらいマイナスしてしまって…次の2半荘ではバランスを欠いてしまいました」。そういう時にはどうしたらいいんでしょう?と伺うと、「そういう時こそやるべきことを決めておくのがいいと思います。アドリブにたよっていつもと違うことしても余計良くない。わかっているんですけど、やっぱりメンタルがおかしくなっているんでしょうね…」と反省しきりだった。

これで、4日目の3半荘を残して約マイナス100ポイント。めちゃくちゃ厳しい条件ですが、この時はどういうふうな考えでしたか。「最初にも申しましたが、厳しいですがあきらめるわけではなく、3連勝、そしてどこかで大きなトップが必要ですから、それを目指してやるべきことをやるということでしょうか。すると1回戦目小さいながらもトップが取れました。これで脱落はしなかった」。そして迎えた2回戦目。なんとここで親で役満・四暗刻をツモ上がって16000オールですね。「そうですね。これはもうツキがあったということですね。みるみる手が育っていきましたから。でも案外この時は落ち着いていました。2回戦終了時点でトップに立ちましたが、これでいけると思わないように、状況をしっかり把握してやるべきことをやるという心持ちでいられました。

そして最後の半荘南4局スタート時点でトップの忍田プロとの条件は、6400の直撃かハネ満ツモ。そしてここで見事にタンヤオ・ピンフ・三色・ツモ・ドラ1のハネ満をツモ上がって将王決定戦史上に残る大逆転優勝を決めました。この瞬間はいかがでしたか?「本当にビックリして実感もなく、おまけに緊張もあったんでしょう、すぐに体調も悪くなってしまって。いろんな人からのお祝いのメッセージを見てようやく次の日くらいに実感が出てきました」。

最後に、将王として迎える来シーズンへの思いや目標を伺うと「リーグ戦という戦いのブランクは覚悟して、麻雀がなまらないように精進して、将王連覇、そして永世将王を目指します。また、他団体のタイトル戦への挑戦の機会も増えるので、戦ったことのない選手との対局がとても楽しみです」と語ってくれた。

 

むく大樹:麻将連合認定プロ。2005年入会。三重県出身。公式戦4勝(タイトル1、ツアー3)第21期将王 2013年度第8戦イン横浜優勝 2014年度第2戦イン大阪優勝 第8回関東インビテーションカップ優勝

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