ふうえい裏話 vol.88
by 行政書士・谷田部 智敬
ひとくちにふうえい(風俗営業)といっても、そこには「光」も「闇」もある。
行政書士が見たそんな世界の裏話……。
カジノを含むギャンブルの胴元の儲け率がどうなっているか、皆さんはご存じですか?
胴元の控除率(儲け率、コミッション、テラ銭)には驚くべき事実があります。誰もが健全と疑うことのない日本の宝くじは、約55%もの控除率になっています。即ち残った44%をくじを買った人達で分け合うという、恐ろしく搾取されたシステムなのです。しかもテレビなどで、10億円という大金が当たるという宣伝をし……風営法などで言うところの「射幸心」を煽りっぱなしです。
ご存じのように、競輪・競馬等の公営ギャンブルは約25%の控除率です。パチンコは約8~15%と言われています。宝くじ、公営ギャンブルは先に粗利を取ってしまうので、胴元は絶対損のしない、おいしい商売です。
それに比べカジノは? というと、例えばルーレットで赤か黒のどちらかに賭けて当たれば2倍に。2分の1の確率です。1~36の数字に一点賭けすれば当たる確率は36分の1、当たれば36倍。胴元が損をする確率も同等です。とてもフェアな配当になっています。ただ、ヨーロッパスタイルには「0」という数字が1つ加わり、アメリカンスタイルでは、「0」と「00」という2つの数字が加わるため、ほんの僅かではありますが、胴元の儲けが出てきます。
その控除率は、2.63%~5.26%です。バカラの控除率が1.17%~1.36%。クラップスに至っては、0.184%~1.414%という小さな率です。
カジノは胴元が払い出しする(負ける)リスクがあります。ということは、宝くじや公営ギャンブルに比べ、カジノは極めて良心的な胴元といえるでしょう。ただし、カジノの場合は、1回あたりのゲームが早いため、顧客が数多く賭けをするため、長時間、多数のゲームを行えば、確率論から言って、胴元が儲けられるようにはなっています。
このように、控除率を含めた、宝くじや公営ギャンブルについての議論にフタをしているのはいかがなものでしょうか。
イギリスにおけるブックメーカーは合法で免許制になっていますし、カジノではドレスコードもあったりと健全な娯楽となっています。
経済効果のみの議論ではなく、健全娯楽としての賭け事についても議論すべきと考えます。