皆さん、突然ですがご自分の歯はいい状態を保っていますか。普段の生活で、歯を磨くくらいはしていても、歯が痛くなったり詰め物がとれたりしないと、歯医者さんにはなかなか行かないですよね。日本人は高齢になった時の残存歯数が少ないそうです。80歳時点で、スウェーデン・フィンランド・アメリカでは25本、日本は15本だそうです。予防よりも治療が重視されてきた日本ですので、治療技術は高いそうですが、予防についてはあまり意識がないですよね。ですので、日本では歯科検診の受診は50%程度、スウェーデンやアメリカは80%、70%と高く、スウェーデンは1970年に定期健診が義務化され、アメリカでも民間の歯科保険に入っていれば歯科検診は無料になっているそうです。
虫歯や歯周病の予防と早期発見・早期治療のため、日本でも歯科検診が義務化されることになりました。義務化の目的は、国民の健康寿命を延ばすため、そして国の医療費削減のため、だそうです。テレビのCMからも歯周病は怖い、ということが分かりますが、8割の日本人が歯周病にかかっていると言われており、菌が血管内に侵入することで、脳卒中・心筋梗塞・認知症・骨粗しょう症・高血圧・関節リウマチなどを悪化させると言われています。政府が2022年6月に「国民皆歯科検診」の導入を掲げましたが、すでにすべての事業場に2022年1月10日から歯科検診の結果報告が義務化されています。国民皆歯科検診については、2025年から導入に向けて調整されているそうです。私が住んでいる区では、50歳、55歳、60歳などの節目に歯科検診が区の定期健診で受けられるようになっていますので、皆さまがお住まいの市区町村でも定期健診に歯科検診が入ってきているところも増えていると思います。先日、全部自分の歯の95歳の方の面会に行きました。数年入院をしていますが、2週間に1回訪問歯科が入っていていて、口腔ケアがされた後でお口がとてもきれいに保たれていました。最近は在宅や施設で暮らす高齢者の方々の訪問歯科も増え、口腔ケアにより誤嚥性肺炎の予防にもなっているそうです。何も不具合がないから歯医者に行かない時代ではなくなりますね。皆さんも定期的に歯科検診をして自分の歯をずっと保てるようにしていきましょう。