風俗環境浄化協会による店舗検査

新垣正剛くんと初めて会ったのは、新宿のホストクラブ許可申請のときでした。

彼は、大学の演劇部を卒業したというホストのリーダーの下、チーフと呼ばれ走り使いをさせられていました。太い眉と日焼けした精かんな顔つきは、彼の出身地・沖縄を思い起こさせるものでした。小柄ながら太い首と盛り上がった肩、肉付きの良い二の腕は、まるでポパイのようでした。それもそのはず、新垣くんは高校総体のボクシングで沖縄代表になったこともあるといいます。

その彼らの許可申請のときのことです。申請も無事受理され、風俗環境浄化協会による店舗検査も無事終了し、調査員が帰るときのことでした。新垣くんたち3〜4人がエレベーター前に整列し、「ありがとうございました!」「…した!」「した!」と大声を張り上げ、調査員を見送ります。調査員の乗ったエレベーターのドアが閉まるかどうかというとき、彼らは、店舗のある4階の非常階段を真っ逆さまに1階のエレベーターホールへと駆け降りました。彼らは1階のエレベーター前にまたも整列し、「ありがとうございました!」「…した!」「した!」と言って調査員を見送ったのでした。階段を駆け降りる前、握った拳を足下に突き出し小声で言った新垣くんの「ダッシュ!」という言葉が今も耳に残っています。

その数年後、新垣くんとは池袋で再会することになります。キャバクラ店長となった新垣くんは店舗の運営を任され、許可申請の件でたびたび私の事務所を訪れるようになりました。
新垣くんの会社の社長は、大学のレスリング部出身で国体にも出場した選手だそうで、格闘技のK1選手とも親しく、店には格闘技の試合のポスターが貼られていました。

あるとき、新垣くんが真剣な顔で私の事務所に飛び込んできました。「社長が逮捕されいろいろな書類が必要なんです!」「会社の謄本はどこで取るんですか?」「今すぐです!」。法務局の場所を教えたのが4時45分。30分はかかる場所のため、今日は間に合わないと告げるも新垣くんは一言「ダッシュします!」。なんと新垣くん、間に合わせてしまったのです。

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