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麻雀コラム「麻雀を教えるってどういうこと」第78回
- 2023/10/21
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「麻雀を楽しくスムーズに覚えてもらうためにはどうすればいい?」
この連載は麻雀教室の開講をお考えの営業者に、
現役麻雀講師が持つスキルのすべてを大公開!
第78回目となる今回は、教室の生徒さんからの質問に対する回答の仕方について考えて行きたいと思います。
みなさんこんにちは。
麻雀教室の講師をしていると、生徒さんにいろいろな質問をされることがありますよね。
基本的には講師の皆さんが正しいと思っていることであれば、どのような回答をしても良いと思っています。
ただし、回答する内容には注意が必要です。
何故なら、質問した生徒さんだけではなく、他にも多くの生徒さんが聞いているということを忘れてはいけません。
誰が聞いてもわかるような回答を心掛けるべきですし、その瞬間は理解できなくても、また違うタイミングで同じ質問をされた時に同じ回答が出来なければなりませんからね。
しかし、質問の内容によっては個別に対応した方が良いものもあります。
その代表的な質問は、
「麻雀で勝てるようになるためにはどうしたら良いですか?」
という質問です。
あまりに抽象的すぎる質問だと講師側としては感じる質問ですが、生徒さんにとっては真剣な質問ですよね。生徒さんが一番聞きたい部分かもしれません。
何故この質問に個別に答える必要があるか?というと、麻雀に対する価値観というのは千差万別だからです。
勝てるようになると一口に言っても、勝つために何が必要か?ということに対しては考え方がさまざまだということです。
例えば、
◉たくさんリーチをかけたい
◉たくさんアガりたい
◉高い点数をアガりたい
◉トップを取りたい
◉放銃したくない
◉ラスを引きたくない
◉相手のテンパイ気配を察知したい
◉相手の待ち牌を知りたい
◉今日一日の収支をプラスにしたい
◉生涯成績をプラスにしたい
◉大会で良い成績を残したい
◉日本一麻雀が強くなりたい
ざっと思いついただけでもこれくらいの要素があって、それらに加えて打ち手の性格やその日の心理状況、対戦相手の情報等があるわけですから、何が正しいかどうかは誰にもわからないわけです。
しかしながら麻雀教室では、麻雀が強くなりたい人も集まってくるわけですから、麻雀講師的には生徒さんそれぞれに的確なアドバイスをしてあげる必要があると思うわけです。
そのために麻雀講師が必要なスキルは、
『生徒さんの性格や考え方を熟知する』
ということです。
早くテンパイしたい人に対しては、牌効率の重要性を伝える必要がありますし、
放銃したくない人に対しては、余剰牌の切り順を考えるようにお伝えすべきだと思うのです。
高い点数をアガりたいタイプの方に対しては、手役を作るための手筋を教えてあげて欲しいですし、
トップを取りたい人に対しては、1局単位で考えるのではなく、我慢することの大切さを伝えるのが大切です。
これらは生徒さんがどう考えて麻雀と向き合っているか?という部分ですが、これとは別に生徒さん個人の性格に合わせた指導方法が大切であると私は考えます。
思い切りの良い性格の方にはどんどん背中を押してあげるようなアドバイスが必要でしょうし、逆に慎重に考えるタイプの方に対しては、同じ目線に立って共に考えながら、より良い選択を導いてあげるように声掛けしてあげるのが良いかと思います。
優柔不断な性格の方に対しては、打牌選択の優劣をお伝えした上で、失敗を恐れないようなサポートが必要でしょう。生徒さん一人ひとりに対して、寄り添って考えてあげる姿勢を講師側が見せることで、さらに安心して麻雀と向き合えるようになるはずです。
「Aさんならこれを切ればいいと思うよ。でもBさんだったらこれも選択肢に入るかもしれないね。」
ですとか、
「これを切るのが一番テンパイスピードが速いですが、ゆったりとこちらを選択した方が失敗は少ないかもしれないですね。」
他にも、
「これを切るのが一番打点が高くなりますし美しいですよね。でもこちらを切れば失敗は少ないです。○○さんならどちらを選びますか?」
「私はこれを切りますけど、○○さんならこれを切る方がが良いのかもしれませんね。何故なら…」
など、生徒さんによってお伝えする内容に変化をつけてあげるのが大事かなと思っています。それは講師が生徒さんのことをいつも見ているよ、というメッセージにもなりますし、生徒さんと共に同じ局面を考えているよ、という後押しにもなるからです。
そして大切なのは、どんな選択をしてもどのような結果になったとしても、それを肯定し誉めてあげることです。
その打牌の持つ意味やメリットを終局後に伝えてあげれば、結果に捉われずに自信を持って麻雀と向き合えるはずですから。
麻雀は自由なゲームです。
手牌14枚から何を切っても自由なんだ、ということをしっかりとお伝えすること、そしてどの選択にもメリット、デメリットがあるということ、その上で結果はまったくの別物だということをお伝えして、生徒さんに応じてお声がけの内容に変化をつけるのが、魅力的な講座の進行に繋がっていくのではないかと私は考えているのです。
今回はここまで。
それではまた次回。