麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」 望月雅継(日本プロ麻雀連盟) | 麻雀新聞

麻雀コラム「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」 望月雅継(日本プロ麻雀連盟)

今回から新連載、「今夜、麻雀の楽しい未来を語りましょう!」がスタート!

こちらのコーナーを担当するのは、日本プロ麻雀連盟の望月雅継プロ。

今回から始まるこの企画は、毎回テーマを決め、そのテーマについてのお話を望月プロに語って頂こうというものです。

■ねんりんピック

(編集部)それでは望月プロ、よろしくお願いいたします。

(望月)こちらこそよろしくお願いいたします。

(編集部)記念すべき第1回のテーマは、『国や地方自治体が主催する麻雀大会について』です。望月プロは、ねんりんピックや国民文化祭などの事業の運営や審判業務など、さまざまな大会を多岐に渡りサポートしています。それぞれの大会や運営状況など、ご存じない方も多くいらっしゃると思いますので、わかりやすくご説明頂いてもよろしいでしょうか?

(望月)わかりました。まずはねんりんピックの説明からさせて頂きます。ねんりんピックとは、わかりやすく言うと60才以上の皆様方の《国体》といったところでしょうか。厚生労働省と開催都道府県・一般財団法人長寿社会開発センターが主催して、各都道府県が持ち回りで開催するイベントになっています。国体と違うのは、スポーツの祭典だけではなく、頭脳スポーツも競技に含まれている点ですね。麻雀以外にも、将棋や囲碁、俳句など、頭を使って考える競技が採用されているのです。

(編集部)麻雀業界にとっては喜ばしいことですよね。

(望月)厚生労働省が、高齢者の健康維持や健康寿命の伸長、社会参加や生きがいづくりのために麻雀が有効なゲームであると認識してくださっている証拠だと思いますね。

2007年に茨城県龍ケ崎市で行われた『ねんりんピック茨城』から正式種目として健康マージャンが採用されているんですよ。今年度は愛媛県四国中央市にて、『ねんりんピック愛顔のえひめ2023』が開催され、先日盛況のうちに終了したところです。

来年度は鳥取県若桜町にて、『ねんりんピックはばたけ鳥取2024』が開催予定となっております。

(編集部)厚生労働省や各都道府県が主催するねんりんピックに、健康マージャンが正式種目として採用されているという事に驚かれる人も多いかもしれませんね。このねんりんピックにおいて健康マージャンが採用されるに至るまでの経緯についてお話ししていただけますか?

(望月)2007年に初めて健康マージャンが正式種目に決定するまで、本当に多くの方々のご尽力があったということを伺っております。一般社団法人全国麻雀段位審査会(以下、全段審)の山岸次雄会長をはじめ、たくさんの先輩方が開催に向けて奔走してくださいました。

2004年に行われた『ねんりんピックぐんま』に自主企画イベントとして参加して以来、数々の交渉を重ねて今に至るというわけです。私自身も、2006年に地元静岡で開催された公開競技の『ねんりんピック静岡』にスタッフとして参加させて頂いたのが最初で、その後全段審役員として2014年の『ねんりんピック栃木』から大会運営に携わっています。

(編集部)健康マージャンを推進してきた先輩方々が長い年月をかけて粘り強く活動し、少しずつ認知されてきたというわけですね。国民文化祭についてはいかがでしょうか?

■国民文化祭

(望月)国民文化祭は、文化庁と厚生労働省、開催県、開催県教育委員会、開催市町村、開催市町村教育委員会等が主催して行われる、いわば国民すべてが参加できる文化祭といったところですね。この国民文化祭にも諸先輩方が「麻雀は日本の文化である」

といった訴えかけを文化庁に対して粘り強く交渉を続けた結果、2018年に正式種目として認定され、大分県豊後高田市で行われた「第33回国民文化祭・おおいた2018」全日本健康マージャン交流大会からスタートしたわけです。

(編集部)文化としての麻雀という側面を文化庁にご理解いただけたのは非常に大きいですね!今年度はどちらで開催されたのでしょうか?

