【第六回】e’sグループ 広川 宰有 氏 ⑥【麻雀に関わる人々】 | 麻雀新聞

【第六回】e’sグループ 広川 宰有 氏 ⑥【麻雀に関わる人々】

麻雀に関わる人々

第六回:e’sグループオーナー 広川 宰有 氏⑥

 前回に引き続き、「広川ヒロカワ 宰有タダスミ」氏にインタビューを行い、お話を伺った。
 広川氏の経営する、e’sグループといえば、難波店e-sou(イーソウ)と梅田店estar(イースター)の両店舗のことであり、より詳しい情報を求める場合は、以下から参照してほしい。

 *以下本文中、敬称略
 *当記事のまとめが、2018年2月10日に発刊される 麻雀新聞2月号 に掲載予定
 *当記事内における、「風営法」もしくは「風俗営業法」とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」のことを指す。


記者

 ありがとうございます。次の質問――今後の麻雀業界について。どうなっていくでしょうか、こうなってほしい、などもあればお聞かせください。

広川

 まず現行の風営法のままでいけば、おそらく、まだ(雀荘の数は)減少するであろうと思います。残るのはいくつかのパターンがあると思います。ひとつ目は、ターミナル駅に近い大型店。ふたつ目は、ローカル地域でこぢんまりとやっている、関西の三人打ちのような店。オーナーさんが店に出て、あとは従業員がひとりふたりでやってる。人件費のコストが抑えられるので、なんとか。みっつ目は、健康麻雀。ただやろうと思ったら、お客さんをちゃんと集めないといけない。よっつ目は、いまで増えつつあるノーレートフリーですね。
結局、地方のローカルな地域で、どれくらいの数残れるのかは分からないです。ある都市の中で、今まで五軒、十軒あったものは、どんどん減っていって、ほんと一、二軒に集約されるんじゃなかろうかと思います。

 貸卓のお店に関していうと、経営者の高齢化が進んでいます。ローカルなところでいうと、経営者の平均年齢は六十歳を超えてると思うんです。三十年くらい(お店を)やっていたら、当時三十歳でも六十歳、へたすると七十代。
もう十年ちょっと前で、生野の(麻雀)組合に入ってた頃なんですけど、その時の組合長の店にいったところ、一週間に貸卓が二、三組しかこないと嘆いていました。
 実は同業者組合というのもどんどん減ってまして――麻雀業界のみならず――いろんな業種に同業者組合があるんですけど、みんなで小さいお金を拠出して、自分の個店ではできないような、業界全体のイメージアップとかPR、業界誌を発行するところに、いろいろお金を出す。。業界で、団体で集まってますんで、政治家に対してのロビー活動。そこに対して資金を提供したり、そこのパーティにいって顔をつないだり……そういうことによって、自分の業界を法的に良い方向に導いてもらったり。そういうものなんですけど、景気が悪くなると、月々大きな額ではないにしろ、(組合費が)出しづらくなる。(だから)同業者団体というのは年々減って言っているらしいんですよ。大手は潤ってますけど、小さいところは、数千円の組合費を出すのも苦しいし、また、業界のイメージアップはありがたいですけど、すぐに何かが変わるわけではない。

記者

 (効果が出るのに)五年十年、かかることもあれば。ロビイスト活動も、そこまで目立って効果がある訳ではないですし。

広川

 なので、必要なこととは思っても、すぐに効果が表れないことにお金を出せる余裕がないので、加盟店が減っていってる。そういう中で組合がすたれている。
麻雀組合についても、一五〇〇店くらいしか入っていないんじゃ? 全雀連(全国麻雀業組合総連合会)は。大雀連(大阪麻雀連合会)は知ってますけど。組合活動自体は、下火になりつつあると思いますし、今後すぐに活発になるのも難しいんじゃないかと思います。
 あとは……どういうことを変えていってほしいかというと、一番は二十四時間営業、深夜営業の合法化。あとは、風俗営業の中ではあるんですけど、ある一定の時間までは十八歳未満も立ち入りできるとかね。というのも、麻雀大会をするのに、麻雀店ほどを適している場所はないんですよ。卓もその他諸々インフラ整ってます。ここでやれるのがいいんです。けれど、風営法では十八歳未満は立入禁止ですから、若年層の、子供麻雀大会とかしようと思ってもできない。ゲームセンターなんかは、十八時までは十六歳未満も(立ち入りが)OKで、ってあるじゃないですか。そういうふうにできていったらいいだろうなぁ、とは思ってます。

