ふうえい裏話 vol.89
by 行政書士・谷田部 智敬
ひとくちにふうえい(風俗営業)といっても、そこには「光」も「闇」もある。
行政書士が見たそんな世界の裏話……。
警視庁の春の人事異動が発表され、愛宕、武蔵野、北沢の3警察署に、鉄道警察隊長の早乙女真由美氏、人身安全関連事案総合対策本部理事官の斎藤ひとみ氏、刑事部理事官の鈴木佳枝氏の女性署長が誕生し、活躍が期待されることとなりました。
イラスト:辰巳ゆめ
話は変わりますが、その数日前、「警察庁キャリアの男性警視長(40代)が警視庁在職当時、仕事を通じて知り合った女性と不倫関係になり、その女性が経営する会社が警視庁からの事業を受注したことが分かった」と報道されました。
「警察庁」「警視長」「警視庁」と紛らわしいのですが、スキャンダルの主の「警視長」とは警察の階級で「警視総監」「警視監」に次ぐ第3位の階級です。役職としては警視庁では部長、主要参事官、方面本部長。道府県警察では主要部長、方面本部長の役職に就く階級です。
それに続く階級は、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査となります。主要警察署長の場合、階級は警視正。小さな警察署の場合、警視が署長に就きます。ノンキャリアの場合順調に出世したとしても、50代で警視正になれれば大出世です。
警察署長よりも偉いキャリア組の40代の警視長は、50代前半で警視監になり、警視総監も視野に入るポジションでした。キャリア組は採用時点で警部補からスタートし、25~26歳で警視となり、警察署長に就く場合もあります。そして33~34歳で警視正になるというエリートコースを歩みます。
因みに警察官全体では、警部補以下の階級が約90%を占めているそうです。警部を含めると約96%となり、いかにキャリアとノンキャリアの差が大きいかお判りになるでしょう。
過去に36歳の警察庁の警視が、成田空港からドイツへ出国する際、手荷物検査場で持ち込み禁止の注意を受けたことに憤慨し「警察庁の警視だ」「千葉県警本部長を呼べ」などと暴言を吐いたうえ、検査対象物を載せるトレーを係官に投げつけたという事件がありました。
その場はドイツへの出国はできたものの、20歳代の女性を伴った不倫旅行と報じられ、辞職に追い込まれてしまいました。優秀なキャリアといえども、市民感覚を忘れないで欲しいものですね。