【第五回】e’sグループ 広川 宰有 氏 ⑤【麻雀に関わる人々】 | 麻雀新聞

【第五回】e’sグループ 広川 宰有 氏 ⑤【麻雀に関わる人々】

麻雀に関わる人々

第五回:e’sグループオーナー 広川 宰有 氏⑤

 前回に引き続き、「広川ヒロカワ 宰有タダスミ」氏にインタビューを行い、お話を伺った。
 広川氏の経営する、e’sグループといえば、難波店e-sou(イーソウ)と梅田店estar(イースター)の両店舗のことであり、より詳しい情報を求める場合は、以下から参照してほしい。

 *以下本文中、敬称略
 *当記事のまとめが、2018年2月10日に発刊される 麻雀新聞2月号 に掲載予定


記者

 ありがとうございます――では、ネット麻雀についても、少しお話を伺わせてください。

広川

 僕自身、ネット麻雀、かなり前からやってます。
 もう二十年弱位、十五年くらいなるんかな。最初は東風荘をよくやってました。
 東風荘は画期的でしたけど、当時といまでは環境がだいぶ違いまして。通信がね。
 むかしはISDNとかADSLとか、ネットの使い放題の安くなるのが、二十一時以降で、みんなつなぎ始めるのがその時間帯で、ネットインフラも脆弱でしたから、よく回線落ちもありました。
 打ってて、誰か落ちたら、まぁ戻ってくるまで間にチャットしたり。そういう楽しみ方もありました。
 ただ、その東風荘があって、いまの天鳳につながることもあると思います。
 東風荘の対局データ解析ツールを作られたかたがいて、今の天鳳とはルールとかも違うんですけど、だれと対局しただとか、和了率、副露率、リーチ率、この人との対戦何勝何敗とか、全部出てくる。
 数字をもとにした指標ができたのは、やっぱり功績ですね。
 それ(数字)があって、はじめて偏りとか嗜好とか(が現れてくる)。
 結局再現性のないものに関しては、一過性の強さに過ぎないですからね。
 そこから、東風荘がちょっとすたれていって、その当時雀龍門とか、ハンゲームとか、他にもいくつか打ちました。
 ハンゲームはもうランキングの仕方はでたらめでした。そうこうしている内に、天鳳が出来た。(天鳳は、)独特のルールですが、ランキングがシビア。それはそれで(面白いと思います)。

記者

 セットともフリーとも違う感じ? 別の界隈といいますか。

広川

 そうですね。データや牌譜を見るのを楽しむゲームだと思ってます。
 それはそれの良さもありますね。
 やっぱりネットの良さというのは、気軽なんですよね。もう十年来やってますけど、わざわざ、どこそこに出かけなくていい。雀荘であったり、ゲームセンターであったり。
 自宅で自分の好きな体勢で、好きな時間に、回数も気にせず、まぁ、お酒でも飲みながらでもできる訳ですよね。
 その気軽さとデータと牌譜が見ることができる。そういう部分で、僕は素晴らしものだと思います。

記者

 人と人が対面して打つ良さとは違う良さ、でしょうか。

広川

 はい、別の楽しさだと思います。

記者

 ふだん、フリーを打っている人がネット麻雀を打つと違う楽しみがあって、その逆もまた然り、ということですね。

広川

 そうです。例えば、ラーメンが好きだという人の中にも、みそが好きな人、しょうゆ、とんこつ、いろいろあると思うんです。
 ネット麻雀が好きという人もいれば、雀荘が好きという人も。
 雀荘でも、フリーが好きという人も貸卓が好きという人。
 オンレートが好き、ノーレートが好き、大会が好き……いろんなのがあると思うんです。
 逆に言えば、いろいろ多様化しているのが、麻雀という文化が成熟しているという証だと思うんです。

記者

 ありがとうございます。次の質問――麻雀番組の配信についてお伺いします。

広川

 僕自身は、携帯では原則そういうのを見ないんですけど、(番組が)増えて、それはそれでいいんじゃないですか。
 僕も、たまに出演する話が来て、数回出演したことがあります。あんまりそういうところに出て打つのが好きではない、得意ではないのですね(笑)。
 ただ、麻雀の配信があることで、麻雀を今まで後見しないとわからなかったことがわかるようになった。
 解説については、淡々と解説する人もあれば、自分の思ったことをはっきりと言う人、それぞれ色があって、麻雀ファンの拡大というか……。

記者

 ライト層(が増えるきっかけ)?

広川

 そうですね。道頓堀のところに、Tというおでん屋さんがあるんですね、そこの人(店主)は、実は麻雀が好きなんですけども、(自分のことを)「見るジャン」という言い方をする。

記者

 見るジャン?

広川

 麻雀番組の放送を、配信を見るのが好きという人ですね。

記者

 自分で打たなくても、ただただ見てるのが好き、と。

広川

 そういう層もあるんだなって。

記者

 あんまり想像つかないですね……

広川

 新しい言葉、新しい層ですね。

記者

 日曜のお昼に、家でお父さんが将棋を番組を見ている感覚ですかね。
 ああいうお父さん方は、別に将棋道場なんかに通ってまで将棋を指すわけではないですけど。そういう感覚に近いんですかね。

広川

 きっとそうです。見るジャンの人はそういうの(感覚)かなぁと思いますね。
 あとたぶん、その人(おでん屋さんの店主)は、女流の人が好きなんで、女性が麻雀打ってる姿が好きなので……まぁ、それはそれでいいんじゃないですか。華があるし。
 女流プロも増えました。

記者

 麻雀業界の発展にも貢献してくれていますかね。

広川

 そう思います。
 ご存じないとは思いますけど、むかし、「ハコパラ」というのがありました。
 麻雀専門SNS、mixiの麻雀版っていうのがあったんですよ。
 そこに女流のプロなんかも書き込んだりしながら、段々と仲良くなって、女流プロの追っかけをするファンが関西にもいました。
 「ハコパラー」という通称で。その人たち、「ハコパラ」というのはなくなりましたけど、新たなSNSで集まって追いかけやってますね。

記者

 いまはTwitterもあるし……

広川

 ありますね、まぁ時代が変わったということですね。
 SNSも変わりましたし、ネット麻雀も変わりましたし、環境がどんどん変わってますから、それに応じた告知方法、宣伝方法、プロについても、必要だろうと思います。

記者

  ありがとうございます。次の質問――

 


 次回は、2月8日更新予定です。

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