新式麻雀タクティクス 第24回

若手麻雀プロが贈る麻雀の新潮流!
数あるイマドキの戦術がみるみるよくわかる連載第24回

 皆さん、こんにちは。最高位戦日本プロ麻雀協会の原周平です。
 今回は、「手が悪いときにすること」についてお話してみたいと思います。
 麻雀をやっていれば誰しも、ツクときとツカないときがありますね。そして多くの人の悩みが、配牌が悪いときにどうするかではないでしょうか。
 そこで今回はそんな疑問を解消すべく、「アガリに遠い」配牌からどう打つのがよいか考えてみました。
 みなさんだったら次の牌図から何を切ってどう進めるでしょうか。

◎アガリに遠いからこその構え

【牌図A】 東1局 西家  ドラ 1巡目  ツモ

 牌図Aは、開局、子で8種になったところです。両面1つと役牌があるので、一瞬手なりで進めてもそんなに悪なさそうに見えますが、果たして本当にそうでしょうか。
 この手を面前でリーチ、あるいは東を鳴いてアガるとなると、ほぼ安手で、しかも仕上がりは遅くなります。
 スピードという意味での手なりが効果を発揮するのはもっと目先の受け入れ一牌で先制できるかどうかが変わるような「アガリに近い手牌」です。
 この手は 真っ直ぐ進めたところで速度が意味のあるほど上がる確率は低く、
 ほとんどが後手のゾーンから後手のゾーンへの上昇(どちらにせよベタオリになる)で終わるでしょう。

 よって、結論を言うと、こういった手はホンイツ本線で進めるの がベターだと思われます。
 それもかなり色々な理由で。
 まず、前述したように、どうせほぼアガれないような手においては、
 平均的には遅くても、上手くいったときに先制が取れるくらい速くなるという選択の価値が高くなります。
 つまり、瞬間の絵合わせだけ追って、駄目なら退散するという、鳴きやチートイツ前提の手組みが有効です。
 さらに、麻雀は安手なら役をつけることで 打点が2倍3倍になるため、
 和了率(もともと低いからこれがあまり気にならない)を犠牲にしても打点の種を優先した方がいいということになります。
 そして、手が悪いからこそ、ほとんどオリになるのだから普段より安全牌を抱えておきたいですね。字牌を手に残す進行が望ましいわけです。
 最後に、どのみち時間がかかるので、少しでも他にプレッシャーをかけて真っ直ぐ打たせないようにしたいところです。
 その方が終盤のテンパイ者が減り、ツモられやダマへの放銃も減り、さらには自分が形式テンパイを取りやすくなります。
 以上、手が悪いときに気になることをほぼカバーし、自分の手の価値も落とさない選択として、
 ホンイツが優秀であることが、お分かりいただけると思います。
 と同時に、ここに手が悪いときの手組みの基本が集約されていると思います。
 すなわち、

  1. 手が悪いのだから、 良い人と同じ土俵(面前手なり)で勝負しない
  2. ブラフ(威嚇)を混ぜて相手の邪魔をする
  3. どうせなら高くいく(細くても価値のある抽選を受ける)
  4. 安全ブロックを持ったまま前進する(字牌対子を狙う)

 ということです。また、余談ですがこの手なら国士もあるから6萬4筒と切る価値があります。
 払っている間に1萬1筒を引くことができれば価値のある抽選になりますね。
 8種から国士をアガれる確率は0.08 %。1250回に1回ですが、
 この手の場合、6萬4筒は即座に赤やドラを引かなければホンイツを優先して出て行く牌であり、
 しかもドラを引いたところで字牌を重ねるほど嬉しくはないので、9萬9筒を残して良さそうです。
 鳴きは9索と東。牽制をかけておいた方がいいし、チャンタや一通もあるからチートイツを捨てても悪くないでしょう。

 いかがでしょうか。麻雀の選択というのは、確かに結果に影響を与える「良い手のときの選択」にミスが無いのが最も重要です。
 相対的に見れば「アガリに遠い手牌選択」の価値は低いのですが、しかし前者より後者の 方が選択に幅があるのも事実です。
 むしろ負けているときに後者を 丁寧に行うのは精神的に難しいというのもあるため、後者の方が打ち手の錬度を必要とする技術と言えるかもしれませんね。

◎デジタル(自動)と アナログ(手動)

【牌図B】 東1局 南家 ドラ

 最後に、もう1つだけ牌図を出してみると、牌図Bならみなさんはどうするでしょうか。
 もうこの記事を読 んだ人は私なら8筒9筒を払って役牌・タンヤオ・チートイツを見ると察していただけるでしょうか。
 マンズの真ん中が引ければ8索もポン。威嚇を意識して鳴き、あとはツモで頑張ります。
 面前効率でベタっと進めてもアガれるときはアガれると思いますが、
 鳴いた方が瞬間絵が合って先制を取れる回数は増えるのではと思うからです。

 ただ、ここで言いたいのは、このように目の前の手を「普通に進めても遅そう」とする判断は、とてもアナログなものだということです。
 これより少し良形が増えたりすればまた判断は変わってくるのでしょうが、どこからという明確な基準があるわけではありません。
 つまり、もしその「どこから」というのに基準が生まれれば、この選択はデジタルなものになるわけですが、
 現状はないため、データが比較的揃っているように見える面前デジタル寄りの選択をする人が多いのではないかと思います。
 何となく面前で間に合いそうかどうか、それは普段打っているフィールドの印象でも違うでしょうし、まわりの面子にも左右されます。

 今回のようにデータによるロジカルな判断がしづらい局面というのは、実はまだまだあるわけで、
 自分はデジタルに打っているという人は、アナログな判断に手を出していないだけかもしれず、逆もまた然りです。

 何が言いたいかというと、よくよく自分の判断がどういうものなのか見えていないと、だいたいベターにはできても、ベストな戦術を組めたとはいえない。
 まだまだ上達の余地があるなあと思わされるわけです。と、こちらの方が余談だったかもしれませんね。

AUTHOR:原 周平(23歳)
PROFILE:最高位戦日本プロ麻雀協会C1リーグ所属。
早稲田麻雀部元部長。
大学対抗麻雀駅伝に早稲田のアンカーで出場し優勝。
天鳳九段(ID:焚き火)。
雀風は数多の戦術からいいとこ取りの門前攻撃型。

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