麻雀を教えるって、どういうこと? 第1回 | 麻雀新聞

麻雀を教えるって、どういうこと? 第1回

麻雀を教えるって、どういうこと?

それは人それぞれ考え方が違うものだと思います。
「麻雀が打てるようになればいい」。
「麻雀のルールを覚えればいい」。
「麻雀が強くなればいい」。
このようにいろいろな考えがあると私は思います。
これらのすべてはもちろん間違っていませんし、麻雀を教えるということの大切な要素のひとつであることに違いありません。
麻雀教室を初めて受講される方にアンケートを取っても、これらのご意見は多々ありますから、どうしてもそのようなことに主眼を置いての指導になりがちなのが「麻雀教室」と思います。

しかし、本来私たちが麻雀を教えるということで一番大切なことは、
【生涯麻雀を楽しんでもらえるようにすること】
そして同時に、
【ひとりでも多くの人に麻雀の楽しさを伝えること】
だと思うのです。

これらをすべて含めた上で、どのように麻雀を教えるのか?ということが麻雀教室の課題であり、講師の課題でもあると考えています。
そしてそれをクリアすることが麻雀全体の普及につながり、ひいては麻雀の社会的地位の向上にも繋がるのです。
ですから、目の前の一人ひとりの生徒さんの喜びは、ゆっくりと時間をかけてですが、麻雀を取り巻くすべての環境の喜びにつながってくるのです。
そのような使命感を持って取り組む仕事。それが麻雀教室であり、麻雀教室の講師の仕事なのです。

麻雀教室を始めたいのだけれど?

麻雀店を経営している方なら誰でも一度は考える『麻雀教室の開講』ですが、麻雀を初めて「覚えよう」「学ぼう」と考える方々と、私たちのように日々麻雀と向き合って生活している者とのギャップを頭の中に入れておかなければなりません。
麻雀を初めて覚えようという方々にとっての最初の障害は、「麻雀のイメージ」です。
麻雀が脳の活性化に良いという情報が頭に入ってきても、実際に麻雀を覚えようとすると以前からの悪いイメージが先行するはずなのです。
いくら、「飲まない、吸わない、賭けない」と謳っても、やはり実際に麻雀店に足を運ぶことには抵抗があるはずですから。
喫煙されない方はわかると思いますが、日常的に喫煙が行われている場所に足を運ぶと、喫煙している方がいなくてもたばこの臭いが気になるものですよね。麻雀店において喫煙は避けては通れないことですから、もし麻雀店において『麻雀教室』を開講されるのでしたら、出来れば禁煙フロアを、最低でも分煙の上、禁煙スペースにおいての開講が最低条件だと思います。
とはいっても、私は麻雀店での麻雀教室の開講には反対の立場です(完全禁煙フロアでの開講ならギリギリOKなのですが…)。
やはり麻雀を知らない方々にとって麻雀店は未知の世界であり、敷居が高い場所でもあります。それだけに、麻雀を始める方の目線に立って麻雀教室を開講するならば、カルチャースクールや公共の場所のような安心して入れる場所での開講を目指すべきです。その上で、麻雀に慣れ、次のステップでの講義を行うのであれば、環境の整った麻雀店での開講が望ましいと思います。

麻雀を教えるスキルを持った講師?

麻雀をビジネスとして捉えるのならば、麻雀卓と麻雀牌さえあれば誰にでも麻雀教室の開講は出来るはずです。
麻雀を打てる環境さえ整えてしまえば、後は生徒さんに麻雀を打ってもらえればいい…と考える方もいるでしょう。しかし、それではダメなのです。
麻雀教室を開講するに当たっては、講師もそれなりのスキルを持っていなければならない時代になっています。
講師のライセンスには色々なモノがありますが、ライセンスを持っているからOKというわけにはいきません。競合する麻雀教室が近隣にある場合、教室を選ぶ材料のひとつに講師の良し悪しが判断材料になる時代に突入したと私は思っています。
数ある趣味や講義の中から、わざわざ時間とお金を使って麻雀を選んで頂いているのですから、なるべくクオリティーの高い教室に通いたいでしょうし、生徒さん同士が仲良く麻雀が出来るような環境を整えることが出来る講師が望まれるはずです。
ですから、麻雀を教えるスキルが高い講師や雰囲気やムード作りが上手な講師が人気になるのは事実です。麻雀が強いから…というだけで麻雀教室の講師が務まる時代はもうとっくに終わってしまったと考えてよいでしょう。

生徒さん側の立場に立って考えてみる?

麻雀というゲームの性質上、必ず勝つ人と負ける人が出てきます。アガる人がいれば放銃する人もいるわけです。どうしてもその結果ばかりに生徒さんとしては目がいってしまい、本来の目的である「麻雀を楽しむ」ということから外れていってしまうことが多々あります。最初のうちは、知識も技術も個人差があり、それが結果に直結してしまうことが多いので、どうしてもアガれなかったり、勝てない生徒さんの劣等感が増えていってしまう傾向にあります。
そんな時に、テンパイ形を褒めてあげたり、過程を褒めてあげたりすることで、麻雀はアガることだけのゲームじゃないんだということを伝えてあげる必要があると思うのです。結果として、講師の先生に褒めてもらう事が喜びになってくれたら一番です。麻雀教室に通うことが楽しいものだと生徒さんに思って頂くために、講師側が何をするのか?が大切なことだと思うのです。

ビジネスとしての麻雀教室って?

麻雀教室にとっての商品はまぎれもなく【麻雀】です。
それでは、麻雀教室にとって麻雀を打つ環境さえあれば良いのでしょうか?
答えは否です。
教室を受講してくださる生徒さんたちにとって、より良い環境を整えることは前記したように必須条件です。
それは生徒さんが気持ちよく麻雀を打てる設備だったり、生徒さん同士が楽しく円滑に麻雀を打つための人間関係を上手に作ることのできる講師の存在であったり、さらには講師自身がスキルアップして、麻雀にもっと興味を持ってもらえるようなカリキュラム作りをしたり、そういった準備や努力をして初めて受講してくれる生徒さんが増えていくのです。
麻雀教室を訪れる生徒さんの大多数は女性です。普段麻雀店に出入りしているお客様たちとは少し毛色が違うのも事実です。教室の評判が良ければ口コミでどんどん生徒さんが増えますが、逆に悪い噂が広がれば一気に生徒さんが減ってしまうのです。
そういった側面を踏まえて、麻雀教室を受講してくださる方にとって良い教室を創り上げていくことが先決で、ビジネスとしてすぐに利益を求めるのは少し難しいものであると考えます。
平日昼間のアイドルタイムに、空いている麻雀卓を使って麻雀教室を開講しよう…と考えることは簡単なことです。

しかし、麻雀教室に生徒さんを集めることはかなり大変なことであり、継続させることはもっと大変であると理解した上で開講しなければなりません。さらには、講師を担当する方のスキルアップは必須であり、人気講師になるためにはかなりの努力が必要であるということをここに明記しておきます。
それらを踏まえた上で麻雀教室を開講しないと継続性は望めないと思いますし、立ち上げることよりも辞めることの方がエネルギーを使うことを考えると、相当の覚悟を持って麻雀教室事業に携わってほしいと私は願っています。

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