「ふうえい裏話166」閉店したパチンコホール 文:行政書士・谷田部智敬 | 麻雀新聞

「ふうえい裏話166」閉店したパチンコホール 文:行政書士・谷田部智敬

先日のこと。繁華街を抱える警察署への申請の帰り道。30年近く前に申請を行ったパチンコ店入口に閉店のお知らせが…。

パチンコホールの市場規模が30兆円と言われて久しく、今やその額も半減し15兆円規模になっているという。

昨年は全国で770店舗が閉鎖に追い込まれ、1995年に18000店あった店舗も今や7000店程度になっているとか。

小規模ホールの淘汰から中規模以上の店舗へと閉鎖の連鎖が続き、私がお手伝いした店舗も力尽きたようです。

今だから話せますが、そのパチンコ店申請ではとてつもない事件を経験しました。

まずは許可申請前から。その店舗は駐車場跡地に建物を建設している最中に、隣の朽ち果てそうなビルにベッド1床の診療所が開設されてしまったのです。

保全対象施設ができたということで、そのパチンコ店の許可申請はできなくなり、10億円を超すその投資はパーとなってしまうのです。さー大変!

パチンコ店出店の妨害だったのですが、その診療所の入院施設を廃止して貰うために2億円という裏金が動きました。その事件の首謀者はある代議士のバカ息子で後に別の事件で逮捕されることとなります。

その後の許可申請でも事件が発生。許可申請後、風俗環境浄化協会の検査が終了した後の警視庁本部からの最終検査。集まったパチンコ機メーカーの社員他大勢の目の前で「本日の検査は中止します」と本部主任の一声。

間もなく許可という最終段階で店舗の社長に欠格事由が判明。許可申請は取り下げとなったのです。

その欠格事由とは、社長に5年以内の麻雀賭博による逮捕歴があったのでした。その逮捕については社長自身が逮捕後5年が過ぎているかどうかが曖昧だったため、所轄警察担当係長に事情を話し、調べて貰った結果「大丈夫」ということでの申請でした。

しかし、許可直前の最終取り下げという異例の事態が起きた理由については疑問が残りましたが、すぐさま社長を奥さんに代えて再申請をし、許可となった特殊事例です。

その後も事件は続き、担当係長(警部補)が警部に昇進の後、裏カジノの捜査状況が漏れ、本部主導の大掛かりな摘発が失敗となり、何故かその警部が依願退職で警察を去ることに。そして警部は行政書士登録をし、これまた悪い輩との繋がりか、裏カジノの許可申請に携わり、2〜3年後には離婚、失踪という事態に発展して行くのでした…。

 

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