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麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」第5回 望月雅継(日本プロ麻雀連盟)
- 2024/4/30
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大好評連載「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」。
こちらのコーナーを担当するのは、日本プロ麻雀連盟の望月雅継プロ。
第5回目の今回のテーマは、『麻雀のマナーについて』です。
■マナーが完璧な人はいない!?
(編集部)麻雀の普及に伴い、中上級者から初心者の皆さんに対してのマナー指導についての問題が取り沙汰される機会が増えました。麻雀を楽しむ皆さんが、楽しく、気持ち良くプレイ出来るように、マナーが良いプレイヤーを目指すためのアドバイスを頂けたらと思います。望月プロ、よろしくお願いいたします。
(望月)よろしくお願いします!まず最初にマナーについてちょっとマイナスなお話をしておこうかな、と思います。
(編集部)というのは?
(望月)私を含めたすべての麻雀プレイヤーには、マナーが完璧な人は誰一人としていない、と私は考えているんですね。
(編集部)えぇ〜っ!いきなり衝撃的なコメントですね。ちょっと驚きましが…その真意はどういうことにあるのでしょうか?
(望月)まず、「マナー」という言葉の意味を考えてみたいと思います。「マナー」という言葉の意味を調べてみると、
① 行儀作法。礼儀。ある行為や事柄に関するやり方や態度。
② 風習。
Wikipediaでは、
マナー(英語: manner)とは、人と人との関わりで当然その場面でしかるべきとされる行儀・作法のことを指す。これは自分一人のとき、他に見ている人が誰も居ない場合でもそれを守ることが望ましい価値観である。
と、あります。
これを麻雀におけるマナーとして私なりに解釈すると、
【麻雀をスムーズにプレイするための行儀作法や礼儀、風習】
ということだと思っています。
ゲーム進行をスムーズにするための作法や、対戦相手に気持ち良く対局して頂くための礼儀、それらを含めた風習ということですね。
(編集部)なるほど。となると、マナーに対して曲解している方も多いかもしれませんね。
(望月)そうなんです。そしてマナーを複雑化させている大きな問題点は、現在マナーとされている事案の中でもルール化しなければならないものと、相手を思いやる事案や自身が守るべき礼儀作法が混在しているからなんですね。
■マナーのルール化!
(編集部)マナーに関しても細分化すべきだということですか?
(望月)私はそう考えます。ただでさえルールが多くて複雑な麻雀というゲームに、さらにルールを増やすということについては正直抵抗があります。しかし、マナーの一部とくくることで曖昧な線引きをしている事項に関しては、やはりルール化して全員が守らなければならない事案にすべきでしょう。特にMリーグの人気で注目されている競技マージャンについては、細かい決まりを作っておく方がトラブルが少なくなるのでは、と思います。
一方で、これから麻雀を始める方や初心者の方、健康マージャンなどのエンジョイ勢の麻雀ファンの皆さんに対しては、なるべくわかりやすい方が良いと思うのです。その上で、相手に対して思いやる行為や、自身が守るべき事案に関しては丁寧に伝える必要があると思っています。
(編集部)マナーについてここまで深く考えたことはなかったですね。考えてみるとマナーといってもいろいろな事柄がありますもんね。
(望月)たとえば、
◎捨て牌は6枚切り
◎リンシャン牌は下段に下ろす
◎先ツモは禁止
など、今まではマナーとしていたことの中でも、ルール化してしまえることはルールにすれば良いのです。全員が守らなければならないことなのですから。初心者の皆さんにも、一番最初にルールとして覚えて頂ければ問題ないですよね。
しかし、やはりマナーとして考えなければならない事案もたくさんあります。そういった部分は丁寧にお伝えしていく必要があると私は考えます。
(編集部)なるほど。望月プロが考えるマナーについては理解出来ました。その上でお聞きしますが、何故マナーが完璧な人は誰一人いない、とおっしゃるのでしょうか?
■マナーの良し悪しを判断するのは第三者!
(望月)いよいよ核心部分に入っていくんですね。それは、
マナーは他人のために自身が行うべき行為であり、
良し悪しを判断するのは第三者である
からです。
マナーの良し悪しは自分以外の皆さんの主観ですから、自分がいくらマナー良く対局しているつもりでも、相手に不快な思いをさせてしまう可能性はゼロではないんですね。私は所作動作、作法、言動…なるべく皆さまに気持ち良く対局して頂けるように心がけてはいますが、その反面必ず不快に思われる方がいらっしゃることも意識して対局するようにしています。
毎回同じようにプレイしていても、マナーが良いプレイヤーだなと感じる方も、あの人マナーが悪いなと感じる方もいるんですね。また、受け手の方の精神状態や感情にもよりますよね。その日の結果だって感じ方に影響があると思いますし。
(編集部)マナーの良し悪しについての感じ方は受け手の主観であり、自らが良し悪しを判断できるものではないということですか?
(望月)そうなんです。だから難しいのですし、トラブルが多発するんですよね。
良かれと思ってやったことでも、他の方から見た時には不快に思う、なんてことは麻雀においては日時茶飯事です。
また、他人にマナーを強制された、なんてこともよく聞きますよね。お願いではなく、強制。これも、伝えている方としては普通に話しているつもりでも、受け手としては強制させられていると感じてしまえば強制になってしまうわけで…。
(編集部)良く聞く案件ですね…。マナーについて考えるといっても、本当にいろいろなことがあると改めて考えさせられました。
■自分に厳しく、他人に優しく!
(望月)本当に難しいです。たとえば、「あの人、マナー良いよね!」と言うことには問題がなくても、「あの人、マナー悪いよね!」と言ってしまうと、逆に言ったほうの方がマナ悪になってしまう、なんてこともありますし…。
(編集部)たしかに!
(望月)ですから、マナーについて考える時にはまず、
◎他人のことよりまずは自分のことを。
◎相手がどう感じるかを考える。
◎自分に厳しく、他人に優しく。
これが大切です。
マナーが良くないと言われてしまう方は、
◎自分のことを棚に上げて他人のことばかり注意する。
◎自分さえ良ければいいと考える。
◎他人に厳しく、自分に優しく。
このようになっている場合がほとんどです。
周りのことを気にする前にまずは自身のプレイを見直し、自らを律することが必要だと感じます。
(編集部)よくわかりました!マナーについてまだまだ伺いたいことはたくさんありますが、文字数の関係で今回はここまでとさせて頂きます。望月プロ、ありがとうございました!
(望月)ありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。