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【第21回】麻雀を教えるって、どういうこと?
- 2018/6/14
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麻雀を教えるって、どういうこと?
「麻雀を楽しくスムーズに覚えてもらうためにはどうすれば?」
点数計算の説明を進めてきましたが、前回ようやく【符】を導き出す公式のお話をしましたね。ここからようやく点数計算についての説明らしくなってきますよ。
【符】を導き出す公式は、(基本点)+(メンツの形)+(待ちの形)+(雀頭の形)+(ボーナス点)
それではそれぞれの部分について、少しずつ丁寧に説明していきたいと思います。
まずは最初の【基本点】の部分です。この基本点ですが、麻雀用語では【副底】(フーテイ)と言います。【副底】は基本、どんな手においても《20符》となります。この《20符》をベースに、【符】の計算に入るんですね。この【副底】20符に、色々な要素をプラスしていくわけです。
次は【メンツの形】ですが、この部分は一番複雑で難しい部分です。本来は先に伝えるべきなのかもしれないのですが、最初の説明では簡単な説明に留めます。その説明は、「【符】は形の難しさである」ということです。【符】は形の難しさの単位を表す単位でしたよね。
『メンツ』には『順子(シュンツ)』、『刻子(コーツ)』、『槓子(カンツ)』、この3種類の『メンツ』があったことをこのタイミングで復習します。そして生徒さんに質問するのです。
「メンツには3種類のメンツがありましたが、この3種類のメンツの中で、一番作りやすいメンツは何ですか?」
この質問は簡単ですよね。そう、一番簡単な『メンツ』は『順子(シュンツ)』です。【符】は形の難しさである、ということですから、【メンツの形】の中で一番簡単なメンツである『順子(シュンツ)』には符がつかない、つまり「順子(シュンツ)は0符」ということになります。残りのメンツである、『刻子(コーツ)』と『槓子(カンツ)』は『順子(順子)』に比べると形を作るのが難しいですよね。ですから『刻子(コーツ)』と『槓子(カンツ)』には【符】がつくのですが、ここでは「順子(シュンツ)は0符、それ以外のメンツには符がつく」という説明に留めておきます。その理由は後程わかるのですが、この段階ではわかりやすく説明することに重点を置くためにここまでの説明にしておきます。
次に説明するのは、【待ちの形】です。ここで、待ちの形についての復習をします。【待ちの形】には5種類の形がありましたね。
- リャンメン待ち
- ペンチャン待ち
- カンチャン待ち
- 単騎待ち
- シャンポン待ち
こちらの5種類です。「【符】は形の難しさである」ということでしたから、まずはこの中で一番アガりやすい《待ち》は何なのかを考えてみましょう。この中で一番アガりやすい待ちは『リャンメン待ち』ですよね。
『リャンメン待ち』の待ちの枚数は2種8枚なのに対し、『ペンチャン待ち』・『カンチャン待ち』の待ちの枚数は1種4枚、『単騎待ち』の待ちの枚数は1種3枚、『シャンポン待ち』の待ちの枚数は2種4枚ですから、圧倒的に『リャンメン待ち』がアガりやすい待ちだということになりますね。ということはつまり、『リャンメン待ち』はアガりやすい待ちであるから【符】がつかないということになりますね。ここでは「リャンメン待ちは0符」と覚えてもらいます。次に、『ペンチャン待ち』、『カンチャン待ち』、『単騎待ち』の3種類の《待ち》について考えていきたいと思います。先程お話しした通り、『リャンメン待ち』の待ちの枚数は2種8枚なのに対し、『ペンチャン待ち』・『カンチャン待ち』の待ちの枚数は1種4枚、『単騎待ち』の待ちの枚数は1種3枚、『シャンポン待ち』の待ちの枚数は2種4枚ですから、『リャンメン待ち』に比べると圧倒的に難しいことがわかるのですが、ここでは生徒さんにご理解して頂きやすいように簡単にお伝えすることにします。それは、「リャンメン待ちは待ちが2種類あるから0符、ペンチャン待ち・カンチャン待ち・単騎待ちは待ちが1種類だから【符】がつく」ということです。簡単ですよね。それでは、その『ペンチャン待ち』、『カンチャン待ち』、『単騎待ち』3種類の《待ち》にはいったいどれくらいの【符】がつくのか、生徒さんに考えてもらいたいと思います。この段階で出てきた【符】の数字は【副底】の20符、そ
