【第20回】麻雀を教えるって、どういうこと? | 麻雀新聞

【第20回】麻雀を教えるって、どういうこと?

麻雀を教えるって、どういうこと?

「麻雀を楽しくスムーズに覚えてもらうためにはどうすれば?」

 回の最後に、こんな質問が出たらどうしましょうか? といった問題を出しました。覚えていますか?

 「先生!30符2翻は2000点で、40符2翻は2600点なのに、70符2翻は4500点って書いてありますよ〜? なんで?」
 「30符1翻は1000点で、30符2翻は2000点なのに、何故30符3翻は3900点なのですか?」

 こんな質問だったと思います。
 点数計算表を目にして、30符のラインの、1000→2000→3900→7700の部分に違和感を覚える人は多いですよね。麻雀を数多く打っている方や、ベテランの方でも、この部分が何故このようになっているかはご存じない方も多いと思います。
 まずはこの部分の説明をザックリとしたいと思います。
 大切なことは、あくまで《ザックリ》と伝えることですね。難しいことをこの段階で伝えてしまうと、生徒さんは点数計算に嫌悪感を抱いてしまいます。
 それでも伝えなければならないことだってあるのです。難しいことは伝えずに伝えなければいけないこととは何か?

 それはこの2つです。

 【30符1翻の1000点は、実は960点】ということ。
 【960点を切り上げて1000点】になっているのだということ。

 この2つについてしっかりと伝えることが大切です。
 この部分については、伝え方は様々だと思います。ザックリと口頭だけで伝えるのでも良いし、数式を立てて計算するところを見せて、どのような仕組みで点数を計算していくのかを見せるのも良いでしょうね。

 私の場合は、ホワイトボードに数式を書いて簡単に説明する方法を取っています。

 【子の30符1翻の場合】
 30×4×2×2×2=960→1000
 【親の30符1翻の場合】
 30×6×2×2×2=1440→1500

 この2つを例として書き出します。
 ここでは詳しい説明は要りません。しかし、ここでも必ず伝えなければならないことが2つ。

 1つ目は、【麻雀の点数計算では、十の位を必ず繰り上げる】ということ。
 もう1つは、【子の場合に掛ける4と、親の場合に掛ける6の数字の意味】です。

 1つ目の【十の位を必ず繰り上げる】ということに関しては、簡単な説明でご理解頂けると思うのですが、もう1つの方はちゃんと説明する必要があると思っています。
 この『4』と『6』は【ヤオアル】と【イーチャパオ】の説明の際に出てきた数字だったということを改めて伝える必要があるのです。
 この『4』と『6』は、親が6もらう時に子が4もらう関係でしたね。
 わかりやすくもう一度説明してみましょう。『子のツモアガリの時、子が○支払う時、親は倍の○○支払う』『親のツモアガリの時、子は○○支払う』という関係ですね。これが【ヤオアル】でした。(別表Ⓐ参照)
 【イーチャパオ】は、『ロンアガリの時には放銃した人が1人で支払う』ということでしたね。

 つまり、ツモアガリの場合の支払いは子が○ずつ、親は○○ですから、子に放銃した場合は合計4個分の○を支払うということになりますね。
 親に放銃した場合は、ツモアガリの場合の支払いは子がそれぞれ○○ずつということですから、○○×3人分で合計6個分の○を支払うということです。
 ここに出てくる『4』と『6』が、点数を計算する時に必要で大切な数字となるのです。
 これで【ヤオアル】と【イーチャパオ】が点数計算においてとても重要な役割を示しているということがご理解頂けたかなと思いますが如何でしょうか。
 この説明を理解して頂ければ、もう1つの問題についても簡単に説明出来ると思います。

「先生! 30符2翻は2000点で、40符2翻は2600点なのに、70符2翻は4500点って書いてありますよ〜? なんで?」

 こんな質問でしたよね。

 2000点と2600点を足したら4600点になってしまうのに、点数計算表には4500点となっている理由を考えればいいのです。

 これは、

 【30符2翻の場合】
 30×4×2×2×2×2=1920→2000
 【40符2翻の場合】
 40×4×2×2×2×2=2560→2600

 となることは先程の説明からもご理解頂けるはずです。
 これを見れば一目瞭然ですよね。
 2000点と2600点を足すのではなくて、1920点と2560点を足すのだから、合計は4480点。これを繰り上げて4500点となるというわけです。つまり、1920点を繰り上げた分の80点と、2560点を繰り上げた分の40点を、それぞれ繰り上げているので、100点分多くなってしまうというわけです。これで100点合わない理由はご理解してもらえるはずです。まぁこんな難しいことをしなくても、符の部分に70を入れて計算すれば、

 【70符2翻の場合】70×4×2×2×2×2=4480→4500

 と正解が導き出されてしまうのですけどね。
 これも、ちょっと鋭い方であれば簡単に気が付いてしまう部分です。となると、点数計算を解くカギとなるモノが何か、この時点で気が付く方もいらっしゃるでしょう。そう、『符』なんですね。そうなると、この『符』を導き出すためにはどうしたらいいのか知りたくなるのです。
 ここでようやく、『符』を導き出す公式をお伝えすることになるのです。

 【符】を導き出す公式は、 (基本点)+(メンツの形)+(待ちの形)+(雀頭の形)+(ボーナス点)
 これが『符』を導き出す公式です。これだけ見ても、初めて見る生徒さんとしては何のことを言っているかまったくわかりません。
 それぞれについて詳しく説明をしていきたいのですけど……今回はここまで。次回は「符』計算の公式について詳しく説明していきたいと思います。

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PROFILE
麻雀店経営にも携わる現役麻雀講師。
麻雀プレイヤーとしての顔も持つ。
その歯に衣着せぬ発言は麻雀を愛するがゆえ。

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