【追憶の麻雀】第24回「トラブル解答集〔3〕」

麻雀新聞第70号 昭和58年2月10日

 

トラブル解答集〔3〕

 

【1】ゲーム進行中にこんなことが起ったら(続)

 

ウラドラありのルールで、ウラドラを確認する前に壁牌(牌山)をくずしてしまったら……。

ウラドラありのルールで、南家Aさんはリーチをかけ出アガった。ところがフリ込んだ北家のBさんが、すぐに壁牌(牌山)をくずしてしまい、ウラドラが確認できなくなりました。さて……。

【こたえ】

巷間、よく起こるトラブルです。Bさんの責任は重大ですからその罰としてAさんのアガリ得点のほかに、満貫分の点棒を支払います。

 

四風子連打・四力ンツ・九種么九牌倒牌・4人リーチで親は流れるか。

東家が第一打牌に西を捨てたところ、南家西家北家も西を捨てて四風子連打となった。親は流れるだろうか。

【こたえ】

全段審ルールでは4人リーチ以外は流局で、親は次に移ります。ただし、一般的には四風子連打・四カンツ・九種么九牌倒牌・4人リーチのすべては親は連チャンとするのが通例です。

チョンボで親が流れるかどうか

北家A君369mのサンメンチャンでリーチ。すぐに高目の3mが出たので、喜び勇んで「ロン、高目三色でハネマン」と手牌を開けたところ9mがフリテンとなっていることを指摘され、チョンボの8,000点を支払わされました。親は連チャンとなりますか?

【こたえ】

全段審ルールでは親のチョンボも子のチョンボも親流れと規定されていますが、一般的には、親のチョンボは親流れで、子のチョンボは連チャンで1本場とするのが通例です。

 

【2】ポン・チーによって起こるトラブルとは

 

チーの発声をした直後にポンと言われた。

親のAさん、ドラのダブ東が暗刻で、胸わくわくのイーシャンテン。次巡上家から絶好のカン7mが捨てられたので、手牌に手をかけ「チー」と言った直後に西家が「ポン」と言って7mを持っていってしまいました。親のAさんとしては黙って引き下がる筈もなく、西家に「君のは邪魔ポンだよ」と坑議したのですが…【こたえ】

ポンはチーに優先するとはいっても、明らかに遅れた場合は、チーにも優先権が生じます。また同時か直後かの判断は微妙なタイミングの問題で、互譲の精神を持って解決しないと水掛け論になってしまいます。チーをする人もポンをする人のために、ワンテンポおいて、発声をともなってチーをするようにしないとのトラブルはなくなりません。判定は同時なら西家のポンが優先しますが、ワンテンポあってからの同時か直後ならチーに優先権を認めます。

ツモアガリの動作に入った時上家の捨て牌にポンがかかったら…

南家A君がリーチをかけ、数巡後ツモアガろうとした時に、上家の捨て牌に下家からポンがかかった。A君としては、アガリの動作に入っているので「君のポンは遅いから無効だ」と主張しますが、下家は「キミの手の陰で見えなかったんだよ」と譲りません。

ほかの二人は、ツモられれば当然点棒を取られるので、下家の肩を持ち、多数決で行けば南家A君のアガリは無効となるのは明らかです。さて……

【こたえ】

南家A君のツモが早過ぎたか、下家のポンが遅過ぎたかのタイミングの問題です。当事者同志がカッカすると水掛け論となって収拾がつかなくなってしまいます。リーチ者A君のツモアガリの動作が、上家の打牌より少しでも後ならA君のアガリを認めます。そうしないと、A君としてはアガリ牌もわかってしまって、ゲーム続行はかなり困難になると思われるからです。ただし、先ヅモであればアガリは無効で、下家のポンを有効とします。それにしても、リーチ者A君のはやる気持もわからないわけではありませんが、上家の打牌をよく確認してから牌をツモるべきです。

また、ほかの二人も自分のソントクよりも中立的、紳士的態度で判定しなければいけません。

誤チー・誤ポンを犯した者への罰則は?

親のAさん、連チャンを目指して喰い仕掛けに出たのですが、気が付いてみると、さらした手牌が346mとなっていました。手中に5mがあれば訂正できるでしょうか。

【こたえ】

このケース、下家の打牌がすでに終了しているので、訂正はできません。以後はアガリ放棄です。
ただし、「リーチ・一発アリ」のルールでしたら、流局になった場合はチョンボ扱いとするのが妥当です。そうでないと、一発役を消すために喰えない牌にチー・ポンするという故意の悪用を許すことになるからです。

同一牌をポン・チーできるものだろうか

流局寸前、親のY君テンパイをくずして親番を流すのを怖れて、上家の捨てた8sをチーして8sを捨てました。許されますか?