れから『順子』の0符、『リャンメン待ち』の0符です。ここでは、5符? 10符? 20符? いろいろな数字が出てくるはずです。【符】についての知識がまったく無い生徒さんに対しての質問になりますから、生徒さんにはきっと何符になるのかは想像つかないと思います。答えをいろいろ想像してもらった後、正解を伝えるのです。
「ペンチャン待ち・カンチャン待ち・単騎待ちは待ちが1種類だから待ちに《2符》つく」
次は『シャンポン待ち』なのですが、『シャンポン待ち』は2種4枚と待ちの枚数は少なく、実際には決してアガりやすい待ちではないですよね。しかし【符】の考え方は、待ちの枚数ではなく種類の数によって判断します。『ペンチャン待ち』・『カンチャン待ち』・『単騎待ち』の3種類の《待ち》は1種類しか待ちがないために《2符》つくのですが、『シャンポン待ち』は2種類《待ち》があるために【符】がつかないのですね。『シャンポン待ち』は0符ということになります。整理してみますと、
- リャンメン待ち…0符
- ペンチャン待ち…2符
- カンチャン待ち…2符
- 単騎待ち…2符
- シャンポン待ち…0符
ということになります。待ちが1種類の場合には《2符》で、待ちが2種類の場合は《0符》とお伝えすると覚えやすいかもしれませんね。
次は【雀頭の形】です。【雀頭の形】には2つの違いしかないのでとてもわかりやすいのです。その違いは『役牌の雀頭』と『役牌以外の雀頭』です。まずは『役牌の雀頭』について考えてみます。《役牌》は、3枚揃えると【役】となる牌でしたよね。三元牌と場風牌、自風牌が《役牌》に当たります。3枚揃えると【役】になるのに、2枚だったというのって……ちょっと惜しくないですか? その「惜しかったよボーナス」として、『役牌の雀頭』には《2符》もらえるのですよとお伝えすると非常にわかりやすいかもしれません。ということは、『役牌以外の雀頭』には【符】がつかないことになりますから0符ということになります。
そして最後は、【ボーナス点】ということになります。このボーナス点というのは、【ツモ符】と【門前加符】の2つです。それではそれぞれについて丁寧に説明していきましょう。麻雀のアガリ方には《ツモ》と《ロン》の2種類のアガリ方がありましたよね。自分で持ってきた牌でアガるのが《ツモ》、他の人が切った牌でアガるのが《ロン》でした。この《ツモ》と《ロン》、どちらの方が難しいのでしょうか?
正解は《ツモ》ですね。《ツモ》でアガる方が難しいのですから、ツモってアガった場合には【ツモ符】というボーナス点をあげましょう、というのが【ツモ符】の考え方です。その【ツモ符】は、ここまでの【符】と同様に《2符》もらえます。ここで気をつけなければならないことがあります。ツモってアガっても、【ツモ符】をもらえないケースが2パターンあるということです。1つ目は『嶺上開花』です。『嶺上開花』は、槓をした際に、嶺上牌からツモってきた牌でツモアガリした時の役ですね。『嶺上開花』自体がボーナスのような役なのですから、【ツモ符】の特典を受けられないと覚えておくと良いでしょう。もう1つは『平和ツモ』です。以前『平和』をお伝えした時に、『平和』という役は点数計算の講義をすると一言で説明が出来るようになると言っていたことを覚えていますか?
『平和』というのは「符の無いアガリ」という意味なのですね。『平和』の4つの条件を覚えていますか?
- すべてのメンツが順子である。
- 待ちがリャンメンである。
- 雀頭が役牌以外である。
- 門前である。
この4つの条件でしたね。ここで、ホワイトボードや黒板に書きだした点数計算の公式を確認してみます(※別表Ⓐ参照)。
この4つの条件すべてにおいて、【符】が0符であることに気が付きますよね。つまり『平和』というのは「符の無いアガリ」ということになるのです。しかし、「符の無いアガリ」である『平和』であるのに、【ツモ符】が付くのっておかしくないですか? と。ですから、『平和ツモ』になった時だけ特例で、20符のラインにて計算するのですよと、以前お配りしたプリントを用いて説明するのです(※別表:点数早見表①参照)。
続いての【門前加符】ですが、長くなってきましたので続きは次回に。
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PROFILE
麻雀店経営にも携わる現役麻雀講師。
麻雀プレイヤーとしての顔も持つ。
その歯に衣着せぬ発言は麻雀を愛するがゆえ。