麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」第7回 望月雅継(日本プロ麻雀連盟) | 麻雀新聞

麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」第7回 望月雅継(日本プロ麻雀連盟)

大好評連載「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」。

こちらのコーナーを担当するのは、日本プロ麻雀連盟の望月雅継プロ。

第7回目の今回のテーマも前回に引き続き、『麻雀のマナーについて』です。

 

■【牌品高】(パイピンカオ)とは!?

(編集部)今回は『麻雀のマナーについて』の3回目となります。前回は麻雀プロの存在が全体的なマナー向上のためのキッカケになる可能性があるとのお話でしたが、今回はマナーについてどのようなお話をして頂けるのでしょうか?

(望月)今回は皆さんがマナー良く対局出来るような、具体的な方向性を示せれば、と思っております。

(編集部)それではよろしくお願いします。

(望月)よろしくお願いします! さて、前回は麻雀プロが一般の麻雀ファンの皆さんの模範となるようなプレイを見せたり、何がマナー違反で何が良いマナーなのかを見せることで、皆さんがマナー良く対局出来るような道標になれば良いのではないか、というようなお話をさせていただきました。

(編集部)そうですね。

(望月)それを受けて、皆さんがどういった点に気をつけてプレイすれば良いか?ということですが、これはひとつの言葉で解決できると私は考えています。それは、

【牌品高】(パイピンカオ)

という言葉です。私が一番最初にこの【牌品高】という言葉を目にしたのは、私が所属する日本プロ麻雀連盟の灘麻太郎プロに頂いた色紙に書かれたものでした。その後、何人もの麻雀プロの先輩方からこの【牌品高】についてのお話を伺い、麻雀においてこの言葉は本当に大切で大事なモノだと感じたのです。

(編集部)なるほど。それでは牌品高について詳しく聞かせてください。

(望月)【牌品高】とは、

◎牌を含めた麻雀道具を大切にし、

◎自分の手牌を大切にし、

◎自分の河を大切にし、

◎相手を敬い対局をすること

です。「品の良い麻雀を」というと堅苦しく感じますが、ひとつひとつについて考えていくと、この【牌品高】という言葉がマナー良く対局するためのすべてを表していると言っても過言ではないと考えているのです。それでは深く掘り下げていきたいと思います。

(編集部)よろしくお願いします!

(望月)まずは、

◎牌を含めた麻雀道具を大切にする

こちらについて考えていきたいと思います。どんな競技の選手でも、自分が使用する道具は大切に扱っていると伺っています。麻雀で使用する道具は麻雀牌だけでなく、麻雀卓や点棒、椅子やサイドテーブルなど、付属品も含めたすべての取り扱いや手入れなど、普段から大事にすることが大切ですよね。

(編集部)そう思います。

(望月)私は長年麻雀店を経営していましたから、道具は特に大切に扱っています。普段麻雀をされる皆さんは、お家で楽しまれる方もお店で楽しまれる方もいらっしゃると思いますが、どちらにしても使った道具の取り扱いを大切にすることを意識するところから始めると良いと思います。

(編集部)具体的にはどのようなことでしょうか?

(望月)ちょっとしたことで良いんです。使った点棒やチップは揃えてから席を立つ、だとか、サイドテーブルを軽く片付けてから帰るだとか、道具を使わせてもらったことに感謝することが大切だと思うのです。麻雀は牌も卓も無いとゲームが出来ないですからね。

(編集部)なるほど。今まであまり深く考えたことがなかったと言う方も多いかもしれませんね。

(望月)そのように道具のありがたさを感じると、プレイ中の所作や動作も変わってくると思うんですよね。

(編集部)どのように変わるんですか?

(望月)例えば、牌や点棒の扱い方が変わると思うんです。強打をすると、牌も卓も痛みます。麻雀牌って意外とデリケートで、気温や湿度によって牌が微妙に伸縮するんですよね。強打するとその衝撃で牌が欠けたり割れたりする恐れもあるんですよ。点棒も同様です。卓も同じで、ラシャに傷がついたり卓が割れたりするケースもありますから、やはり丁寧に扱うべきだと思います。丁寧な摸打や点棒の受け渡しをすることを心がけると、受け手の対局者も気持ちいいと思うんですよね。対局者4人ともに丁寧な所作になれば、麻雀の結果以外で嫌な思いをすることが減ると思うのですよ。結果、マナー良い対局に繋がるのではないかと私は考えます。

(編集部)確かにそうですね!強打や点棒の投げ渡しがマナ悪だと思うことも多いと思いますし。

(望月)そういった細かな心配りがマナー向上に繋がると思うんです。それでは次にいきましょう。続いては、

◎自分の手牌を大切にする

こちらについて考えていきましょう。自分自身の手牌を大切にするのは当然だと思う方が多いとは思いますが、果たして毎回大切に扱えているでしょうか?

