いきいき人生 vol.50
マージャンを愛してやまないシルバー世代に贈る
こころすこやかに生きるためのささやかな処方箋
自分のためにも日本の将来のためにも自分自身で健康増進のための努力をしていきましょう!
今年も確定申告の時期がやってきます。申告義務がある方や申告をすれば税金が還付される方にとっては、確定申告をするための準備をしなくてはなりませんね。私もこの時期がくるとちょっと憂鬱になります(笑)。
ところで、皆さんは「スイッチOTC薬控除」をご存知でしょうか。年間12000円を超えるスイッチOTC医薬品を購入した人が医療費控除の特例を受けられる制度なのです。その医薬品を3万円分購入した人の控除額は18000円。還付金の目安は、所得税率が10%の人だと1800円、20%の人だと3600円となります。
ではどんな医薬品が対象になるのでしょう。スイッチOTC医薬品とは、従来は医師の処方せんが必要だった医療用医薬品の中から、副作用が少なく、実績があり、薬局で購入できるように一般用医薬品等に転用された胃腸薬、鎮痛剤などです。今年から箱に表示させるそうですので、薬を購入する際に表示があるものの領収書はとっておくようにしてください。家族で領収書をまとめておいて、税率が高い人が控除を受けることができますが、この控除を利用できる人には要件があります。特定健康診査、定期健康診断、予防接種、がん検診、健康診査を受けて病気の予防や健康増進に取り組んでいる人限定ですが、従来からある医療費控除との併用はできません。家族で買った医薬品が年間12000円を超えそうな方は、どの医薬品が対象になるか把握して、まとめておくことをお勧めします。
では、なぜこんな制度ができたのでしょうか。皆さんもご存知かと思いますが、日本は社会保障費が毎年増加する一方です。すでに医療費への予算投入を抑制しながら、自己負担を増やす政策が打ち出されていますが、健康増進のための努力をしている国民を優遇するということで、病院やクリニックに行かず、薬局で市販薬を買った人の税金を優遇して医療費削減に協力的な人を増やそうとしているのだそうです。
一人ひとりが健康を維持しながら、毎月処方させる薬がある方も医師と相談しながら、薬を減らす努力もしていく時代なのですね。
私は重い腰をあげてクリニックで降圧剤をもらうようになりましたが「これから薬を減らしていきましょう、それが治療ですよ。」と言われ、なるほど! と思いました。
text by 中野千津香
行政書士。2004 年「なかの千津香行政書士事務所開業。
介護福祉士、アロマの資格を持ち、相続・遺言・成年後見など高齢者関係の中心の仕事をメインとしている。
http://nakano-office.net