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新式麻雀タクティクス 第11回
- 2017/3/6
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皆さん、こんにちは。最高位戦日本プロ麻雀協会の原周平です。
先日、41期前期C1リーグ最終節が行われ、結果、私は5位で昇級できました! 来期からB2リーグです。今までは半期でしたが、これ以上のリーグになると年間リーグとなります。来期まであと半年は休みになってしまうのですが、その間にまた腕を磨いていい準備をしたいと考えています。
◎麻雀の守備とは
さて、今回のテーマですが、「守備」に焦点を当てた話をしたいと思います。皆さんは麻雀の「守備」というとどんなイメージを持っているでしょうか? おそらく多くの人が「放縦しないこと」を第一に思い浮かべると思います。麻雀で一番失点するのは放縦したときですから、これが守備の一歩目といえるでしょう。しかし、「失点」という言葉に注目するなら、この「失点」を減らすための行為は全般を「守備」と呼ぶことができます。
つまり、一発消しや海底ズラしも立派な守備といえますし、愚形でリーチしないことや反対にリーチで相手をオリに回らせること、また場合によっては1000点の差し込みやアシストだって守備になりえます。麻雀はもちろん自分のアガリが何よりですが、そのアガリが難しいときは、こうして様々なアプローチから「失点回避」を考えるのが守備の基本姿勢といえるでしょう。
ただ、そうはいってもまずは「放縦しないこと」です。他の選択は次回以降紹介するとして、今回は「いかに放縦しないか」という選択について、また牌図を用意したのでご覧いただきたいと思います。
捨て牌A (リーチ)
◎当たる形を考え、安全な順に牌を並べる
たとえば、捨て牌Aでリーチがかかったとして、自分の手が悪いのでオリるとします。一度オリるとなったら、③⑥が間四間で危険だとか、58が裏筋で危ないとか、特に危険な牌をピックアップするのは、どうせ切らないのですから、あまり意味がありません。それよりも大事なのは、やはり切っていく牌について考えることですよね。「何が危険か」ではなく「何がより安全か」という思考で、通る牌から探していきます。
では、たとえば捨て牌Aに対してマンズの一~九の危険度を考えて通りやすい方から順番に並べてみましょう。まず現物の一・五ですね。次に安全なのは二。五を切っているので当たるとすれば二二や一三、あとは単騎待ちですが、序盤に一を切っていることでそれらも可能性は低くなっています。次はやや難しいですが、当たる形を考えると八.九が同程度です。九はカンチャンがないので、当たるなら両面かシャンポン、単純な単騎と、六七八九のノベタンや六六七八の亜両面があります。
種類は多いですが、レアな形が多く、五七八と宣言牌まで持たないだろうという読みからも比較的通しやすい牌です。また八は、スジですが宣言牌のスジで、五七九からの五切りというソバテンの一種が光ります。両面とノベタン、亜両面も否定されているので、当たる形が少ないという意味では安全なのですが、この捨て牌の中で最も引っ張られた牌の関連牌ということで、少し危険な牌となります。
そしてその次は、となるともはやかなりの危険牌なので考えなくていいレベルですが、一応並べるなら、三.四→七→六となります。この中で最もシャンポンが考えられ、カンチャンはなくともペンチャンの可能性があるのが七で、六は両無筋。三。四は同程度に愚形が否定されています。
いかがでしょうか。つまり、警戒すべき形として根幹を成すのはやはり両面やソバテンです。それは打ち手が牌の効率に従ったとき、手牌はそう整えられていくからです。しかし、早いリーチなどあまり手入れがされていない手牌に対しては、愚形やレアケースがどの程度潰れているか考えるのはとても大切です。端牌がなぜ通りやすいかといえばそれは愚形が少ないからです。そして当然両無筋456は二つの候補を一度に押すことになるので危険度が高くなります。
◎関連牌は危険牌
先ほども少し触れましたが、宣言牌のスジには注意が必要です。河には捨て牌Aのようにほぼ待ちが絞り込めない場合と、そこそこ絞り込める場合とがあります。たとえばこれがもう少し手出しが入ってからの五切りリーチで、五が自分から見て四枚見えていたとします。すると、五がリーチ直前まで未完成ターツの関連牌であった可能性は高く、しかもその形は五の枚数から五七九や五七七に絞り込めます。この場合の八はもはやただのスジとはいえません。よく「モロ引っ掛けは汚い」という言葉を耳にしますが、わざわざ「八も警戒されるけどいいよ」といってリーチしているのですから、なかなか堂々としているともいえます。もちろんせっかくオリたのに振り込んだという人は狙い通りしてやられたようで気分はよくないですが、そこは「危険なのは知っていた」ということでクールに振る舞いましょう。
麻雀は「牌の構成上当たりにくい(/やすい)から安全(/危険)」という側面と、「手牌の関連度が低い(/高い)から安全(/危険)」という側面があり、両方のアプローチからその場での目の前の一牌の危険度というのは変わってきます。良い距離感で打てると、狙っていなくとも自然に当たり牌をビタ止めしているときが増えて、守備が楽しくなると思います。