【こたえ】

全段審の競技ルールでは同一牌のポンまたはチーは認められません。ただ4mをチーして1mを捨てる喰い替えは認めています。
一般に行なわれている麻雀では同巡内の喰い直しや喰い替えは認めていないのが通例です。ただし事前に取りきめがあれば、もちろん認められます。

 

【3】カンによるいろいろなトラブル

リーチ後、手牌に暗刻している同一牌なら、どんなケースでもカンができるだろうか

東家のA君がリーチ後1mを暗カン、結局流局となって手牌を公開すると〔1111〕2444m234s234pとなっていて、南家のB君がこの1mは牌姿が変わるから、カンはできないよと言うのですが…

【こたえ】

このケース、たしかにアガリ牌に変化は起きませんが、東家のA君とすれば4mなら三色が消えてしまうので、カンはしないでしょうし、リーチ者の意志によって選択が自由というのは、かえって混乱を招きます。
したがって、牌姿の変わる時はカンできないと判定し、B君の主張を認めます。

リーチ後、次のようなカン(送りカン)はできるだろうか

西家のC君が3456799p555567sの手牌でリーチ、次巡8sを引いて5sを暗カンしようとしました。5sの暗カンはできますか。

【こたえ】

前問でも明らかなように、暗刻の牌と同一牌でないとカンできないのですから、当然8sをツモっての5s暗カンはできません

 

ポンまたはチーとカンは同時にできるのだろうか

南家のB君23477s56p9999m中中の手牌から中が出るやポン、続いて9mを倒してカンをしようとしたところ、東家のA君からクレームがついて「ポンに続いてカンはできないよ」と言われましたが…

【こたえ】

ポン・チーには必らず牌を捨てる行為が必要です。ですから、牌を捨てないうちはポン・チーの行為が完了していないので、カンはできないことになります。

ハイテイ(海底)牌はカンできるだろうか

南家は流局間際に中を暗刻にして14pテンパイ、ドラが一枚はいっています。ハイテイで中を引いて暗カン、リンシャンカイホウで1pをツモり、ハイテイ・ツモ・リンシャンカイホウでマンガンだ」と大喜び。ところが東家から「ハイテイ牌はカンできないことになっている。それを犯したのだからチョンボだ」とクレームがつきました。

さて、どちらが正しいのでしょうか。

【こたえ】

ハイテイ牌はカンできないという麻雀の大前提が存在するのですから、やはり、南家の暗カンは無効です。
南家は暗カンをやめさせて、任意の牌を打たせて終了とするのがよいでしょう。チョンボを科するのはちょっと酷だと思います。
巷間、よく見かけるのはハイテイ牌をツモってカンすると、カンと同時に流れといって終了してしまうケースです。
これは、ハイテイ牌はカンできないという原則とポン・チー・カンには必らず打牌がともなうという基本を理解してないために起こる光景です。
皆さんのお店やグループの中で見かけたら、よく説明してあげるとよいでしょう。

他家からのミンカン(明槓)でフリテンがアガれるだろうか

北家のA君が十巡目に234567m3334p888sのテンパイ。ドラは4p。ですが2pを捨てているのでフリテンです。

次巡、南家のB君から8sが捨てられたので、これをカンしてリンシャンカイホウで2pをツモり、南家B君に、「君のフリコミだから3,900点払ってよ」と言うと「冗談じゃない、フリテンへ放銃できるわけがないよ」とB君に反論され、支払いを拒まれました。

【こたえ】
A君が2pでアガったという結果でなく、B君が8sを捨てたという責任が問われるわけで、形の上ではB君の捨て牌8sがフリコミ牌ということで、責任払いとなます。

ただし、全段審ルールでは、リンシャンカイホウはすべてツモ扱いとするので、北家の得点は1,000点、2,000点のツモアガリとなります。

連続力ンでのリンシャンカイホウは、ツモアガリか、責任払いか。

東家のA君が78m111p22s567s發發發でテンパイ。南家のB君から發が出たのでカン、この補充牌が1pだったので、これを暗カンしてリンシャンカイホウで6mをツモリました。さて、B君の責任払いか、それともツモアガリで均等払いとなるでしょうか。

【こたえ】

南家B君の責任は一回目の發のカンまでと考えるのが妥当ですから、二回目の1p暗カンによるリンシャンカイホウは均等払いとなりまず。カンドラはどの時点でふえるのだろうか2sをポンしている北家A君は、四枚目の2sをツモってきたので加カンし、中を捨てたところ東家がロン。その時新ドラが中となり、東家は「ドラ3m中で親マンだ」と得意顔。

ほんとうに新ドラは認められるのだろうか。

【こたえ】

北家A君の2sの加カンが成立しているのですから、新ドラの中は認められ、親マンとなります。

待ち牌が自分のカンしている牌となってしまったら、フリテンになるのだろうか

西家A君が8pをポンして、数巡後に8pを加カンしました。北家のB君が更に数巡してから5pを捨てると西家A君がロン。手牌は67pの58p待ちだったので、北家B君が「8pをカンしなければアガっているのでフリテンだよ」と抗議しました。西家A君は「カンして6pに7pがくっついたのだから、フリテンなんかじゃないよ」と反論しました。さて、結論は……

【こたえ】

一度アガった牌をホウ(河に打牌を捨てるところ)に捨てているのがフリテンです。したがって、加カンした牌は捨て牌でなく、手牌の一部と見るべきで、西家A君のアガリは認められます。

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