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麻雀コラム「麻雀店経営サポート」 今回は 麻雀店営業から離れて 風営法関連の サイドビジネスについて あれこれ解説していきます 行政書士・社労士:荒木康宏
麻雀店と風営法に関して今までいろいろと書いてきました。今回は話を少し脱線させて書いていきたいと思います。今回は麻雀業以外の普段はあまり馴染みのない業種も出てくるので、軽い気持ちで読んで下さい。
その前に、千葉県千葉市だけの話で申し訳ございませんが、千葉市に事業所のある経営者限定で、千葉市エネルギー支援金の第2弾が発表されました。内容は、前回とほとんど同じです。令和5年10月〜令和6年3月までのどの月1カ月の電気、ガス、ガソリン、軽油等のエネルギー関連の経費が3万円以上になった場合に、5万円支給されます。1カ月単位での計算なので、2カ月合算はできません。エネルギー代同士の合算は出来ます。千葉市内に事業所のある経営者は確認をしてみてください。
■許可と届出
許可と届出は、同じように捉えられがちですが、まったく異なる概念です。許可は、申請書を提出後、審査期間があり、その後許可証の発行があります。役所が内容の審査をし、内容に問題が無いかを審査します。実体審査の形をとります。基本的には、許可者の判断に委ねられます。
これに対し届出は、内容を細かく審査することはせず、形式審査の形をとります。形式が整っていれば受理をします。基本的には出して終了です。整っていれば原則受けなければなりません。
たとえば、キャバクラの営業は風営法許可、バーは深夜の酒類提供の届出です。キャバクラであれば、申請書を提出してから55日標準処理期間を要します。
これに対しバーは、営業開始予定日の10日前に届出をする必要があります。標準処理期間はありません。営業開始日前に届出済証が交付されます。
許可には標準処理期間があり時間がかかります。届出は即日受領なので、空家賃を出したくない場合には、許可を取らずに届出だけで済ます店もあります。最近よく摘発されているガールズバーは、この類です。
風営法許可であれば接待をすることできますが、深夜の酒類提供の届出だと接待はできません。空家賃を発生させたくないから、という理由で深夜の酒提供の届出をし、接待をさせていて摘発されるお店は結構あります。
ですから、お店の実態とこの点は合わせるようにしなければ後々トラブルになります。
■性風俗関連特殊営業
普段は、風営法の話をしていますが、今回は、趣向を変えてサイドビジネスとして経営を試みる方も多い性風俗関連特殊営業について触れてみたく思います。
意外かもしれませんが、大人のおもちゃ屋さんも店舗型性風俗特殊営業の5号営業に該当します。町の大人のおもちゃ屋さんも警察に届出をしているのです。
以下、サイドビジネスとして手を出す人も多い性風俗特殊営業について解説します。
【デリバリーヘルス】
一時、デリバリーヘルスを開業するのがブームになったことがありますし、今でもちょくちょく問い合わせがあります。「脱サラしてデリヘルオーナーに!!」「申請は簡単!!」と景気のいい言葉が並んでいました。本屋に行けば、デリヘルで起業というものもありました。では、実際デリバリーヘルスはサイドビジネスとしてオイシイのでしょうか?
まず、現在では新規の店舗型ヘルスの新規開業は法規制のため事実上不可能に近いです。そのため、開業するのであれば、デリバリーヘルスが主流となっています。
《必要書類一覧》
デリバリーヘルスを開業する場合、以下の書類が必要となります。管轄により多少異なりますが、以下のとおりです。
◎無店舗型性風俗特殊営業開始届出書
◎営業の方法を記載した書類
◎事務所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
◎事務所の平面図
◎住民票の写し
◎法人の場合は、定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票
基本的な書類は上記のとおりです。もしも、事務所とは別に待機所を設けるのであれば、
◎待機所の平面図
◎待機所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
更に、受付所を設ける特殊な場合には、以下の書類が必要となります。ただし、東京都内は、台東区千束4丁目の一部以外設置不可です。この点注意が必要です。
◎受付所の平面図、周囲の略図
◎受付所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
《書類の注意》
上記の書類の中で一番大事なものは、使用承諾書です。風営法・性風俗関連の書類で一番大切なのは、使用承諾書です。使用承諾書がなければ、絶対に届出が受理されることはありません。それ位重要な書類です。使用承諾書が手に入れば、もう申請の半分は終わったようなものです。それ位風営法の中で使用承諾書の役割は大きいです。
たとえば麻雀店やキャバクラの図面は、非常に細かくミリ単位で計測をします。しかしながら、本届出の図面は、ラフなもので構いません。契約書に付属している図面の提出でも構いません。
住民票は、本籍地が入っていることが条件です。警察は本籍地で犯罪歴を確認するからです。
