Special Interview 麻雀プロになるために海を渡った男「ニコラス(日本プロ麻雀協会)」
- 2024/7/10
- 未分類
麻雀プロになるために南米はアルゼンチンから来日したのが、今回お話をお伺いしたニコラスプロ(日本プロ麻雀協会所属)。
現在は、結婚を機に日本国籍を取得し、関西を拠点にリモートでIT企業に在職しながら、さまざまな麻雀大会やイベントで全国を飛び回り、麻雀講師としても活動して麻雀の普及活動につとめている。
また、英語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語・イタリア語・日本語など5カ国語以上の言語を操って日本麻雀を世界に紹介。世界中の麻雀プレイヤーを繋ぎ、グローバルな麻雀競技団体の結成を目指している。
今回はニコラスプロのこれまでの道のりや現在の活動状況についてお話いただいた。
(編集)本日はよろしくお願いいたします。
(ニコラス)こちらこそよろしくお願いいたします。
(編集)アルゼンチンはブエノスアイレス出身だそうですが、日本語や麻雀と出会うきっかけは?
(ニコラス)もともと日本の音楽やゲーム・アニメが好きで、そういったものを訳したいと思って、11歳ぐらいから日本語の勉強を始めました。そんな時に、中国人の友人とかが麻雀をやっているみたいな話を聞いて興味を持ち、最初は少しずつ自分で覚えていきました。2009年くらいからは『天鳳』や『雀龍門』などのネット麻雀を始めました。
(編集)その頃のエピソードにはどんなことがありますか?
(ニコラス)インターネットのアニメ系の掲示板に「アルゼンチン麻雀部」という麻雀のスレッドを立ち上げると、世界のいろんな人が入ってきてくれましたね。当時は、日本の麻雀牌が手に入らなかったので、チャイナタウンに行って中国の大きな麻雀牌を手に入れて、仲間と手積みで日本式のリアル麻雀もやっていました。まだ、見たこともない触ったこともない全自動麻雀卓というものが日本にはあるというので、友人と盛り上がっていたことを思い出しますね。
(編集)初めて全自動卓に触ったのは?
(ニコラス)19歳の時に初めて日本に来て3カ月くらい滞在した時ですね。麻雀店にも初めて入って、憧れの全自動麻雀卓で初めて麻雀を打ちました。店内もすごく綺麗で、ドリンクもフリードリンクで、とても驚きましたね。
(編集)そして、麻雀プロを目指して来日ということになるのですが、これを決心した動機はどんなことだったんでしょうか?
(ニコラス)自分はある物事に興味を持つとのめりこむんですが、すぐ飽きてしまうようなところがあったんですが、麻雀だけは飽きずに続いたんですね。そして麻雀が上達したいという思いも募り、その気持ちをあきらめきれなかった。それならば日本に行って麻雀プロに挑戦してみようと思い、2016年に来日しました。
(編集)そして2017年に日本プロ麻雀協会の試験に合格し、念願の麻雀プロとなりましたね。
(ニコラス)そうですね。最初に日本に来た時、大阪でたくさん知り合いができたんですが、その中に日本プロ麻雀協会の選手が多くいたこともあって日本プロ麻雀協会を選びましたし、大阪に住んで活動することも決めました。
(編集)現在の活動状況を教えていただけますか?
(ニコラス)関西を中心として全国の大会やイベントに参加するほか、麻雀教室で講師をつとめています。この間は子供麻雀教室にも参加してきました。また、オンラインで海外の方向けに麻雀のコーチングもしています。質問に答えたり、送っていただいた牌譜を検討しています。現在は、ネットがあるので海外の方たちが麻雀を覚えるためのツールやコンテンツは十分にあるのですが、戦略や戦術が学べるツールやコンテンツはまだまだ不足しています。世界の打ち手はこのような情報に飢えているので、この辺をしっかりフォローできるようなシステムを確立していくことが課題ですね。
(編集)今、ちょうどお話が出ましたが、海外の麻雀愛好者との交流も多いようですね。
(ニコラス)そうですね。「ニューヨーク麻雀部」との土田浩翔プロの麻雀講座配信をプロデュースしたり、昨年10月には「アルゼンチン麻雀部」から麻雀プロとしてゲストに呼ばれてアルゼンチンに帰国し、大会や質問コーナーなどを行ってきました。このように今後も世界の麻雀をつないでいく活動を続けて、麻雀の打ち手を増やし、世界の麻雀を盛り上げていきたいと考えています。
(編集)そんなニコラスさんをここまで惹きつける麻雀の魅力というものはどういうところでしょうか?
(ニコラス)麻雀には決まった打ち方やルールがあるわけでなく、自由度高くいろんなスタイルで、自分を表現できるスペースがあります。そんなふうに麻雀にはいろんな面があって、各々が自分で面白いところを見つけてずっと楽しんでいくことができます。また、人生についても麻雀が教えてくれることはとても多いです。例えば、麻雀はとても理不尽なことが起きるゲームですが、そのような結果は関係なく、いつでも最善を尽くし続けることが大切であることを教えてくれます。そういった意味では麻雀はメンタルを鍛えてくれるものでもあります。
(編集)ニコラスさんの麻雀スタイルは?
(ニコラス)基本的には「ゲーム参加型」でしょうか。だって、麻雀を楽しむために来てるんだから、厳しい手牌や局面においても、なんとか自分のできることを考えて、ゲームに参加していこうと思考しますね。あと、最近は自分のブームとして「メンゼン高打点型」に傾いてますかね。
(編集)それでは最後に今後の目標などについて教えてください。
(ニコラス)先ほどもお話したように、麻雀をツールとして世界の麻雀愛好者をつなげ、グローバルな麻雀競技団体・友好団体をぜひ作ってみたいと思っています。
(編集)本日はありがとうございました。
(ニコラス)こちらこそありがとうございました。
■ニコラス・プロフィール
アルゼンチン・ブエノスアイレス出身。
2016年麻雀プロを目指し来日。2017年日本プロ麻雀協会の試験に合格し入会。
5カ国語以上の言語を駆使して、関西から世界の麻雀文化を盛り上げる!
目指すは南米出身初のMリーガー!