【第8回】麻雀を教えるって、どういうこと?

麻雀を教えるって、どういうこと?

「麻雀を楽しくスムーズに覚えてもらうためにはどうすれば?」

この連載は麻雀教室の開講をお考えの営業者に、
現役麻雀講師が持つスキルのすべてを大公開!
連載第8回目は、麻雀の華『三色』と『ポン』『チー』について

 の麻雀教室のテーマは『美しく麻雀を打つ』ということです。
 女性の生徒さんが多い麻雀教室ですから、このキャッチコピーは生徒さん達には非常に受け入れやすいテーマなんです。

美しく麻雀を打つために!

 ここからの役の説明は、その『美しさ』の部分に触れていくことになるのですが…ここで、何故『美しく』麻雀を打った方が良いのか? といった説明をしていくことになります。
 役の説明に入る前に、まず最初に伝えるべき用語は『翻』(ハン)です。

 麻雀をご存知の方であれば誰でも知っている『翻』ですが、麻雀を初めて覚える方にとっては聞き慣れない用語の『翻』。この『翻』の説明自体はとても簡単です。

 日本語には物の数の単位を表す言葉がありますよね。例えば…椅子なら一脚二脚、靴なら一足二足、ペンなら一本二本……のように、数の後ろにつける単位、麻雀においてはそれが『翻』なんですと伝えるのです。
 何故このタイミングで伝えるのかというと、ここまでお伝えしてきた役、『リーチ』、『門前清自摸和』、『タンヤオ』、『役牌』、『平和』、すべて一翻なんですね。細かい点数の違いはあれ、今まで学んできた役はすべて一翻で同価値だということを最初に伝えておくのです。

 ここで『美しさ』の部分に戻ります。

麻雀役のメジャー選手!

 今からお伝えする役は、今までの役よりも難易度が高く、そして『美しい』形であると。
 そして、麻雀は『美しい』形を作った方が点数は高いんだということを伝えるのです

 ここでお伝えする役は『三色同順』。
 「三色は麻雀の華」
 なんて言われることがあるくらい、手役が好きな方にはたまらなく魅力的な『三色同順』。
 この『三色同順』を説明する時に必要な用語は、以前『役牌』の時にお伝えした『部分役』という用語ですね。

 『役牌』は3枚で作る唯一の部分役だったのに対し、『三色同順』は9枚で作る部分役の代表的な役なんですと伝えるのです。
 ここで『三色同順』を図示するのですが……大切なことは、三色同順の部分以外の残りの5枚の牌姿です。
 『三色同順』はシュンツ系の役ですが、残り5枚の部分はどんな牌姿でも良いということを伝えるため、残りのメンツは刻子、そして雀頭は役牌としておくのが良いでしょう。
 もちろん『三色同順』はシュンツ系の役であるため、平和と複合することも伝えなければなりません。

美しく手を育てることは麻雀の喜び!

 ここで、先程出てきた新しい用語、『翻』の登場です。
 『三色同順』は難易度も高く、形も美しいため、今まで学んできた役よりも高い手役であるということをお伝えするのです。
 今まで学んできた役が一翻であるのに対し、三色同順は二翻と、点数が倍であることを理解してもらうのです。
 ここで今まで話してきた『美しさ』の部分に触れるのです。
 美しく手を作っていくこと、手を育てることの大切さを改めて伝え、組み合わせを作ることの喜びに加え、形を美しい形にすることの素晴らしさを生徒さんに感じて頂くんですね。

 『三色同順』は難易度が高く美しいため、翻数も今までの役に比べて高いということは理解してもらいました。と、ここで新たな用語を伝えます。

『ポン』
『チー』
『喰い下がり』

 それは『喰い下がり』です。
 門前ではなく副露すると翻数が下がること、つまりポンやチーをすると翻数が下がることを『喰い下がり』というのですが、その前に『ポン』と『チー』を伝えなければなりません。
 『ポン』とは、他の方から牌をもらって刻子を作る行為のことを『ポン』といい、『チー』とは、他の方から牌をもらって順子を作る行為のことを『チー』というのですが、ここで改めて組み合わせの作り方の話に戻ります。

 刻子と順子、どちらの方がメンツを作りやすいですか? と、改めて聞くのですが、ここまで組み合わせの作り方の話を繰り返して伝えているために、生徒さんからは即答で「順子です!」との回答があるはずです。
 刻子と順子では刻子の方が組み合わせを作りにくいために、刻子を作る行為の『ポン』は自分以外の3人から『ポン』出来るのに対し、組み合わせを作りやすい順子を作る行為の『チー』は、自分の順番の前の方、左隣の方(上家ですよね)からしか『チー』は出来ないんですよと伝えるのです。

『ポン』や『チー』は教えるタイミングがとても大切!