正直、申請書はネットにも落ちていますし、警察もそこまで細かいことを指摘しません。ですから、行政書士に代理人申請を依頼するレベルではありません。この点、誰でも低予算で始められます。
《申請業者の実情》
家賃、車、広告費を低く抑えれば100万円以内の低予算で手軽に始められる事業ですが、ほとんどの場合短期間で廃業することが多いです。簡単に始められる分ライバルも多く、過当競争に陥っています。結構難しい業種です。ですから、サイドビジネスとして展開するには非常に厳しい業種であることには間違いないです。やはり、資金力と華の有る女の子を揃えられる業者でないと生き残りは厳しいです。なので、ノリでやるのは止めておいた方が良い業種です。
■性風俗関連特殊営業②
【映像送信型性風俗特殊営業】
いわゆるエロサイトです。アダルトサイト、アダルトチャット配信等がこれに該当します。直接身体が触れ合うものではないですが、性風俗特殊営業に該当します。最近では、アダルト配信をして稼ぐカップルもいます。ある意味身近な風俗営業かもしれません。裸一貫で一攫千金を狙える業種かもしれません。
《必要書類一覧》
◎映像送信型性風俗特殊営業開始届出書
◎営業の方法を記載した書類
◎事務所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など)
◎住民票の写し
◎法人の場合は、定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票
《書類の注意点》
注意点は、デリバリーヘルスと同じで、使用承諾書を取得することです。これがないと届出ができません。素人の参入障壁のまだ低い分野ではありますが、これからは過当競争に突入するように思います。
インフルエンサーになれば一攫千金を狙えますが、自分の恥部を切り売りできるメンタルがないとキツいです。もしやろうとすれば、場の提供をする側に回るのもありかもしれません。
■その他の分類
【マッチングアプリや出会い系サイト】
最近人気のマッチングアプリ。芸能人が利用をして話題になっています。これは、風営法のカテゴリーではなく、インターネット異性紹介事業として独立した取り扱いを受けています。なので、これは風俗営業とは別の届出という概念です。
基本的に青少年の保護を対象としているため、風営法関連とは異なる法律で規制されています。
《必要書類一覧》
◎インターネット異性紹介事業営業開始届
◎住民票の写し
◎身分証明書
◎送信元識別符号を使用する権限があることを疎明する資料
プロバイダーの契約書です
◎誓約書
◎法人の場合は、定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票
《書類の注意点》
添付書類の中で間違えがちなのが、身分証明書です。本籍地で発行されるものです。運転免許証や健康保険証ではありません。破産歴の有無が記載されている書類です。
これの届出に関しては物件の使用承諾書は必要ではありません。意外かもしれませんがこの届出は、前述のとおり風営法のカテゴリーではないからです。
これも簡単ではありますが、サイトの運営に莫大な経費がかかるので、簡単に手出しはできません。
過去に、出会い系サイトブームがありました。これは、業者間で登録者のメールアドレスを売買するのが可能だったからです。いわゆるカモの売買です。しかしながら、法規制が入ったのとスマホの普及により出会い系サイトもマッチングアプリに取って代わられました。
■その他
風営法のカテゴリーとはまったく関係ないですが、最近問い合わせが多いのが、「メンズエステ」です。最近空いているマンションがあれば大体メンズエステが新規で入ってくることが多いです。一室を何人かで時間差シェアしていることもあります。
基本的には、エステです。人気なのは、鼠径部を攻めるキワキワプレイがあったり裏オプションがあったりするからだと思います。
メンズエステの届出や許可はありません。何故なら、表向きは素人が施術するエステだからです。
仮に、届出を出そうとしたら、店舗型ヘルスの届出を出さなければなりません。しかしながら、現在は店舗型ヘルスの申請が出来ないので、受け付けてもらえません。
メンズエステは結構グレーゾーンな商売です。エステを謳い、それを貫くのであれば問題はないですが、それ以上のことをするのであれば摘発の対象となります。お店側が健全店を標榜していても、女の子がこっそり何かしていると結局経営者が逮捕の対象となってしまいます。
メンズエステブームに乗り、健全店で儲けることも可能ですが、女の子の自主性に任せる部分もあるので一か八かやる事業のような感じもします。
■最後に
性風俗関連は許可ではなく、届出制です。また、許可と異なり申請書自体は簡易で簡潔なものが多いです。そのため、手出しをしやすいです。ただ、手を出しやすい分経営を継続してゆくのは結構厳しいです。
物は試しで失敗しても大きな火傷はしないのでチャレンジしてみるのもありです。ただ、風営関連の外にあるメンズエステだけは要注意です。
文:荒木康宏
荒木行政書士・社労士事務所
〒260-0031千葉県千葉市中央区新千葉3-2-1
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