 当社の方針としてなんですけど、麻雀を通じての社会貢献を掲げています。麻雀店がなぜ社会貢献になるかというと、お客様が麻雀をすることで、次の日の活力になるんですよね。なので、必要な産業だと思うんです。

記者

 心に潤いを?

広川

 そうです! 必要な産業である以上は、規制は規制で必要だと思うんですけど、あまりにも厳しくされるばかりだと、衰退する一方です。麻雀店とパチンコ店の大きな違いは、もともとは風俗営業の七号営業で、いまはダンス営業が抜けた影響で四号営業なんですが、実は、パチンコ店で営業しているところは、麻雀店にかえることができるんです。むかしよくあったのは、一階がパチンコ店、二階が麻雀店。江坂の麻雀店Eさんなんかそうですよね。堺の麻雀店Gさんとかも。むかしはね、ありふれた形態だったんですけど、パチンコ店の利益率からすると、雀荘の利益率が少ないから、やめていきましたけど。そういうふうに考えると、風俗営業法、もう少し変わらんかなぁ。もしくは、麻雀店だけビリヤード場と同じように風俗営業法から外してもらえんかなぁ。

 


 次回は、2月10日更新予定です。

関連記事

おすすめ記事

  1. 大阪麻雀連合会(石端伸次郎理事長)は2024年(令和6年)4月10日(水)、大阪府大阪市『中国料亭・…
  2. 一般社団法人日本スポーツ麻雀協会東京支部は、2024年(令和6年)3月17日(日)に、東京都世田谷区…
  3. 2024年(令和6年)4月14日(日)、宮城県仙台市『グランド麻雀ホール藤』にて「第23回阿佐田哲也…
  4. ■第50期WMレッスンプロ養成講座 一般社団法人日本健康麻将協会は、2024年(令和6年)2月…
  5. 最高位戦日本プロ麻雀協会の 多喜田翔吾プロが麻雀AI「NAGA」の戦術をわかりやすく解説! &…
  6. 先日の午後1時15分。埼玉県の警察署へ許可申請に行くと生活安全課の部屋はてんやわんやの大忙し。これは…
  7. 「麻雀コラム」第84回 麻雀大好き落語家の三遊亭楽麻呂師匠が「麻雀」で現代社会を愉快に叩っ斬る…
  8. 今月も先月に引き続いて、サイドビジネスについて解説していきたいと思います。副業ブームの昨今、麻雀営業…
  9. 「麻雀コラム」第83回 麻雀大好き落語家の三遊亭楽麻呂師匠が 「麻雀」で現代社会を愉快に…
  10. 2024年(令和6年)3月1日(金)に刊行された『ピークアウト』(近代麻雀コミックス)第1巻は、『鉄…

Noshx麻雀新聞

株式会社ささき

株式会社ささき

オンライン麻雀 Maru-Jan

オンライン麻雀 Maru-Jan

ピックアップ記事

  1. 大阪麻雀連合会(石端伸次郎理事長)は2024年(令和6年)4月10日(水)、大阪府大阪市『中国料亭・…
  2. 一般社団法人日本スポーツ麻雀協会東京支部は、2024年(令和6年)3月17日(日)に、東京都世田谷区…
  3. 2024年(令和6年)4月14日(日)、宮城県仙台市『グランド麻雀ホール藤』にて「第23回阿佐田哲也…
ページ上部へ戻る