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「麻雀を教えるって、どういうこと?」第75回
「麻雀を楽しくスムーズに覚えてもらうためにはどうすればいい?」
この連載は麻雀教室の開講をお考えの営業者に、
現役麻雀講師が持つスキルのすべてを大公開!
第75回目となる今回も、麻雀を普及させていくうえでの麻雀教室の役割や立ち位置について解説していきます。
みなさんこんにちは。
前回は、麻雀普及を進めていくためのハード(麻雀教室を行う場所や環境)とソフト(麻雀教室の講師の質や指導内容)の充実が大切だという観点から、ハードの現状と改善ポイントについて述べさせて頂きました。
そして、
「ハードを充実させるためにはソフトの力が必要」
というところまでお伝えしたと思います。
今回は、ソフト(麻雀教室の講師の質や指導内容)をどのように向上させ、全国に波及していけば良いか、ということについて掘り下げて考えていきたいと思います。
私が麻雀教室の講師となってから十数年。
自身のスキルアップと向学のために、全国各地の麻雀教室を見学させて頂きました。
さまざまな形式の麻雀教室を体験させて頂きましたが、講師の方が魅力的だと感じる麻雀教室こそが盛況となっているという事実を体感してきました。
講師が持ち合わせているカリスマ性はもとより、講義中に引き込まれてしまうような話術、生徒さんが仲良く楽しめるような雰囲気を作り上げる心配り、そして麻雀に向き合う姿勢を引き出す麻雀への愛情。
優れた講師の元で学んでいる生徒さん達は、本当に心の底から麻雀を楽しんでいる様子が目に取れました。
また、成功しているところでは、麻雀教室からスムーズに健康マージャンに移行を進めているケースも多々見られます。
こういったケースは、麻雀教室でのカリキュラムをきっちりと行い、スタッフ同士の情報共有もスムーズに行われているために、健康マージャンの会員数増加に繋がっているというように感じました。
どちらも魅力的なスタイルに感じるのですが、これらが全国すべての場所で通用するのか?と問われると非常に難しいように思います。
また、誰にでも出来るようなスタイルか?と問われても現状では難しいでしょう。
前述した魅力ある講師が行っているような麻雀教室の運営には、そもそも担当する講師自身が魅力ある存在でなければなりませんし、他の講師を圧倒するような知識やスキルを身につける必要があります。
また、カリスマ性などは身につけたくても身につけられるものではありません。持って生まれた先天的な部分にも大きく左右されることもあるでしょう。
ですから真似しようと思っても真似出来ない部分も多くあるのが現実だと思います。
また、麻雀教室から健康マージャンに移行することに主眼を置いた指導方法では、基礎的な部分の知識が足りないまま次のステップに進んでしまうケースをよく目にします。
ゲームが出来るようになったから次のステップに進む→スムーズに行えるようになったから次のステップに…。
このように、次の段階に進むことに目的を置いてしまうと、生徒さんの知識やスキルが上がらないまま進んでしまうため、先に行けば先に行くほど個人のレベル差が広がってしまうことに繋がります。
レベル差が生じてしまったまま、麻雀を打つ回数や時間が増えると、なかなか勝てない方にはどうしても不満が溜まってしまったり、麻雀を打つことに対してマイナス思考になってしまうことが多くなってしまうんですね。
もちろん、進行具合や理解度には個人差があるのは当然ですが、どんなレベルの方であっても同じように楽しめるような環境を作ってあげることが、麻雀教室を運営する側の責務であると考えています。
また、周りに競合するような麻雀教室や健康マージャンがないような環境で行っているような所ほど、細かいマナーや本当に大切な部分の指導が行き届いていないように感じています。
競合するところがないから自由にやらせてしまっているのか、講師自身の意識やスキルが足りないのか、理由はさまざまだと思いますが、同じように麻雀教室の看板を掲げているのにも関わらず内容がまったく違う、という話も良く聞く話です。
私が麻雀普及活動をする上で考えている理想は、
「生まれ育った環境や住んでいる場所が違っても、同じように麻雀を楽しめる環境を作りたい」
ということです。
すべてを良い方向に進めるのは難しいかもしれませんが、少しずつでも麻雀を楽しむ皆さまにより良い形を提供してあげたいと考えるのです。
そのために必要なことは、
◎麻雀講師のライセンス制度の整備
◎麻雀講師ライセンス取得後の継続的な研修制度の設立
これらが必要であると考えています。
麻雀講師のライセンスについては、各団体がいろいろな形でライセンスを発行していると認識しています。
また、指導経験がまったくない方が、麻雀が好きという理由だけで講師となっているケースもよくあります。
ライセンスを統一する必要はあまり感じていませんが、指導方法やルールやマナーについての把握については共通認識を持つ必要があると感じています。そうでないと、生徒さんが麻雀教室を巣立った先でまた新たな壁にぶつかってしまうことが考えられるからですね。
全国どこで誰と麻雀をやっても、同じように楽しめるように指導してあげることを第一に考えなければならないと思っています。
次に掲げたライセンス取得後の継続的な研修制度については、すぐにでも実施出来るような形を業界で整備すべきだと考えています。
正直に申しますと、麻雀教室の講師やアシスタントスタッフの中には、明らかにスキル不足であると感じる方が多くいらっしゃるのが現実です。
麻雀教室の講師をやっていると、教室の規模が大きくなったり人数が増えてくることがよくあります。
そんな時、生徒さんの中からアシスタントスタッフになってもらうことってありませんか?
そして、アシスタントから麻雀講師へ…というケースをよく目にします。
もちろんその方が優れた人材であるからこそ、アシスタントスタッフや麻雀講師に抜擢したのだと思うのですが、しかしながら少し前までは同じように麻雀教室の生徒さんだったわけです。
その方が講師に…となると、麻雀教室の講師は誰にでも務められることになってしまうと感じてしまうのです。
ライセンスを取得したとはいえ、知識やスキル、経験などは長年講師業を行っている方とは雲泥の差のはずです。
そういった方々が、さらに知識やスキルを身につけるような、『講師が学ぶ場所』を作らないといけないですし、『講師を指導する講師』が必要な時代に突入していると感じています。
全国各地の麻雀講師が、同じような知識やスキルを身につけることが出来れば、麻雀教室のレベルは飛躍的に向上するでしょうし、麻雀教室から健康マージャンへの移行もスムーズになるはずです。
そのために提案したいのは、『オンラインでの麻雀講師への講義』です。
そして、麻雀講師を指導する講師が、それだけで生活できるような仕組みが構築されれば、この業界がさらに良い方向に向かっていくと信じています。
具体的なプランはまた次の機会に。それではまた。