【追憶の麻雀】第31回「トラブル解答集〔9〕」

 

麻雀新聞第76号 昭和58年8月10日

トラブル解答集〔9〕

(9)見せ牌とはどれを指すのでしょう

①過失による見せ牌

南家A君が自分のツモ番で牌山に手を伸ばして牌をツモろうとしたとき、袖口が自分の手牌に触れて、8sが一牌倒れてしまった。直後に西家B君から8sが出て、南家A君は「ロン」と言って手牌を倒しました。A君の手牌は234567m567p5678sだったのですが、アガッてもさしつかえないでしょうか。

【こたえ】

全段審ルールでは「手牌の一部または全部公開した場合、その局のポン・チー・カンは認められず、アガリ放葉とする」という条文以外、見せ牌に関する規定は見当りません。

もちろん、これは故意の場合に限るでしょうし、競技会や研修会においては、過失の場合は見せた現物牌だけをアガれなくしています。このケースは見せた現物牌ですからアガれません。ただし、この後すぐに他にマチに替えての出アガりは認められています。

また、シャンポン待ちの場合は中中88mで8mが見せ牌でも中ならアガれます。

②故意の見せ牌

戦局も中盤過ぎ、南家のAさんが手牌の中の北を見せて「これが切れないで弱ったよ」と言いました。確かに、南家Aさんにとってはオタ風ですが、場には一枚も捨てられていません。これを見て、北家のBさんは北をアンコにしているので、安心して捨てると、南家Aさんが「ロン、ドラドラ・チートイツ」といってアガったのですが、北家のBさんとしては黙っていられません。

【こたえ】

このケースは、明らかに「故意の見せ牌」ですので、南家Aさんは北を見せた時点でアガり放棄です。それをふりきってまでアガれば、当然チョンボとなります。なお、南家Aさんは北を見せた時からアガリ放葉となっているので、以後マチ牌を替えてもアガれません。

③間違いポンは見せ牌となるだろうか。

北家A君は好手牌で配牌から白白發發中中となっています。いま、東家B君から中が出て、あわてて「ポン」と言ったのですが、あせって發をさらしてしまい、すぐに中と替えたのですが、發は見せ牌になってしまうのでしょうか。

【こたえ】

うっかりとはいえ、やはり見せ牌になります。ただし、過失による見せ牌と判断されますので、發ではアガれませんが、發が出ればポンすることはできます。

④「チー」といって牌をさらしたとき、「ポン」がかかった場合、「チー」でさらした牌は見せ牌になるか

東家A君は12巡目西西12334445789pの手牌で西と4pのシャンポンテンパイ。しかし、西はすでに二枚とも場に捨てられています。そこへ上家の北家B君から6pが捨てられたので、「チー」と言って45pをさらした途端に、下家の南家C君から「ポン」の声がかかりました。南家C君もトイトイなので「ポン」は当然で、結局は「ポン」に譲らざるを得ません。

東家A君はしかたなく45pを手牌に戻したが、その直後に西家D君から4pが出たので「ロン」といって手牌を倒しました。ところが、西家D君は「4pは見せ牌だからアガれないよ」と主張。一方、東家A君も「ポンでチーが不可能になってしまったのだから、見せ牌じゃないよ」と主張しますが……

【こたえ】

「ポン」「チー」のタイミングも同時で、ポンをした南家C君にも悪意はまったくなく、東家A君としても「チー」が不可能となった以上、45pをさらしてしまったのは不可抗力といえます。

感情をまったく無視し、状況判断だけを重視した場合、これを見せ牌とする見解も成り立たないとは言えませんが、不可抗力というやむを得ない東家A君の立場から、見せ牌にはならないではありませんが、東家A君の立場から、見せ牌にはならないと判定します。

したがって、放銃した西家D君の不満もわからないではありませんが、東家A君のアガリを認めるのが穏当と考えます。

あくまでも、「ポン」は速やかに、「チー」する人はワンテンポおいてから発声することを励行すれは、こういうトラブルはなくなると思います。また、チーする人も発声より先にメンツをさらすことはなるべく止めるべきです。

(10)うっかり感違いから起こるトラブルとは

①ポンした牌の方向指示を間違えたら

南家B君が東家A君の捨てた2sをポン、数巡後、北家D君がリーチをかけました。待ちは25sで、この2sを西家C君が一発でフリ込んでしまいました。ところが西家C君は「何を言ってんだい!2sはフリテンじゃないか」とカンカン。よく見ると南家B君がポンした2sを─ ||としなくてはいけないのを│─│として北家D君からポンしたようにしてあったのです。

【こたえ】

牌の出所を示す「方向指示」の間違いから起こったものですが、厳格に解釈すれば、確認をしないで放銃した西家C君の責任でしょうが、方向指示を誤った南家B君にまったく責任がないとは言いきれません。そこで、西家C君と南家B君の共同責任として、二人が均等に北家D君のアガリ点を支払うのが最良策です。なお、北家D君のアガリ点が3900点や7700点のように折半できないときは、放銃者の西家C君が100点多く払うようにします。

②間違って呼称した牌をポン(チー)したら

東家のA君が8pと言って打牌、これを南家B君が「ポン」と言ったのですが、捨てられていたのは8pでなく7pだった。さて、どうすればいいだろうか。

【こたえ】

目で確認しないで「ポン」と言った南家B君が悪いのです。全段審ルールでは「打牌を呼称しないこと」として禁止事項にしていますし、これがマナーとしても当然です。

したがって、打牌を呼称した東家A君にも責任があるわけです。また、故意の呼称を野放しにすると白と發をポンしている人に向って中といって別の牌を捨てれば、その表情で手牌に中があるかないかがわかってしまうケースも出てきます。したがって、その悪用を防ぐ意味からも、この場合、A君とB君の両方から空ポン料及び罰符として1000点ずつを供託させます。

③間違って呼称した牌にロンをかけてしまったら西家A君が6sといって打牌、これに北家B君が「ロン」と言って手牌を倒しましたが、西家A君が実際に捨てていたのは6sでなく9sでした。

さて、どちらに非があるのでしょう。

【こたえ】

これは全段審ルールの解決法が、一般の場合にも最良の解決法となります。

誤った打牌の呼称によって、誤ったロンがあった場合は、双方の貢任となり罰符を他の二家に支払います。ただし、この牌で正常なアガリが出た場合その責任を免れます。

罰符は一人半マンガン分で、A君4000点B君4000点を親が4800点、子が3200点もらいます。当事者の一方が親のときは、6000点と4000点の計10000点を子の二家が5000点ずつもらいます。

④捨て牌を見間違えて「ロン」と言ってしまったら

東家Aさん、タンヤオ・三色・ドラ一の親マンをカン3mでヤミテン。すぐに西家Bさんから出て、喜び勇んで「ロン、親マン」と言ってよく見ると3mではなく2mでした。

あわてて、倒しかけた手牌をもとに戻したのですが……

【こたえ】

全段審ルールでは、アガリを宣言するか、手牌を倒せば、正当なアガリでない場合チョンボとなります。したがって、このケースは完全なチョンボです。

巷間、自分が「ロン」と言って手牌を倒しても、他家が手牌をくずさず、ゲーム続行が可能なときは、アガリ放棄となってゲームを続けてもよいとするところもあるようですが、こうしたあいまいな判断を下すと、それが火種となって新たなトラブルが発生することになります。

たとえ親しい仲間同士のゲームであっても、心を鬼にして「ロン」の発声があってゲーム続行可能、不可能を問わずチョンボを科すべきです。

ただし、この、2mに他家から正当なアガリがあった場合は、チョンボを免れることは言うまでもありません。

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