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- 麻雀って こんなにも面白い! 読むとすぐに打ちたくなる 麻雀BOOKレビュー『人工知能は人間を超える| 麻雀AI「NAGA」の鉄戦術』
最高位戦日本プロ麻雀協会の 多喜田翔吾プロが麻雀AI「NAGA」の戦術をわかりやすく解説!
2024年4月に刊行された『人工知能は人間を超える|麻雀AI「NAGA」の鉄戦術』は、最高位戦日本プロ麻雀協会の多喜田翔吾プロが麻雀AI「NAGA」の戦術をまとめた本だ。
麻雀AI「NAGA」はドワンゴ社が開発した麻雀AIで、オンライン対戦麻雀『天鳳』において類いまれなる好成績を残している。また、「NAGA」では牌譜検討サービスをおこなっており、牌譜を入力することで、「NAGA」の膨大な実戦による学習に基づき、その状況に適した打牌を教えてくれる。
なお、「NAGA」のAIは1種類ではなく、プロをモチーフにしたものなど合計5種類があり、それぞれによって選択が変わるのが特徴。本サービスに関しては麻雀愛好家だけでなくトッププロも自身の牌譜検証に活用しており、非常に信頼度の高いものとなっていると言えよう。
ただ、「NAGA」が提示するのはあくまでも推奨打牌や選択だけで、その理由までを教えてくれるわけではない。それを補足するのが、本書のコンセプトとなっている。著者の多喜田プロは自身でネット麻雀を打ち込むのと並行して、「NAGA」についても長年にわたって研究を続けてきた。それに基づいて、「NAGA」が提示する選択の理由を分かりやすく説明してくれているのだ。実際に「NAGA」の推奨打牌を受け入れるだけでは、表面的にAIの回答をなぞっているにすぎない。その理由までをしっかりと理解することで真に自身の雀力向上につながるのであり、本書はそのための大きな助けとなるもの。より自身に落とし込みやすい言葉にしてくれているのは、「NAGA」で麻雀学習をしている人にとってもありがたいだろう。
今日では、将棋や囲碁はすでにAIが凌駕していると言われており、トッププロが自身の研究にAIを活用することは、もはや常識となりつつある。それらの世界と比べると麻雀界はAI活用において遅れをとっていると言えるが、本書をきっかけにそうした分野でもさらなる進展がみられそうだ。ある意味、今後の麻雀界におけるマイルストーンとなるかもしれない一冊である。
■『人工知能は人間を超えるー麻雀AI「NAGA」の鉄戦術』
著者:多喜田翔吾
出版社:鉄人社
発売日:2024年4月25日
定価:1870円(税込)