昭和60年5月10日 第130号
これからの経営
女性の時代である。あらゆる職場に女性が進出して、男女の雇用差別もなくなっている。その一つの現象として、オジサンみたいなOLとオバサンみたいなヤングサラリーマンが増えてきている。日本経済新聞4月15日夕刊や日刊ゲンダイ4月25日に話題として取りあげられている。それでなくても若者のマージャンばなれの現在、新しいファンの開拓は業界の将来を握る課題である。この機会に、女性客の獲得を真剣に考えるのも一方法ではないカー。
OLの「オジサン化」をマージャンに誘い込もう
サラリーマンのーヵ月の小遣いは、5万3千650円。約3千円の赤字だそうだ。マージャン、パチンコといった退社後のストレス解消のためのレジャー参加も、2ヵ月に1回と減っている。マージャン業の顧客がサラリーマンであることには違いないが、今後を考えれば暗いといわざるを得ない。
よく、女性が参加しないレジャーは伸びないといわれるが、20代、30代の独身OLがマージャンに積極的に参加するとなると、現在の若者のマージャンばなれも、違った形で解決されるかも知れない。
財団法人余暇開発センターが実施した「余暇活動に関する調査」によると、20代、30代の独身女性のオジサン化が目立っているという。OLの24・6%が年に1回以上パチンコを楽しんだ。さらに、マージャン10・1%、サウナぶろ6・2%、競馬4・7%など。若い女性に人気のあるエアロビクスダンス・ジャズダンス8・2%、マリンスポーツ4・7%などと比べても決して低い数字ではない。
会社帰りに、パチンコ、マージャンに立ち寄るOLが増える一方で、「チョット一杯」のOLも増えている。酒に関する余暇開発センターの調査によると、「バー・スナック・パブ・飲み屋に行ったことがある」OLは、56・2%と男性の57・9%に引けをとらない。
喫煙率に関しては、男性がここ数年、減少傾向にあるのに対して女性は横ばい。働く女性に限れば少しずつ高まっている。日本たばこ産業の調べによれば、昨年の女性の喫煙率はセールス・サービス産業従事者40・1%、事務。技術従事者13・7%と前年比から見ても増えている。
余暇開発センター研究員・山田紘祥氏は「過去10年間を見ると、女性の社会進出の度合いとレジャー活動の活発化の波が一致する。OLたちは目分の収入を得、かつ男女平等意識が強まっているため、男性が楽しむことなら私たちも、とレジャーの男性化が進んでいる」と指摘する。
レジャーの動機にしても、「健康や体力向上を目指すもの」「知識や教養を高めるもの」と答えた女性は、男性を下回るが、「仕事の疲れをいやすもの」との答えは、男性28・6%、女性40・9%と上回っている。
マージャン店は、飲食ができ、空気清浄機も完備しているからタバコも安心して吸うことができる。ゲームそのものは、女性が熱中する要索が十二分にある。ストレス解消には、最適である。OLが酒場にも進出し、酒場の方もそれに対応している。マージャン店に出入りするのも時間の問題かも知れない。ターゲットをOLに定めての準備が急務と思われる。