(望月)今年度は石川県金沢市にて、「第38回国民文化祭 第23回全国障害者芸術・文化祭 いしかわ百万石文化祭2023」が開催されました。大会規模が少しずつ大きくなってきている国民文化祭「全日本健康マージャン交流大会」ですが、今大会は史上最多の112卓448名での開催となりました。来年度は岐阜県大垣市にての開催が決定しております。

(編集部)448名ですか!本当にすごいスケールの大会になってきましたね。

(望月)そうなんです。国民文化祭とねんりんピックの違いは年齢制限がないということです。ねんりんピックの出場資格や参加条件は、《60才以上であること》《各都道府県や地方自治体から1チーム4名で出場すること》《競技は団体戦、個人戦で行われる》。対して国民文化祭は、《年齢制限がない》《各都道府県から派遣される選手枠の制限がない》《競技はペア戦(2名1組)、個人戦で行われる》となります。今回愛媛で行われたねんりんピックでは、最高齢者が93歳、石川で行われた国民文化祭では最高齢者が91歳、最年少者はなんと7歳!御年配の方から小学生まで一緒に楽しむことが出来る健康マージャンって、本当に素敵な競技だと思うんですよね!

(編集部)年齢差なんと84歳!素晴らしいですね。

(望月)本当にそう思います。世代や性別に関係なく、同じ土俵で戦えることが素晴らしいんです!

■麻雀プロも積極的に参加し麻雀で楽しく交流!

(編集部)ねんりんピックや国民文化祭にはゲストプロも出場していて、参加者の方たちも喜ばれているようですね。

(望月)はい。ねんりんピックにはお楽しみ対局コーナーを設けてありまして、こちらでは年齢制限なくゲストプロと対局出来るチャンスがあるんです。地元麻雀ファンの皆さんのためのイベントということですね。ゲストプロとの交流を通じて、ねんりんピックというイベントを認知して頂く目的もあります。国民文化祭は、ねんりんピック同様お楽しみ対局コーナーにてゲストプロと対戦出来るチャンスがあるのですが、ねんりんピックとの違いは出場選手の皆さんが特別招待プロと競技の中で直接対戦する可能性があるんですよ。

(編集部)それは参加者の皆さんも熱が入りますね!

(望月)ゲストプロの皆さんは表彰対象にはなりませんが、普段テレビや配信の中で対局している麻雀プロの皆さんと対局出来るチャンスはなかなかないですからね。もちろん、麻雀プロの皆さんは全力で戦ってくれておりまして、第1回の国民文化祭では日本プロ麻雀連盟の森山茂和会長が優勝されましたし、その後も最高位戦日本プロ麻雀協会で赤坂ドリブンズの園田賢プロ、そして今回もチーム戦で日本プロ麻雀協会のペアの仲林圭プロ・水口美香プロが優勝と、プロが実力やその力強さを十分に発揮してくれている大会となっているんです。

■ねんりんピック・国民文化祭に出場するには?

(編集部)そうなると、この国民文化祭に出場してみたい、と考える麻雀ファンの皆さんがどんどん増えてきているのではないでしょうか。ねんりんピックや国民文化祭に出場するためにはどうしたら良いのでしょうか?

(望月)ねんりんピックは各都道府県や政令指定都市で代表選考の予選会を行っています。国民文化祭も同様に各地で予選会を開催しておりますが、予選会開催への行政のバックアップがねんりんピックと異なりまだまだ少ないため、予選会の周知が徹底されていないことが今後の課題かもしれません。なるべく多くの地域から選手派遣をしたいと考えていますので、今後は本大会同様予選会の充実と告知にも力を入れていきたいと思います。

(編集部)なるほど。それではここからは望月プロの本業でもある大会での審判業務についてと、地方自治体との交渉など事前準備について伺いたいのですが…今回は文字数の関係でここまで、ということになります。望月プロ、ありがとうございました。

(望月)こちらこそありがとうございました!

(編集部)皆さま、次回をお楽しみに。

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