麻雀に関わる人々
第四回:e’sグループオーナー 広川 宰有 氏②
前回に引き続き、「広川 宰有」氏にインタビューを行い、お話を伺った。
広川氏の経営する、e’sグループといえば、難波店e-sou(イーソウ)と梅田店estar(イースター)の両店舗のことであり、より詳しい情報を求める場合は、以下から参照してほしい。
*以下本文中、敬称略
*当記事のまとめが、2018年2月10日に発刊される 麻雀新聞2月号 に掲載予定
広川
いまは時代も時代――記者さんは大学は?
記者
二留でなんとか卒業しました。麻雀にはまりすぎて(笑)。
現役三年生の頃にずうっと麻雀してましたね。
広川
デビューのタイミングが悪かったですね(笑)。
でもそこでハマらなかったら、ふつうにいまはサラリーマンしてたかもしれないですね。
それで、会社で麻雀という言葉を聞いて、麻雀ってなんだろう? ってふうに思ってたかも。
麻雀の「麻」は麻薬の「麻」ではないですけど、本当に面白いものですよね。
ただやっぱり麻雀にハマる子たちというのは、一定のラインというか種類があると思うんですよね。
麻雀の魅力って、なんだと思います?
記者
そうですね。ひとつは、推理ゲーム感。もうひとつは、大きい手を和了れた時の快感と、和了できなかった時のもどかしさ、のジレンマといいますか、バランスといいますか……。
広川
そうですね、麻雀の魅力のひとつというのは、数理的なパズル。パズル好きな子には麻雀好きな子も多いと思います。牌効率はパズルですからね。
また、他家のリーチや仕掛けに対して推理し、それをかいくぐって和了る快感。
あともうひとつは、やっぱりギャンブル性は否定できないとも思います。達成感ですよね。
それを面白いと思うと、余計にノメりこむんですよね。これをしんどいと感じる子たちは、ハマらない。
ただ、いまは大学の出席ですとか授業内容とか、厳しいでしょう。みんな真面目に授業に行きますし(笑)。
教授の方も、むかしなら休講にした場合、休講のまま放ったらかしできましたけど、(いまは)一年通じて休講した分、あとで補講しないといけないでしょう。
当時は、1/3休講とかもありましたからね。先生たちも評価されるシステムになっちゃって。
大学生というのが、僕らの頃は、あんまり勉強しなくてもよかったんですけど(笑)、そういう中で、学校の出席率も高くなる。就職率が悪いと(世間が)いうから、良い成績をとろうとする。
まぁ、逆にいうと学校でみんな集まるから、集まってからセットとかは行きやすいですね。
一番最初にオープンした店(パオ)は、ある大学の医学部の子がやたら多くて、学生麻雀大会とかだと、うちの店から医学部のペアが三組くらいで、上位独占するんですよ。うちの子たち強かったので。
でも、ひとつの大学は二チームまでっていう規約で足切りになったり。
雀荘の若者離れは、貸卓ではそうでもないと思います。
フリーの方は、うちは(フリー)の学割サービスをやってるんで、データがあるんですけども、五年くらい前がピークでどんどん減ってますね。登録者数がどんどん減ってます。
大学近くの駅前の学生街の雀荘さんに話を聞くと、学生さんの貸卓は結構来てると。京都の麻雀店Pさんとか、近大の麻雀店Pさんとか、あとは阪大の麻雀店Mさんとか、あのあたり、大学生の多い地域なんですけど、学生向けのフリーはもうあきらめたらしいです。セットは来るけど、もうフリーで来る人は、学生はそんなに多くない。つい最近、茨木の麻雀店Dさんも、若い子は来てるけど、フリーでは少ない、と。
もういまはそういう時代ですね。うちでも、学生のメンバーっていうのが、むかしはそれなりに多かったですけど、年々減ってます。
留年とか大学辞めたりとかもザラにいましたけど、いまはもう……。卒業までいてくれたらいいんですけどね。
去年なんかは卒業三人くらいして、今年も卒業まで働くと言っていた子が途中でやめたりとか。
いま、僕が思うには、フリー雀荘に来る人は減りました。麻雀離れ、若者については、まぁどうなんでしょうね。これは、ネット麻雀とも関係があると思いますね。
記者
ありがとうございます。では――
次回は、2月5日更新予定です。