(編集部)どうでしょうか? 皆さん毎回楽しく麻雀と向き合っていると感じますが…。

(望月)配牌が悪かったりすると、「この手はアガれないからどうでもいいや」なんて、投げやりな気持ちで対局してたりしませんか?

(編集部)あっ、なるほど! 良い配牌が来るとワクワクしますが、あまり良くない配牌だったり、ツモが悪かったりすると「チェッ」って思ったりするかもしれません…。

(望月)そうですよね。人間ですから、手が良かったら嬉しいし、配牌やツモが悪かったらガッカリしてしまうのが普通です。それでも、自分のところにやってきてくれた配牌やツモを大切に扱ってあげるのが良いと思うんです。アガれないかもしれないし、テンパイすらしないかもしれません。それでも、与えられた配牌やツモに全力で向き合って、自分が出来ることをする、というのが大切だと思うんですよ。もう二度と巡りあうことのない手にも真摯に向き合うことで、次の機会がやってくると考えてもいいんじゃないでしょうか。配牌やツモが悪いと、どうしても態度に出がちです。《盆面が悪い》なんて言われる時は、上手くいっていない時や配牌が悪い時が多いです。マナー良く対局するためにも、どんな配牌やツモでも同じように大切に扱うことで、自然とマナー良く対局出来ると思いますよ。

(編集部)なるほど! 周りも自分も気持ち良く麻雀するために、自分の手牌を大切にするということですね。なかなか深いですね…。

(望月)私もそう思います。次も同じような深みがある言葉だと思います。

◎河を大切にする

麻雀はツモと打牌を繰り返すゲームです。山から1枚持ってきて、手牌からいらない牌を1枚捨てる。これを繰り返すゲームなんですね。必要な牌が手牌に残っていて、いらない牌が捨てられる。そんないらない牌が河に並ぶ訳ですが、この河を大切に扱うのが大事だということなんですね。

(編集部)えっ、いらなくて捨てた捨て牌が並ぶ河を大切にする?って…どういうことですか?

(望月)私は、

『捨て牌は手牌を映す鏡』

だと考えているんです。手が早ければ早い捨て牌になるし、手が遅ければ遅い捨て牌になりますよね。良い手なら良い捨て牌になるし、悪い手なら悪い捨て牌になるという訳です。

(編集部)それはなんとなくわかりますが、具体的にはどのようなことなのか解説していただけますか。

(望月)相手の手の内がどうなっているかはわからないですよね。見えないのですから。ただ、捨て牌を見て相手の心の状態を推し量ることは出来ると思うんです。

(編集部)というと?

(望月)捨て牌が乱れている時は、心が乱れていることが多いです。逆に、綺麗に捨て牌が並べられている時は心穏やかに対局に向き合えていることが多いと思いませんか?

(編集部)なるほど!

(望月)心穏やかに対局出来ている時は、相手のことを思いやる心の余裕がありますよね。しかし、心が乱れていると、相手のことなんか気にする余裕もなく、自分自身のことばかり考えての対局になったりしませんか?

(編集部)確かに。皆さん心当たりがあるのではないでしょうか。

(望月)マナー良く対局するためには、自分のことばかりではなく相手のことを思いやる心の余裕が必要です。その物差しとなるのが…自分自身の河ということになるわけです。捨て牌が並ぶ河を丁寧に扱うことが出来れば、心にも余裕が生まれる。心に余裕がある状態で対局出来れば、マナー良く対局することが出来るという訳です。

(編集部)そうですね! これは目から鱗です。心穏やかに対局出来るかどうかは大切なことですから。

(望月)そう思いますよね。そして最後に、

◎相手を敬い対局をする

ここまでのお話を聞いていれば、こちらは至極当然のことのように思えますよね。麻雀は4人いないと出来ないゲームですから、(もちろん3人麻雀もありますが、メンツがいないと麻雀が出来ないという意味です)、一緒に麻雀をしてくださる相手に感謝して、リスペクトして対局に臨むという気持ちを持ってさえいれば、対戦相手に不快感を持たせることもなくマナー良く対局することが出来るはずです。

(編集部)なるほど! 【牌品高】ってすごい言葉ですね。今後私もマナー良く対局出来るような気がしてきました。

(望月)ご覧になっている皆さんも、この【牌品高】を心掛けて対局してみてください。きっと、良い結果が生まれると思いますよ。

(編集部)望月プロ、ありがとうございました。

(望月)こちらこそありがとうございました。

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