近隣商業地域内ではキャバレーやダンスホール等の施設は作れない
- 2013/12/10
- 麻雀コラム
「埼玉県の小さな駅前商店街でキャバクラを始めたんですけれど、警察に許可を取るようにと言われ、お願いしたいんですが…」と許可申請依頼がありました。
実はすでに深夜酒類提供飲食店の届出を行ない営業していたところ、キャバクラ営業を行なっていたため、所轄警察署から風俗営業第2号の営業許可を取るようにと指導があったようです。
依頼者の大野君は平成生まれのジャニーズ系の若者。イケイケの彼は町の至る処に“すて看”をばらまき、警察の目に触れてしまったようです。もちろんすて看は違法。大野君曰く「目立たなくちゃ客も来ないし…」。客にも目立ったようですが、警察にも目立ちすぎたようです。
ともあれ申請作業に取りかかろうとしたところ…困ったことに店のある場所は「近隣商業地域」だったのです。何が問題かと言うと、埼玉県内の警察署では近隣商業地域内でのバーやクラブの申請を受け付けていない実態があるからです。風適法では商業地域よりも規制は厳しくなりますが、近隣商業地域でも規定距離内に保護対象施設がなければ許可は出ることになっています。もちろん東京都内では近隣商業地域でのバーやクラブの許可は出ています。
それではなぜ、埼玉県内では申請が難しいかというと、別法律の都市計画法と建築基準法では用途地域による建築物の用途制限があり、近隣商業地域内ではキャバレーやダンスホール等の施設は作れないことになっているからです。埼玉県警の判断は他法令の違反が分かっている場合には、積極的には風俗営業許可申請は受けられないというような判断をしているようです。これに対し警視庁の考えは、風適法の基準を優先し許可の判断をしているようです。このような解釈の違いで埼玉県のバーやクラブの申請は難しくなっています。
無許可は違反だし、申請ができなければ許可も取れないし、大野君は困り果てていました。それでも交渉はしてみるものです。市や県の建築指導課に問い合わせをし、県警にも相談した結果、一定の条件で申請を受け付けてくれることになりました。何事も真摯に向き合えば良い結果も出るという例かも知れません。