麻雀人に話を聞こう! vol.1 日本プロ麻雀協会 ニコラスプロ | 麻雀新聞

麻雀人に話を聞こう! vol.1 日本プロ麻雀協会 ニコラスプロ

麻雀人に話を聞こう! vol.1

日本プロ麻雀協会 ニコラスプロ

海を越えて日本の裏側からやってきたラテンの男

世界各地で日本の麻雀が親しまれて久しい今日この頃。2017年にはアメリカ・ラスベガスでリーチ麻雀世界選手権という麻雀大会が、四日間にもわたって開催され、その人気は留まるところを知らない。
各国現地で同志を集い、サークルやグループを作って麻雀を楽しむ人たちも増える一方で、リーチ麻雀の本場・日本に挑む男がいた。
その名もニコラス。2017年に日本プロ麻雀協会に所属し、日々麻雀の腕を磨き続ける、ストレンジャーでありチャレンジャーだ。
2016年、ラテン語の「銀」をその名に関する南米国家・アルゼンチンから、はるばる来日し、その目的は「日本の麻雀強者に挑むこと」。関西の縁故を頼りに、言語の壁に立ち向かいながらも、単身日本に降り立った。

ニコラスが麻雀を知ったのは、2009年の春。日本文化に惹かれていたニコラスは、アルゼンチンにて、「日本の面白いゲーム」とそのサークルの噂を耳にした。

――それこそが麻雀であった。


アルゼンチンにて麻雀をする様子

麻雀に出会ったニコラスはまたたく間に熱中した。当時そのサークルでは麻雀アニメ「アカギ」を元に曖昧なまま、手探りのルールが設定されていたが、日本語を知るニコラスが加入したと同時にルールを整備、日本式の麻雀が確立する。
しかし、仲間内で麻雀を楽しむだけではニコラスは満足できなかったのだ。強者を求めて、日本への憧憬はやまなかった。
そのきっかけは、2011年に日本へ旅行に来た時のこと……。自称雀ゴロ兼フリーライターの福地誠氏(著書:「麻雀 勝ち組の選択」等)との出会いに、ニコラスは稲妻に打たれたかのようにしびれた。
リーチ麻雀の本場、日本はやはり強い!
強者へのあこがれを胸にニコラスは日本でプロを目指すことを決意する。様々な障害を乗り越え、2016年、ついに再び日本の土を踏みしめた。
しかし日本に来てからもニコラスの苦難は続く。日本の文化を身に付け、麻雀の上達のために選んだ仕事では、なんとか生活を保ちつつ、プロを目指す日々を過ごしていた……。


2017年2月25日に行われた国際麻雀大会交流会の様子

そして2017年、ようやく日本プロ麻雀協会への入会を果たす。が、ニコラスの野望はここで止まらない。日本で麻雀漬けの日々を過ごし、強者と戟を交え、改め麻雀の面白さ、強者と戦う喜びを噛みしめたニコラスが次に目指したのは、「麻雀の世界化」であった。すなわち、このエキサイティングな競技を、世界に発信することだ!
ニコラスは、こう語る。

「僕はいま3つのペルソナを持っています。ひとつはスペイン語圏向けの南米人、もうひとつは日本国内向けのプロ雀士、そして最後に、英語圏向けのプロ雀士!」

いま現在、ニコラスは日本でプロ雀士として活動する一方、アルゼンチンに住む友人に麻雀上達のアドバイスなどを行っており、その中には、ネット麻雀天鳳において上級者の仲間入りを果たす凄腕に成長した者もいる。アルゼンチンの麻雀愛好家の中では、ニコラスの名前は、だれもが知る名として轟いているという。
そしてまた、こうも語った。

「ゆくゆくは、ニコラスというブランドを確立して、それを資に、世界中に麻雀のつながりを作って――例えば麻雀のコーチなんかしたりして。海外向けの麻雀講師なんて、まだないから――、そしてさらに麻雀の普及に貢献したい。いずれは翻訳家としても生計を立てたいとも思っているけれど、海外に麻雀を広めて、モチベーションの高い日本人以外の人たちをコーチングしてみたい、とも考えている」

海を渡って、遠路日本を訪ねた男は、やはり野心家であった。
日本プロ麻雀協会ニコラスプロの、今後の活躍に期待したい!

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