 ここで、メンツを作る行為の『ポン』と『チー』を何故ここまで伝えなかったのか? ということですが、早い段階で『ポン』や『チー』を伝えてしまうと、何でもかんでも『ポン』、『チー』と言ってしまうようにどうしてもなりがちなんですね。
 ですからここで『ポン』や『チー』をすることによるデメリットを伝えるのです。

 1つ目は、門前(メンゼン)でなくなることです。門前が条件の役は、ここまで伝えてきている役の中では、『リーチ』、『門前清自摸和』、『平和』ですね。『ポン』や『チー』をすること(副露といいます)で、この3つの役が出来なくなってしまうということをまず伝えます。これは大きなマイナスポイントですからね。『ポン』『チー』が出来る時に『ポン』『チー』をするのではなく、『ポン』『チー』すべき時に『ポン』『チー』が出来るようになりましょうと言うことが大事ですね。

 そして2つ目のデメリットとして『喰い下がり』を伝えるのです。三色同順は二翻役なのですが、『ポン』や『チー』をすると翻数が下がってしまうと。
 つまり、門前(自分の力だけで)で三色同順を作ると二翻ですが、『ポン』や『チー』をすると(副露すると)三色同順は一翻役になってしまうのですよと。

 これらを総合すると、『ポン』や『チー』をすることは決してプラスではないと生徒さんは感じてしまうのですが、実は『ポン』や『チー』をする方が良いケースもあるんだという事も同時に伝えなければいけませんね。現時点では『ポン』や『チー』をしない方がいいけれど、すべきパターンもあるのですよということをこの段階では伝えておくのです。

 これで三色同順についての説明は終わりました。

『三色同順』とセットで覚えてもらいたい『一気通貫』

 ここでもう1つ、『三色同順』と同時に伝えるべき役があるのです。それは『一気通貫』です。
 『一気通貫』についての説明は、『三色同順』の説明がスムーズに出来ていれば非常に簡単なのです。
 ここで『一気通貫』の形を図示します。『三色同順』の際に使った牌姿から、『三色同順』の部分だけ『一気通貫』に差し替えて説明するのがいいでしょう。

 同じ種類の数牌で、【123】【456】【789】の三種類の順子を作る『一気通貫』ですが、ここで間違えやすいケースを伝えます。
 それは、数牌で1〜9までの数牌を持っていても『一気通貫』にはならないんだということです。ここでは、雀頭を4や6にして【123】【44】【567】【789】のような形を図示し、1~9までの数牌を持っていても、上記のような牌姿では『一気通貫』が成立しないことを伝えなければなりません。

 何故このタイミングで『三色同順』と共に『一気通貫』を伝えるのかというと、『三色同順』と『一気通貫』は非常に関係性の深い役であるからなんです。1つ目は、どちらも9枚で作る部分役であるということです。

 『三色同順』と『一気通貫』は9枚で作る部分役の代表的な役ですからね。
 そしてもう1つは、どちらも門前二翻、喰い下がり一翻であるということです。
 この2つが同じである『三色同順』と『一気通貫』は、兄弟とまではいかなくても従兄弟のような関係であるという説明をすると、2つの役をセットで覚えやすいかもしれませんね。

『三色同順』と『一気通貫』を駆使できるようになろう!

 『三色同順』と『一気通貫』。どちらも役の中では花形選手です。
 この2つを意識して駆使出来るようになると、手牌構成の幅が広がって、より美しい形を作ることに意識が強く働く
ようになってきます。
 次回はもっと美しい形をお伝えしたいと思いますのでお楽しみに。

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PROFILE
麻雀店経営にも携わる現役麻雀講師。
麻雀プレイヤーとしての顔も持つ。
その歯に衣着せぬ発言は麻雀を愛するがゆえ。

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